- 忍者武器ミュージアム|本物の武具と手裏剣投げ体験。金沢・にし茶屋街の忍者スポット
- 忍者武器ミュージアムは、金沢・にし茶屋街にある忍者と侍の武具の展示施設。アンティークの手裏剣や甲冑など約160点を見学でき、手裏剣投げ体験のほか、模造刀やグッズが買えるショップもあります。
最終更新日:

金沢の街なかを流れる浅野川。その左岸に、紅柄格子(べんがらごうし)の家並みが川に沿って続く一角があります。主計町(かずえまち)茶屋街です。
金沢の茶屋街でいちばんよく知られているのは、いつも観光客でにぎわうひがし茶屋街です。けれど、浅野川をはさんだ対岸にある主計町は、三つの中で最も小さく、最も静かな花街です。
この小さな花街には、ほかの二つにはない見どころがあります。川面にせまる町並みの情緒、そして街と神社を結ぶふたつの坂。坂は、金沢ゆかりの文豪たちが歩いた道でもあります。
この記事では、主計町茶屋街の魅力を紹介します。

主計町茶屋街は、石川県金沢市にある、ひがし茶屋街・にし茶屋街と並ぶ金沢三茶屋街のひとつです。浅野川の左岸に紅柄格子の茶屋建築が連なり、三茶屋街の中で最も規模が小さく、静かな風情を楽しめる花街として知られます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 主計町茶屋街(かずえまちちゃやがい) |
| 営業時間 | 店舗・施設により異なる |
| 所在地 | 〒920-0908 石川県金沢市主計町 |
| アクセス | 城下まち金沢周遊バス・北鉄バス「橋場町」バス停から徒歩約5分/ひがし茶屋街から浅野川大橋を渡り徒歩約5分 |
| 公式サイト | https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_52358.html |
主計町茶屋街の見どころは、まず浅野川沿いの町並みそのものにあります。

浅野川大橋から中の橋までの間、川の左岸に、二階建ての茶屋建築が水辺に沿って連なります。一階の格子は、紅柄(べんがら)と呼ばれる赤茶色に塗られた紅柄格子。座敷を備えた背の高い二階が、川沿いの細い通りに続きます。川面のすぐそばに家並みが立ち並ぶことから、この一帯は古くから「ながれ」と呼ばれてきました。

三つの茶屋街のうち、川沿いに建つのは主計町だけです。水の音を聞きながら花街の通りを歩けるのは、ここならではの楽しみです。
通りは短く、路地は細く、観光客の数もひがし茶屋街ほど多くありません。せわしなさのない通りで、加賀の花街の風情をゆっくりと感じられます。

主計町は、ひがし茶屋街とともに、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれています(2008年・平成20年)。江戸時代から続く茶屋町の景観が、今も町ぐるみで守り継がれています。
主計町には、川沿いの通りと高台の町とを結ぶ、ふたつの坂があります。どちらも、金沢ゆかりの文豪に縁の深い坂です。

ひとつは、暗がり坂(くらがりざか)。主計町茶屋街から、高台に鎮座する久保市乙剣宮(くぼいちおとつるぎぐう)へと上る、石段の小路です。両側から木々や建物がせまり、日中でもほの暗いことから、この名で呼ばれています。
金沢で生まれた明治の文豪・泉鏡花(いずみ きょうか)は、この坂の近くで育ちました。幼い頃、この坂を通って学校へ通ったといわれます。神社の参道から茶屋街へと一気に下りていくこの坂は、表通りからは見えない、主計町の隠れた入口でもあります。
暗がり坂のすぐ近くに、もう一本、あかり坂があります。

もとは名のなかったこの坂に名前を付けたのは、金沢を舞台に数々の作品を書いた作家・五木寛之(いつき ひろゆき)です。泉鏡花にちなんで「あかり坂」と名付けられました。
浅野川のほとりに広がる主計町の風景は、泉鏡花や五木寛之の作品にもたびたび描かれてきました。ふたつの坂をめぐりながら、文豪たちが見たであろう花街の面影をたどれます。

なぜ、この一角が「主計町」と呼ばれ、花街として今に続いてきたのか。その背景には、町名と茶屋町の歩みがあります。
「主計町」という名は、江戸時代にこの地に屋敷を構えた加賀藩士・富田主計(とだ かずえ)に由来します。人の名が、そのまま町の名として受け継がれてきました。
茶屋町として主計町が栄えたのは、明治から昭和の戦前期にかけてです。最も賑わった昭和の初め頃には、この狭い一帯に48軒もの茶屋が軒を連ね、町のほとんどが茶屋だったといわれます。
そもそも茶屋とは、芸妓(げいぎ)が舞や唄、三味線の音で客をもてなす座敷のことです。主計町には今も三軒のお茶屋があり、芸の伝統が受け継がれています。ただし、お茶屋でのおもてなしは紹介客が基本で、一見(いちげん)さんは利用できないのが習わしです。観光で訪れる際は、表通りの家並みを外から眺めて楽しみます。
主計町の名は、一度、地図から消えたことがあります。1970年(昭和45年)、周辺と統合されて「尾張町2丁目」となり、町名が失われました。その名がよみがえったのは1999年(平成11年)のことです。全国で初めて旧町名が正式に復活した町が、この主計町でした。
主計町の風情がいっそう深まるのは、日が暮れてからです。

