道後温泉の3施設を徹底比較|本館・飛鳥乃湯泉・椿の湯の違いと選び方ガイド

最終更新日:

道後温泉の3施設を徹底比較|本館・飛鳥乃湯泉・椿の湯の違いと選び方ガイド

道後温泉、どこに入る?3施設を比較してあなたにぴったりの湯を見つけよう

道後温泉一帯の風景

愛媛県松山市にある道後温泉は、日本最古の温泉として知られ、国内外から多くの人々が訪れる人気の温泉地です。道後温泉といえば、歴史的建造物として名高い「本館」、アートと快適性が融合した「飛鳥乃湯泉」、そして地元に愛される「椿の湯」という3つの施設が中心となっています。

でも、はじめて訪れる人にとっては、どこに入るのが良いのか迷ってしまうもの。「違いがわかりづらい」「自分にぴったりなのはどれ?」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな3施設の特徴をわかりやすく比較しながら、それぞれがどんな魅力を持っていて、どんな過ごし方にフィットするかをご紹介します。料金や雰囲気などもあわせて解説していきますので、道後温泉をより深く、そして満足度高く楽しむための参考になれば幸いです。

3つの道後温泉、まずはそれぞれの魅力をざっくりチェック

まずは施設ごとの簡単な概要と特徴を把握しましょう。

それぞれに異なる魅力があり、建物の雰囲気や設計コンセプト、利用スタイルにも個性があります。ここでは、3施設をざっくりと紹介します。

道後温泉本館|明治の風格をそのままに味わう、重要文化財の湯宿

道後温泉本館 外観

明治時代に建てられた道後温泉本館は、重厚な木造三層楼の建築が目を引く、道後温泉の象徴的な存在です。国の重要文化財にも指定されており、その佇まいはまるで物語の中に迷い込んだかのような趣を感じさせます。

館内では「神の湯」「霊の湯」といった浴室のほか、皇族専用として使われた「又新殿(ゆうしんでん)」の見学ができるコースも用意されています。入浴だけでなく、建築美や歴史背景までじっくりと堪能できるのがこの施設の魅力です。

道後温泉の原点を体験したい方には、まず訪れてほしい一館です。

道後温泉本館について詳しく見る

道後温泉別館 飛鳥乃湯泉|飛鳥時代の美と現代の快適さを融合した、進化する温泉体験

飛鳥乃湯泉 外観

2017年に開業した飛鳥乃湯泉は、道後温泉の中でも新しい施設として注目を集めています。名前のとおり、館内には飛鳥時代の建築様式や装飾の要素が随所に取り入れられており、古代の美と現代の快適性が絶妙に調和しています。

浴室には、万葉の世界観を感じさせる句の装飾が施され、男女で異なる意匠を楽しめるのも魅力のひとつ。さらに、貸切利用ができる「特別浴室」では、誰にも気兼ねなく静かな時間を過ごすことができます。

館内のプロジェクションマッピングやアート展示なども見どころで、温泉としてだけでなく“体験の場”としても優れた施設です。

飛鳥乃湯泉について詳しく見る

道後温泉 椿の湯|地域に根ざした、素朴で気軽な立ち寄り湯

椿の湯 外観

椿の湯は、観光客だけでなく地元の人々にも日常的に利用されている共同浴場です。飛鳥乃湯泉と隣接しており、外観や内装はシンプル。飾らない雰囲気の中でゆったりと湯を楽しめるのが魅力です。

浴槽はシンプルながら、湯の出どころには詩的な句が添えられるなど、さりげない演出にも温泉文化の奥深さが感じられます。大規模な設備や演出はありませんが、そのぶん静かに湯を楽しみたい方にとってはぴったりの場所です。

観光地のにぎわいから少し離れて、地域の人々と同じように温泉に浸かる。そんな素朴なひとときを味わいたい方におすすめの施設です。

椿の湯について詳しく見る

道後温泉3施設の共通ポイント|訪れる前に知っておきたい基本情報

道後温泉本館と観光客

道後温泉本館・飛鳥乃湯泉・椿の湯は、それぞれ異なる魅力を持つ一方で、利用に関する基本的なルールやサービスには共通点もあります。

以下は、いずれの施設を利用する場合でも共通するポイントです:

  • 営業時間: 6:00〜23:00(最終入館 22:30まで)
  • 休館日: 年中無休(12月に清掃のための臨時休館あり)
  • 浴室: 一般浴室は男女別
  • アメニティ: タオル・バスタオルは現地でレンタル可能

このあと紹介する各施設の違いを検討する際にも、営業時間や休館日、浴室のスタイルはすべて共通です。タオルは各施設でレンタル可能ですが、コースによってはタオルが付属するプランもあるため、詳細は各コース情報をご確認ください。

