日本三名園『兼六園』見どころガイド|ミシュラン三つ星に輝く加賀百万石の日本庭園

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日本三名園『兼六園』見どころガイド|ミシュラン三つ星に輝く加賀百万石の日本庭園

ミシュランが最高評価を与えた庭園、兼六園の魅力に迫る

加賀百万石。江戸時代、大名のなかで最も大きな石高を誇ったのが、金沢の前田家でした。

その富と美意識を惜しみなく注いで造られたのが、兼六園です。

その名は、ひとつの庭園には併せ持てないはずの景色を、いくつも兼ね備えることに由来します。

その景色とは何なのか。加賀百万石が生んだ名園の見どころを、紹介します。

兼六園

霞ヶ池に新緑の木々が映る兼六園の風景

兼六園は、石川県金沢市にある廻遊式庭園です。岡山の後楽園、水戸の偕楽園と並ぶ日本三名園の一つで、加賀藩前田家が長い歳月をかけて造り上げた国指定の特別名勝です。ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでも最高ランクの三つ星に選ばれています。

兼六園 基本情報
項目内容
名称兼六園(けんろくえん)
開園時間3月1日 〜 10月15日:7:00 〜 18:00(入園は17:30まで)
10月16日 〜 2月末日:8:00 〜 17:00(入園は16:30まで)
定休日年中無休
入園料大人(18歳以上)¥320/小人(6 〜 17歳)¥100
電話番号076-234-3800
所在地〒920-0937 石川県金沢市丸の内1番1号
アクセスJR金沢駅兼六園口(旧東口)バスターミナルからバスで約15分、「兼六園下・金沢城」下車、桂坂口まで徒歩約5分
公式サイトhttps://kenrokuen.or.jp/

「兼六園」の名が語る、六つの景

夜間ライトアップで池に映る兼六園の雪吊り

兼六園という名は、庭が備える六つの景色「六勝(りくしょう)」から付けられました。六勝とは、宏大(こうだい)・幽邃(ゆうすい)・人力(じんりょく)・蒼古(そうこ)・水泉(すいせん)・眺望(ちょうぼう)の六つを指します。

ひらけた広さ(宏大)と奥深い静けさ(幽邃)、人の手を尽くした造形(人力)と時を経た古びた趣(蒼古)というように、本来は両立しにくい景色が対になっています。中国・宋代の書物にある、この六つを兼ね備えた庭こそ理想とする考えに沿って、「六勝を兼ねる園」=兼六園と名付けられました。

庭の始まりは延宝4年(1676年)、加賀藩5代藩主・前田綱紀(まえだつなのり)が金沢城に面した傾斜地に別荘を構え、その周囲を庭園としたことにさかのぼります。以後、歴代の藩主が池を広げ、茶亭や築山を加えながら手を入れ続け、およそ11.4ヘクタールに及ぶ今日の姿に整えられました。

ライトアップされた唐崎松の雪吊り

琴柱の灯籠と霞ヶ池。兼六園の顔となる景

兼六園を代表する景色が、霞ヶ池のほとりに立つ徽軫灯籠(ことじとうろう)です。

霞ヶ池のほとりに立つ徽軫灯籠と桜の花びら

二本の脚のうち片方だけを池の中に下ろした、高さ2.67メートルの石灯籠で、手前に架かる虹橋を琴に見立てると、灯籠が弦を支える琴柱(ことじ)に見えることが名の由来です。

虹橋と徽軫灯籠が並ぶ霞ヶ池の眺め

灯籠のそばには、園内一の枝ぶりを誇る唐崎松(からさきのまつ)が霞ヶ池へ大きく枝を伸ばしています。灯籠・虹橋・松・池の水面が一つにまとまったこの眺めは、兼六園の象徴として写真に収められる定番の一枚です。

支柱に支えられた唐崎松が水面に映る風景

背後に広がる霞ヶ池は、面積およそ5,800平方メートルの園内最大の池です。中央には亀の甲羅の形をした蓬莱島(ほうらいじま)が浮かびます。園のほぼ中心に位置するこの池を軸に、見どころが配されています。

青空の下に広がる霞ヶ池と池畔の建物

桜が園を彩る、春の兼六園

満開の桜とぼんぼりが並ぶ兼六園の春の園路

春の兼六園は、桜が主役です。園内各所に植えられたソメイヨシノは、例年4月上旬から中旬にかけて見頃を迎えます。この観桜期には、夜間の無料開園とライトアップも行われ、灯りに照らされた夜桜を楽しめます。

曲水沿いに咲く兼六園の満開の桜

ソメイヨシノが散ったあと、4月下旬から5月中旬にかけて見頃を迎えるのが兼六園菊桜(けんろくえんきくざくら)です。一つの花に300枚以上の花弁を重ねる遅咲きの珍しい桜で、菊の花のように咲く姿から名が付きました。

