武家屋敷跡 野村家|ミシュラン2つ星の庭園と加賀藩士の暮らし。抹茶も楽しめる金沢・長町の武家屋敷

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武家屋敷跡 野村家|ミシュラン2つ星の庭園と加賀藩士の暮らし。抹茶も楽しめる金沢・長町の武家屋敷

ミシュラン2つ星の名庭を縁側から。武家屋敷跡 野村家の見どころを紹介

武家屋敷跡 野村家の入口に立つ木製看板と門

長町武家屋敷跡。土塀と石畳の小径が続き、昔ながらの街並みを歩いて楽しめる一帯です。その中で、屋敷の中に入って加賀藩士の住まいを見られるのが、武家屋敷跡 野村家です。

縁側のすぐ先に広がる、緑の庭。木の温もりが残る、屋敷のしつらえ。加賀百万石の昔をしのばせる、静かなひととき。

加賀藩士が暮らした屋敷の中で、当時の武士と同じ目線から暮らしの空間を味わえます。

この記事では、武家屋敷跡 野村家の見どころを紹介します。

武家屋敷跡 野村家

武家屋敷跡 野村家の玄関と木造の門構え

武家屋敷跡 野村家は、石川県金沢市の長町にある加賀藩士・野村家の屋敷跡で、武士が暮らした屋敷の建物と、世界的に評価された庭園を間近に見学できる観光名所です。

武家屋敷跡 野村家 基本情報
項目内容
名称武家屋敷跡 野村家
開館時間4 〜 9月 8:30 〜 17:30 / 10 〜 3月 8:30 〜 16:30(入館は閉館30分前まで)
休館日12月26日・27日 / 1月1日・2日
電話番号076-221-3553
入館料大人¥550 / 高校生¥400 / 小中学生¥250
アクセスバス停「香林坊」より徒歩約5分 / バス停「長町武家屋敷跡」より徒歩約1分
所在地〒920-0865 石川県金沢市長町1-3-32
公式サイトhttps://www.nomurake.com/

濡れ縁から眺める、ミシュラン2つ星の庭

野村家で一番の見どころは庭です。2009年発行の『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で二つ星に選ばれ、米国の日本庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」による日本庭園ランキングでも、2003年度に全国3位へ。国内外から評価を受けてきた名庭です。

野村家の庭園に流れる曲水と水鉢と石灯籠

この庭の主役は、水。金沢城の普請でも使われた金沢最古の用水「大野庄用水」から水を引き、庭をめぐる曲水や、石組みを落ちる落水として取り込んでいます。水音が絶えない、加賀の城下町ならではの造りです。

苔むした石の間を流れる野村家庭園の水路

水のまわりには、北陸では育ちにくいとされる樹齢400年の山桃や椎の古木、大きな雪見灯籠、さくらみかげ石を渡した一枚の架け橋などが据えられています。

池のように広がる曲水と庭木に囲まれた野村家の庭園

そして野村家の庭は、濡れ縁(屋根のかかった縁側)に腰を下ろし、すぐ目の前から眺める造りになっています。曲水が縁側の足元にまで迫り、水のせせらぎや庭の景色をすぐ近くに感じられます。

濡れ縁のすぐ足元まで水辺が迫る野村家の庭園

上段の間

屋敷の中でもひときわ格式が高いのが、「上段の間(じょうだんのま)」です。床を一段高くした座敷のことで、その高い側に最も位の高い人が座り、向かい合う相手との身分の上下を表します。武家屋敷では、藩主のような主君を迎えるための部屋でした。

床の間と掛け軸を備えた野村家の上段の間

格天井は総檜づくり、床には六尺もの桐の一枚板が張られています。加えて、紫檀や黒檀による緻密な細工、黒柿材を透かし彫りにした釘隠し、鉄刀木(たがやさん)を彫り込んだ襖の引手と、銘木をふんだんに用いた装飾が随所に施されています。庭に面した障子戸にはギヤマン(ガラス)がはめ込まれ、ガラスがまだ貴重だった弘化・嘉永の頃(1844〜1854年)には、人目を引く意匠でした。

襖を彩るのは、加賀藩のお抱え絵師で狩野派の佐々木泉景が描いた山水画。武家の客間そのものが、一つの美術品になっています。

仏壇と掛け軸が並ぶ野村家の畳敷きの座敷

茶室「不莫庵」

石段を上がった二階に、茶室「不莫庵(ふばくあん)」があります。

茶室 不莫庵へ続く丸みを帯びた入口と土壁

茶室は、数寄屋づくりの手の込んだ空間で、使われている材の一つひとつが珍しいものばかりです。天井に据えられているのは、長く土の中に埋もれていた神代杉の一枚板。これを四国特産のみどり松で押さえています。控えの間の床板には樹齢およそ千年という紅葉の一枚板が使われ、天井には真菰(まこも)の茎が張られています。

ここでは、抹茶と干菓子をいただけます(500円)。事前予約はできず、当日受付での申し込みとなります。提供時間は8:45〜12:00と13:15〜16:00です(所要時間15分程度)。屋敷をひと巡りしたあと、二階で一服。武家の客になったような時間を過ごせます。

掛け軸と花入れが置かれた茶室 不莫庵の床の間

刀剣と古文書が語る、武家の記憶

屋敷に併設された展示資料館が「鬼川文庫」です。

刀剣や古文書を展示する鬼川文庫の展示室

ここには、野村家に代々伝わる刀剣や武具に加え、前田家や、戦国武将の明智光秀・朝倉義景などからの書状が展示されています。歴史の教科書で名を見る人物たちが、加賀藩士の家にどのように関わってきたのかを辿れます。

鬼川文庫のガラスケースに並ぶ刀剣と書状の展示 鬼川文庫に展示された掛け軸と刀剣や調度品

「鬼川」という名は、屋敷の前を流れる大野庄用水の別名にちなみます。慶長の頃(1596〜1615年)、用水を造った奉行がこの川を「鬼川」と呼んだことに由来し、のちにこの地で学んだ人物が自らの書庫を「鬼川文庫」と名づけた逸話も重なっています。

加賀藩士の住まいに身を置き、その美意識に触れる屋敷

縁側から眺める野村家の曲水と石灯籠の庭園

野村家は、加賀藩士が実際に暮らした住まいです。その縁側に座れば、武士が眺めたのと同じ庭が、すぐ目の前に広がります。屋敷に上がり、加賀藩士の暮らしにそのまま身を置ける。それが野村家です。

野村家に展示された甲冑と武具

庭のほかにも、大名を迎えた格式の客間、二階の茶室、家に代々伝わる刀剣や書状。一家の住まいに、加賀百万石の財と美意識が惜しみなく注ぎ込まれています。

日本国内に限らず世界の人々を魅了し続ける美しい日本庭園と、そこに確かに存在した武家の生活。野村家へ是非足を運んでみてください。

庭木に囲まれた武家屋敷跡 野村家の建物入口
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