建物・雰囲気・設備で見る、本館・飛鳥乃湯泉・椿の湯の違い

道後温泉の3施設〈本館・飛鳥乃湯泉・椿の湯〉の建築様式や雰囲気、設備の違いを一覧表にまとめました。

文章では捉えにくい細かな違いも、表形式で見比べることで特徴がより明確に伝わります。

施設選びの参考としてご活用ください。

道後温泉3施設の特徴比較表
項目道後温泉本館道後温泉別館 飛鳥乃湯泉道後温泉 椿の湯
雰囲気歴史と重厚感に包まれた非日常空間アートと和の意匠が織りなす幻想的な空間生活に溶け込む素朴な空間
建物明治時代の木造建築(重要文化財)現代建築+飛鳥時代の意匠蔵屋敷風の現代建築
一般浴室数2(神の湯・霊の湯)11
大広間休憩室有り有り無し
個室休憩室有り有り無し
利用料金入浴のみ 700円 〜 、コース制入浴のみ 610円 〜 、コース制450円
設備・コースで選べる一般浴室(神の湯・霊の湯)
・大広間
・個室
・特別貸切個室
・大広間
・伝統工芸を用いたテーマ別個室
・特別浴室
大浴場のみ
備品シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ドライヤー同左(内容は同じ)ドライヤー(3分10円)
特色・又新殿(皇室専用部屋)見学
・展示室
・浴室でプロジェクションマッピング
・館内の伝統工芸展示
・貸し切り特別浴室
予約・特別貸切個室は予約可
・又新殿見学のみは予約制
・特別浴室は予約制不要(当日利用のみ)
利用スタイルの傾向観光+文化体験をじっくり楽しみたい人向けデザイン・快適性重視で落ち着きたい人向け手軽に入浴だけ楽しみたい人向け

利用料金を比較|予算や滞在スタイルに応じて選ぼう

道後温泉の3施設は、料金体系にも違いがあります。

「本館」と「飛鳥乃湯泉」は複数のコースが用意されており、入浴だけのシンプルな利用から、個室での休憩や特別見学付きのプランまで幅広く選べます。滞在時間を長くとってゆったり過ごしたい方には、こうしたコース利用がおすすめです。

一方で、「椿の湯」は入浴のみで 450 円というリーズナブルな料金設定が特徴。気軽に温泉だけを楽しみたいときにぴったりです。

料金だけでなく、滞在スタイルや目的に合わせて選ぶことができます。

本館・飛鳥乃湯泉・椿の湯コース比較
施設名コース名内容料金備考
道後温泉本館入浴のみコース神の湯入浴のみ大人: 700円
小人: 350円
大広間・個室休憩なし
道後温泉本館神の湯 大広間休憩コース神の湯入浴+大広間休憩大人: 1,300円
小人: 650円
貸浴衣・お茶・お菓子込み
道後温泉本館霊の湯 大広間休憩コース霊の湯入浴+大広間休憩+又新殿自由観覧大人: 2,000円
小人: 1,000円
貸浴衣・お茶・お菓子・貸タオル・貸バスタオル込み
道後温泉本館霊の湯 三階個室コース霊の湯入浴+個室休憩+又新殿自由観覧大人: 2,500円
小人: 1,250円
貸浴衣・お茶・お菓子・貸タオル・貸バスタオル込み
道後温泉本館特別貸切個室(飛翔の間)コース神の湯 or 霊の湯入浴+個室休憩+又新殿自由観覧1組:3,000円

大人: 1,300円
小人: 650円
貸浴衣・お茶・お菓子・貸タオル・貸バスタオル込み
1日5組限定
道後温泉本館特別貸切個室(しらさぎの間)コース神の湯 or 霊の湯入浴+個室休憩+又新殿自由観覧1組:6,000円

大人: 1,300円
小人: 650円
貸浴衣・お茶・お菓子・貸タオル・貸バスタオル込み
1日5組限定
道後温泉本館又新殿見学(単体)又新殿のガイド付き見学30分(入浴は含まれません)大人: 500円
小人: 250円
要予約
飛鳥乃湯泉入浴のみコース入浴のみ大人: 610円
小人: 300円
最もシンプルな利用
飛鳥乃湯泉大広間休憩付きコース入浴+大広間休憩大人: 1,280円
小人: 630円
貸浴衣・お茶・お菓子込み
飛鳥乃湯泉個室休憩付きコース入浴+伝統工芸を用いたテーマ別個室大人: 1,690円
小人: 830円
貸浴衣・お茶・お菓子・貸タオル込み
飛鳥乃湯泉特別浴室(貸切風呂)コース貸切風呂(浴室+休憩室)1組:2,040円

大人: 1,690円
小人: 830円
貸浴衣・お茶・お菓子・貸タオル・貸バスタオル込み
椿の湯-入浴のみ大人: 450円
小人: 150円
シャンプー・石鹸などは持参するか受付で購入の必要あり
※2025年6月24日現在

手ぶらで訪問可能|各施設のレンタルや販売

3 施設はいずれも、手ぶらで温泉を楽しむことができます。バスタオルやタオルはすべての施設でレンタル可能。シャンプーやボディソープなどは椿の湯のみ設置がありませんが、これらも購入できます。

販売アメニティ一覧
項目本館飛鳥乃湯泉椿の湯
貸タオル100円100円100円
貸バスタオル300円300円300円
みかん石鹸(小)60円60円60円
シャンプー--50円
コンディショナー--50円
ヘアブラシ70円70円-
シャワ-キャップ40円40円-
歯ブラシ--30円
カミソリ(T)2枚刃70円70円70円
長カミソリ--70円

施設別おすすめ|どんな人にどの施設がおすすめ?