夕暮れどきになると、川沿いの料亭やお茶屋に、ひとつ、またひとつと明かりがともります。紅柄格子の隙間からこぼれる灯が、足元の石畳と浅野川の水面をやわらかく照らします。

日が落ちる頃には、お座敷へ向かう芸妓の姿を川沿いの道に見かけることもあります。ときおり、お座敷から漏れる三味線や太鼓の音が通りに流れ、花街ならではの風情を感じられます。観光地のにぎわいとは無縁の、しっとりとした宵のひとときです。
派手な夜景があるわけではありません。けれど、灯と水音と三味線の響きが溶け合う夜の主計町は、加賀の花街がもっとも美しく映る時間です。


主計町に連なる町家は、今もその多くが現役のお店です。加賀の旬を盛る日本料理や鮨、冬の名物・寄せ鍋の老舗、茶屋を生かした町家カフェ、夜の路地にともるバー。暖簾をくぐれば、かつての茶屋建築のなかで、加賀の食事やお茶、一杯のお酒を楽しめます。
| 店舗 | ジャンル | 営業時間 | 定休日 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| いち凛 | 日本料理 | 11:30 〜 13:30(L.O.) 17:00 〜 22:30(L.O.)(火曜は夜のみ) | 月曜(火曜のランチ休) | 版画家の旧居を改装した町家で、旬の食材と地酒のコース料理を供する |
| 鮨処 あさの川 | 寿司 | 昼 11:30 〜 14:30(L.O.14:00) 夜 17:30 〜 22:00(L.O.21:30) | 水曜・木曜 | 名店「小松弥助」で修業した店主が握る、日本海の幸の鮨 |
| 鮨 むかい川 | 寿司 | 平日 18:00 〜 21:00 土日 12:00 〜 14:00・18:00 〜 21:00 | 水曜(不定休あり) | 浅野川を望む町家2階の小体な鮨店。カウンター主体 |
| 太郎 | 鍋料理 | 17:00 〜 22:00(L.O.20:30) | 不定休(年末年始休) | 60年以上続く鍋の老舗。秋 〜 春は名物の寄せ鍋、夏は会席。全室個室・要予約 |
| 八巻 | すき焼き | ランチ 11:30 〜 15:00(L.O.14:00) | 月・火・水曜(不定休あり) | あかり坂の麓に立つすき焼き専門店。和モダンな町家でプレミアム牛 |
| 町家カフェ 土家 | カフェ | 土・日・祝中心(不定休) | 平日ほか不定休 | 大正2年(1913年)築の茶屋を生かした町家カフェ。浅野川を望む座敷で珈琲と甘味 |
| 彩賀 | カフェ | カフェ 12:00 〜 17:00 バー 20:00 〜 24:00 | 不定休(水曜はカフェ休) | 昼はカフェ、夜はバーの二つの顔を持つ町家の店 |
| まゆ月 くらがり坂 | 和カフェ | 完全予約制(時間は要確認) | 不定休 | くらがり坂近くの完全予約制。茶室や座敷で過ごす和カフェ&バー |
| 仲乃家 | バー・お茶屋 | カフェ 11:00 〜 16:00 バー 19:30 〜 24:30 | - | 芸妓が在籍する現役のお茶屋。夜は一見さんも入れるバーを営む |
| Barあさ見 小町 | バー | 18:00 〜 翌0:00(L.O.23:00) | 日曜 | 明治期の町家を改装したバー。石川の地酒と山崎などのウイスキー |
| Bar 一葉 | バー | 19:00 〜 翌2:00 | 日曜・祝日 | 料亭を思わせる日本家屋のバー。カクテルと日本酒に力を入れる |

主計町茶屋街は、金沢で過ごす時間に物語を添えてくれる花街です。
浅野川にせまる紅柄格子の家並み、文豪が通った坂、灯のともる宵。そのどれもが、花街の暮らしが今も続くなかにある、生きた風景。歩いて、眺めて、暖簾をくぐれば、その物語の中にあなたも身を置けます。
金沢の華やかさのとなりで、静かに時を重ねてきた、大人の花街。主計町茶屋街へぜひ足を運んでみてください。