新緑の葉に囲まれて咲く兼六園菊桜

園を代表する徽軫灯籠や霞ヶ池も、芽吹きの彩りに包まれる春。加賀百万石の名園が一年でもっとも華やぐ季節です。

新緑がまぶしい、夏の兼六園

夏の新緑に包まれた霞ヶ池の風景

夏の兼六園では、園内の木々が深い緑に包まれます。生い茂った葉が濃い木陰をつくり、曲水や霞ヶ池の水辺が涼やかな空気を運びます。

新緑の木陰に立つ徽軫灯籠と霞ヶ池

初夏には、曲水の流れに沿ってカキツバタが紫の花を咲かせます。園内には犀川の上流から辰巳用水を経て引かれた曲水がめぐり、その水辺に季節の草花が彩りを添えます。

新緑に囲まれて流れる兼六園の曲水

高台の眺望台からは、卯辰山(うたつやま)や白山(はくさん)の山並み、遠く能登半島の方角までを見晴らせます。海抜およそ53メートルに位置し、緑に包まれた金沢の市街を一望できる場所です。

兼六園の眺望台から見渡す金沢市街

園が錦に染まる、秋の兼六園

霞ヶ池に映り込む鮮やかな紅葉

秋の兼六園は、カエデやモミジが赤や黄に色づきます。紅葉の名所として知られます。ふもとには俳人・松尾芭蕉(まつおばしょう)の句碑が建てられています。

霞ヶ池の周囲でも木々が色づき、水面に紅葉が映り込みます。

紅葉に囲まれた秋の徽軫灯籠

真紅に染まった兼六園もまた、美しいです。

赤い紅葉越しに見える雪吊りの松

雪吊りが冬を告げる、冬の兼六園

冬の兼六園を象徴するのが雪吊り(ゆきつり)です。日本海側特有の水分を多く含んだ重い雪から枝を守るため、木の幹に立てた芯柱から縄を放射状に張り、枝を吊り上げます。

円錐状の縄が張られた唐崎松の雪吊り

兼六園の雪の風景も非常におすすめです。雪で覆われた巨大な日本庭園を見たことがありますか?これほどまでに幻想的な光景はありません。

雪に覆われた兼六園と雪吊りの松

雪が積もれば、徽軫灯籠や霞ヶ池のほとりも白く覆われます。雪化粧をまとった灯籠と雪吊りの松が一つの画面に収まる眺めは、冬にしか見られない兼六園の姿です。

雪化粧した徽軫灯籠と霞ヶ池の冬景色

入園は正面玄関「桂坂口」から

兼六園の桂坂口付近と金沢城側の横断歩道

兼六園を初めて訪れるなら、正面玄関にあたる桂坂口から入りましょう。金沢城公園の石川門と向かい合い、金沢駅からの周遊バス「兼六園下・金沢城」からも最も近い、いちばん賑やかな入り口です。周囲には茶店や土産物店も集まります。

兼六園の桂坂口に立つ木製看板 桂坂口周辺に並ぶ茶店と桜の通路

一方、出口は兼六園を楽しんだあとの行き先で選ぶのがおすすめ。金沢城公園へ渡るなら、入ってきた桂坂口へ。石川門が目の前です。金沢21世紀美術館やしいのき迎賓館へ向かうなら、真弓坂口へ。広坂の交差点をはさんだ対角に美術館があります。石川県立美術館・国立工芸館などが集まる本多の森や金沢神社へ下るなら、随身坂口へ。県立美術館までは徒歩2分ほどです。

兼六園の桂坂口と真弓坂口と随身坂口を示す地図
次の行き先で選ぶ 兼六園のおもな出入り口
出入り口隣接する主なスポットメモ
桂坂口金沢城公園(石川門)兼六園の正面玄関。周遊バス「兼六園下・金沢城」最寄り
真弓坂口金沢21世紀美術館、しいのき迎賓館広坂交差点をはさんで美術館の対角、すぐ目の前
随身坂口石川県立美術館、国立工芸館、中村記念美術館(本多の森)、金沢神社出て坂を下ると石川県立美術館まで徒歩約2分

どの出入り口でも同じですが、一度ゲートを出てしまうと再入場ができません。

随身坂口を出た後で「やっぱり桂坂口から出たいので園内に戻りたい」ということはできませんので注意が必要です。

兼六園の随身坂口の門 兼六園の真弓坂口の門と案内板

所要時間は40-60分程度

兼六園は広大な庭園ですが、歩いてみて回るだけなら 40 分程度です。

ゆっくり見て回ったり、写真を取ったり、園内で休憩を取ったりなどを加味すると、1時間程度をみて旅程に入れておくのがおすすめです。

どの季節でも美しい、日本三名園たる日本を代表する大庭園

青空の下で雪吊りと銅像が並ぶ冬の兼六園

春・夏・秋・冬、兼六園は季節ごとに名高い景色をもち、一年を通じて金沢を代表する庭の見応えを楽しめます。

こうした多彩さを支えているのは、相反する六つの景色を一つに兼ねた庭園という成り立ちです。ひらけた眺めと奥深い静けさ、人の技と時を経た趣を、加賀百万石の藩主たちが代々磨き上げてきました。

四季それぞれの名景を、ひとつの庭で味わえる加賀百万石の名園。兼六園へぜひ足を運んでみてください。

新緑に囲まれた桂坂口周辺の茶店街
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