3つの道後温泉施設は、それぞれが異なる魅力を持っており、どれが最適かは「どんな体験を求めるか」によって変わってきます。以下では、来訪目的や趣向ごとに、どの施設が特にフィットするのかを紹介します。

歴史と文化を味わいたいなら「本館」

道後温泉本館の外観。明りが灯り伝統建築が柔らかく照らされている
  • 初めての道後温泉訪問
  • 歴史的な建物や文化に触れたい
  • 特別な空間で静かに過ごしたい

明治時代の木造建築である道後温泉本館は、重厚な雰囲気と国の重要文化財としての価値を兼ね備えています。館内には「神の湯」「霊の湯」の2つの浴室があり、皇族専用だった「又新殿」の見学も可能。入浴にとどまらず、歴史と建築を体感したいなら本館がおすすめです。

又新殿

快適さとアート体験を求めるなら「飛鳥乃湯泉」

飛鳥乃湯泉エントランス。随所に伝統工芸の調度品が使われている
  • 家族やカップルで一緒に入りたい
  • アートや伝統工芸に興味がある
  • 新しい施設で快適に過ごしたい

飛鳥乃湯泉は、飛鳥時代をモチーフにした意匠と最新の快適性を兼ね備えた温泉施設です。館内にはテーマ性のある個室や、毎月26日に開催されるプロジェクションマッピング付きの一般浴室など、ユニークな体験が楽しめます。家族で利用できる貸切の「特別浴室」もあり、特に子ども連れの方には便利です。

特別浴室

手軽に温泉だけ楽しみたいなら「椿の湯」

椿の湯 外観
  • 観光よりも気軽なリフレッシュ目的
  • コスパ重視で利用したい
  • 地元の人と同じように楽しみたい

椿の湯はシンプルな共同浴場で、450円というリーズナブルな料金で道後温泉の源泉を楽しめます。大きな演出や休憩スペースはありませんが、その分だけ静かにゆったりと湯を堪能できます。観光の合間に少し立ち寄る、日常の延長線としての温泉体験にぴったりです。

椿の湯エントランス

各施設の位置関係|徒歩圏内で巡れる道後温泉の3施設

道後温泉本館・飛鳥乃湯泉・椿の湯は、すべて徒歩数分圏内に位置しています。

飛鳥乃湯泉と椿の湯は隣接し、本館へも徒歩約2分。いずれの施設もアクセスが良く、予定に合わせて柔軟に立ち寄ることができます。

比較を通して興味を持った複数の施設を実際に訪れてみるのも、道後温泉の楽しみ方のひとつです。

各施設の位置関係マップ

3つの施設をお得に巡る|道後温泉3館周湯チケットとは?

「せっかくなら3つの施設すべてを体験したい」

そんな方におすすめなのが、道後温泉3館周湯チケットです。

道後温泉3館周湯チケット 出典元: 道後温泉公式サイト

このチケットは、「本館」「飛鳥乃湯泉」「椿の湯」の 3 施設すべてを 1 回ずつ利用できるお得な周遊券。通常それぞれを個別に利用すると合計 1,760円かかりますが、このチケットを使えば1,400円と、 2 割引で 3 館すべてを楽しめます。

チケットは購入日とその翌日まで有効なので、1 日で回りきれなくても安心。ゆっくり道後温泉を巡れます。

  • 価格:大人 1,400円, 小人 640円
  • 利用可能施設:道後温泉本館(入浴のみコース)、飛鳥乃湯泉(入浴のみコース)、椿の湯
  • 有効期限:販売日とその翌日の2日間
  • 販売場所:道後温泉本館・飛鳥乃湯泉・椿の湯

温泉街をめぐりながら、それぞれの施設の魅力をじっくり体感できる周湯チケットは、道後温泉の楽しみ方を広げてくれるアイテムです。

個性豊かな3つの温泉スタイル|目的に合った選び方で、道後温泉を満喫しよう

本館・飛鳥乃湯泉・椿の湯は、それぞれに異なる魅力と過ごし方ができる施設です。

歴史ある建築と文化をじっくり味わいたいなら本館、伝統工芸などデザイン性や貸し切りの特別浴室など快適さを重視するなら飛鳥乃湯泉、日常的な雰囲気の中で気軽に温泉を楽しみたいなら椿の湯がおすすめです。

「どこが一番か」ではなく、「どう楽しみたいか」を考えることで、目的に合った施設やコースを選びやすくなります。

とはいえ、難しく考えすぎず、気になる施設にふらっと立ち寄ってみるのも道後温泉の楽しみ方のひとつです。

私も道後温泉を旅してみて、歴史と文化に溢れたとても素敵な場所だと感じました。

この記事でそれが少しでも伝わり、あなたの旅の目的に合った施設選びの参考になれたら幸いです。

夕方の空気に包まれる本館外観(南側)

各施設の詳細を見てみたい場合は、以下の記事もご覧になってみてください。

あわせて読みたい: