にし茶屋街 観光ガイド|茶屋建築が軒を連ねる風情ある石畳の街。金沢三茶屋街を歩く

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にし茶屋街 観光ガイド|茶屋建築が軒を連ねる風情ある石畳の街。金沢三茶屋街を歩く

出格子の町並みと、今も生きる茶屋文化。にし茶屋街の見どころを紹介

金沢駅東口に立つ木造の鼓門

金沢には、加賀の城下に花開いた茶屋文化を今に伝える「茶屋街」が三つあります。ひがし茶屋街、主計町(かずえまち)、そして、にし茶屋街です。

金沢で最も名高いのは、観光客でにぎわうひがし茶屋街です。けれど、犀川を渡った先のにし茶屋街も、加賀の城下に花開いて二百年。今も茶屋の文化が色濃く受け継がれている花街です。

出格子(でこうし)の茶屋建築が連なる短い通りには、加賀の甘味を伝える老舗や和カフェ、名店の数々。今も三味線や笛の音が通りに流れる、生きた茶屋街です。

この記事では、にし茶屋街の魅力を紹介します。

にし茶屋街

にし茶屋街の石碑と石畳の通り

にし茶屋街は、石川県金沢市野町にある、ひがし茶屋街・主計町と並ぶ金沢三茶屋街のひとつです。犀川(さいがわ)の南に位置し、出格子の茶屋建築が連なる町並みで知られます。

にし茶屋街 基本情報
項目内容
名称にし茶屋街(にしちゃやがい)
営業時間店舗・施設により異なる
所在地〒921-8031 石川県金沢市野町
アクセス城下まち金沢周遊バス・北鉄バス「広小路」バス停から徒歩約3分/金沢ふらっとバス長町ルート「にし茶屋街」バス停から徒歩約1分/長町武家屋敷跡・香林坊から徒歩圏
公式サイトhttps://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_10199.html

二階建ての家並みと石畳。一本の通りに凝縮された茶屋町の風情

にし茶屋街の見どころは、何よりもその町並みそのものにあります。

出格子の茶屋建築が続くにし茶屋街の通り

通りの両側に連なるのは、二階建ての茶屋建築です。一階には、細い木格子を揃いで並べた出格子。座敷を備えた背の高い二階が、通りに沿ってずらりと続きます。通りには提灯をかたどった街灯が並び、足元には石畳。加賀の城下に花開いた茶屋町の景観が、一本の通りに収まっています。

桜桃の提灯と木格子の茶屋建築が並ぶ通り

ひがし茶屋街と比べると、にし茶屋街の通りは短く、観光客の数も控えめです。だからこそ、せわしなさのない落ち着いた空気の中で、加賀の茶屋町の風情をゆっくりと味わえます。

春には、通りに面したしだれ桜が花を咲かせます。淡い桜色と、木格子の茶屋建築が織りなす一景は、にし茶屋街ならではの春の見どころです。

しだれ桜が咲く春のにし茶屋街

日が落ちると、にし茶屋街はいっそう趣を増します。出格子の内側や街灯にあかりがともり、石畳の通りをやわらかく照らします。夕暮れには、お座敷へ向かう芸妓衆が通りを行き交うこともあります。

夜の明かりに照らされたにし茶屋街の茶屋建築

加賀藩公認の茶屋町として開かれて二百年

なぜ、にし茶屋街にこうした町並みが守り継がれてきたのか。その背景には、二百年にわたる茶屋町の歴史があります。

金沢の城下では、犀川と浅野川にかかる大橋の周辺に、古くからお茶屋が集まっていました。それを加賀藩が公認したのが、1820年(文政3年)のことです。浅野川の「ひがし」とともに、犀川を渡った「にし」にも茶屋町が定められ、二つの花街が城下の出入口を彩りました。

幕末の金沢の茶屋町を描いた絵図パネル

今に続く町並みは、一度失われたものを取り戻した姿でもあります。1880年(明治13年)の大火で、にし茶屋街は一帯を焼失しました。再建で選ばれたのは、藩政期と変わらぬ姿。一階に細い木格子を揃えた出格子、その上に座敷を構える背の高い二階という茶屋建築の型が、大火を経た後も受け継がれ、現在に至ります。

そもそも「茶屋」とは、芸妓(げいぎ)が三味線や踊りなどの芸を披露し、客をもてなした場所のことです。にし茶屋街にも今なお芸妓が在籍し、その芸が受け継がれています。

芸妓たちの稽古や取りまとめを担ってきたのが、検番(けんばん)と呼ばれる建物です。にし茶屋街の検番は、大正期に建てられた洋風建築の西検番事務所。木の茶屋建築が連なる通りの中でひときわ目を引く、国の登録有形文化財です。今も芸妓の稽古の音が通りに響くことがあります。

にし茶屋街の洋風建築である西検番事務所

なお、お茶屋や料亭での芸妓のもてなしは、原則として一見(いちげん)さんお断りです。紹介がなければ利用できない仕組みのため、通りに並ぶお茶屋は、外から町並みの一部として眺めるのが基本になります。

ばん莱の提灯が立つにし茶屋街の町家

甘味処から割烹まで。茶屋町で味わう一軒一軒

通りに連なる茶屋建築は、今もその多くが現役のお店です。江戸期から続く落雁の老舗に、茶屋を改装した和カフェ、加賀の食材を扱う料理店やワインバー。甘いものから食事、一杯の酒まで、加賀の味がこの一本の通りにそろっています。

茶屋建築の店舗前に掲げられた甘味メニュー
にし茶屋街の店舗一覧
店舗ジャンル営業時間定休日特徴
落雁諸江屋 にし茶屋菓寮和菓子3 〜 10月 10:00 〜 18:00/11 〜 2月平日 10:00 〜 17:30(菓寮 10:00 〜 17:00)火曜(祝日は翌日)1849年(嘉永2年)創業の落雁の老舗。菓寮で季節の生菓子やかき氷を味わえる
甘納豆かわむら和菓子平日 9:30 〜 18:00/日祝 9:00 〜 17:00第1火曜(1・5・12月は営業)漂白剤・着色料・保存料を使わない甘納豆の専門店
mame ノマノマ和スイーツ平日 9:30 〜 17:00/日祝 9:00 〜 16:30第1火曜(1・5・12月は営業)甘納豆かわむらが手がける、食べ歩きスイーツの店
サロン・ド・テ・カワムラカフェ平日 10:00 〜 17:00/日祝 10:00 〜 16:00第1火曜(1・5・12月は営業)甘納豆かわむら2階の喫茶。本わらび餅などの甘味
桜桃 -ゆすら-カフェ10:00 〜 17:00(夜は予約制バー 18:00 〜 23:00)水曜茶屋を改装した和カフェ。茶屋のカツサンドや自家製スイーツ
CAFE Kawaii Koinuカフェ10:00 〜 17:00水曜人形ミュージアム1階のカフェ。サイフォンで淹れる珈琲やカスカラのドリンク
御料理 まる山日本料理18:00 〜 22:00(土日は昼の会席あり)月曜宮古島で腕を磨いた店主が営む割烹
和食ダイニング ばん莱日本料理平日 11:00 〜 14:30/土日 10:00 〜 14:30、ディナー 17:30 〜 23:00不定休寿司と和食を、加賀の地元食材で楽しめる和食ダイニング
賛否両論 金沢日本料理ランチ 11:30 〜 14:00/ディナー 17:30 〜 21:00火曜・水曜笠原将弘氏の人気店「賛否両論」の金沢店。地物を生かす日本料理
BAR にし数登美バー19:00 〜 23:00日曜・祝日古いお茶屋を改装した和風モダンなワインバー
すが野バー---
人形ミュージアム博物館10:00 〜 17:00水曜日本人形を展示。人形の色付けや、兜陣羽織・色打掛の着付け体験ができる
忍者武器ミュージアム博物館10:00 〜 17:00年中無休忍者と侍の本物の武具約160点を展示。手裏剣投げ体験もできる
西茶屋資料館博物館9:30 〜 17:00年中無休真紅の茶屋座敷を再現。入館無料

あわせて訪れたい、にし茶屋街の2つの館

食事や甘味のほかに、にし茶屋街には見学できる館も2つあります。ひとつは、ふだんは入れない茶屋の座敷を再現した資料館。もうひとつは、本物の武具がそろう忍者と侍の館です。

西茶屋資料館

にし茶屋街に建つ西茶屋資料館の外観

西茶屋資料館は、にし茶屋街にある無料の資料館です。2階では壁を真っ赤に塗った華やかな茶屋の座敷を再現し、1階では小説『地上』で大正期のベストセラーとなった作家・島田清次郎ゆかりの資料を展示しています。館が建つのは、島田が青年期を過ごした茶屋「吉米楼」の跡地です。

西茶屋資料館について詳しく見る

忍者武器ミュージアム

忍者武器ミュージアムの入口と手裏剣体験の看板

忍者武器ミュージアムは、にし茶屋街にある、忍者と侍の武具を集めた展示施設です。築100年の町家を活用した館内で、本物の武具100点以上を見学でき、手裏剣投げ体験も楽しめます。模造刀や忍者グッズが買えるショップも併設しています。

忍者武器ミュージアムについて詳しく見る

町並みも、甘味も、芸妓も。加賀の茶屋文化が詰まった通り

提灯が並ぶにし茶屋街の木格子の町並み

にし茶屋街は、加賀の茶屋の世界を、見て、味わって、まるごと楽しめる街です。

短い一本の通りに、出格子の茶屋建築、加賀の甘味を伝える老舗、地元の食材を生かす料理店、そして今も芸妓が芸を磨く検番。茶屋町の歴史と、現在の暮らしや味わいが、歩いて回れる距離の中に収まっています。

甘納豆かわむらの白い暖簾

長町武家屋敷跡や香林坊からも徒歩圏内なので、金沢の街歩きの行程にも組み込みやすいのもおすすめポイントです。

二百年の茶屋文化が、今も生きる金沢の花街。にし茶屋街へぜひ足を運んでみてください。

石畳の先まで茶屋建築と提灯が続くにし茶屋街
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