
- 道後温泉の3施設を徹底比較|本館・飛鳥乃湯泉・椿の湯の違いと選び方ガイド
- 道後温泉の本館・飛鳥乃湯泉・椿の湯を徹底比較。雰囲気・建物・料金・設備などの違いをわかりやすく紹介し、目的に合った施設の選び方をガイドします。
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愛媛県松山市の人気観光地・道後温泉に、知る人ぞ知る癒しの絶景スポットがあります。その名も「空の散歩道」。道後温泉本館の隣にある冠山に整備されたこの展望スペースでは、源泉かけ流しの足湯とともに、温泉街を一望する眺めを無料で楽しむことができます。
街歩きの合間にひと息つくにもぴったりな空の散歩道は、朝から夜までそれぞれ異なる表情を見せてくれるのも魅力。静かで心地よい時間が流れるこの場所には、道後ならではの風情と発見が詰まっています。
空の散歩道の魅力のひとつが、誰でも気軽に楽しめる源泉かけ流しの足湯です。朝6時から夜9時まで無料で開放されており、観光の途中や宿への帰り道に、ふと立ち寄って一息つくのにぴったり。
短時間の滞在でも、足元から温まる癒しの時間が広がります。寒い季節には特に心地よく体をほぐしてくれます。
なお、タオルの設置は無いため持参する必要があります。
空の散歩道のもう一つの魅力は、何と言っても高台から見下ろす道後温泉本館です。風格ある屋根瓦が印象的な本館の全景を、斜面の上からゆったりと眺めることができます。
足湯のそばにはベンチが設置されており、道後温泉街を見渡す絶景を眺めながら、のんびりとくつろぐことができます。
とくにおすすめの時間帯は、夕暮れから夜にかけて。日没後には温泉街がほのかに灯り、本館がライトアップされて幻想的な風景に変わります。知る人ぞ知るフォトスポットです。
空の散歩道の入口には、藤棚や寒椿、紫陽花といった草花が植えられており、訪れる季節によってその表情も変化します。派手な演出はないものの、歩くたびにふと目に留まる自然の彩りが、道後の空気をよりやさしく感じさせてくれる場所です。
また、松山出身の俳人・正岡子規の句碑がいくつか設置されています。温泉地ならではの情景を詠んだ句が全部で 4 つ、静かに佇んでいます。
句 | 現代語訳 | 解説 |
---|---|---|
寒椿落て氷るや手水鉢 | 冬の寒椿が落ちて、手水鉢の水面に凍りついている。 | 赤い椿と薄氷の静かな対比から、冬のはかなさと美しさが伝わってきます。自然の細かな変化を見逃さない、子規の繊細な感性がよく表れた一句です。空の散歩道では、冬になると椿がひっそりと咲き、句の世界に触れることができます。 |
寺やある夕山紅葉木魚打つ | 山寺で、夕暮れに紅葉が映える中、木魚の音が響いている。 | 秋の山寺の風景と、仏教の響きが静かに調和しています。視覚と聴覚を通して、日本らしい精神性や季節の移ろいを感じられる句です。空の散歩道でも、秋に木々が色づき、この句を思い起こさせるような静かな景色が広がります。 |
掛茶屋や頭にさはる藤の花 | 茶屋の軒先に垂れた藤の花が、頭に触れそうになっている。 | 旅の途中でふと出会う春の情景を、やさしく描いています。季節の花に思わず顔が近づくような、自然との距離の近さが印象的です。空の散歩道にも藤棚があり、春には同じような風景に出会えるかもしれません。 |
十年の汗を道後の温泉に洗へ | 十年分の努力を、道後温泉で洗い流そうという句。 | 学問を終えた後輩へのはなむけとして詠まれた一句です。道後温泉が、疲れを癒し、再出発を後押ししてくれる場所として描かれています。この句は椿の湯の男湯湯釜にも刻まれています。 |
観光地のにぎわいから少し離れて、文学と四季の気配に包まれる。そんな静かな時間を過ごすことができる一角です。
日が暮れると、空の散歩道はまた違った顔を見せてくれます。足湯や遊歩道のまわりにはやわらかな光が灯り、周囲は静けさに包まれた幻想的な空間へと変わります。
高台から見える道後温泉本館もライトアップされ、あたたかな光の中に浮かび上がるような美しさに。昼間のにぎわいとは異なる、落ち着いた時間が流れます。
人も少なく、静かに過ごしたい夜のひとときにぴったり。一日の締めくくりに、足湯に浸かりながらやさしく輝く道後の街景を眺める。そんな贅沢な時間を、ここで過ごすことができます。
空の散歩道は、道後温泉本館のすぐ隣りに位置しています。本館を正面から見て左手側に進むと、冠山(かんむりやま)の坂道へと続く階段(湯神社入口)があり、その階段、そしてその先の坂道を登っていくと空の散歩道が現れます。
所要時間は徒歩でおよそ 2, 3 分ほど。本館の賑わいを背に、少しずつ視界が開けていく道のりもまた、空の散歩道の楽しみのひとつです。
(坂を上りきったところには道後駐車場があり、公衆トイレも設置されています。)
最寄りの道後温泉駅からも徒歩 10 分以内とアクセスも良好。道後温泉の観光ルートに自然に組み込める立地で、気軽に立ち寄れるのも大きな魅力です。
空の散歩道は、足湯のぬくもりと道後の街並みを一望できる展望がそろった、静かな癒しのスポットです。
足湯で温まりながら見渡す温泉街の風景、夕暮れや夜に浮かび上がる本館の姿、俳句や草花が添える静かな趣。どの瞬間も、旅のひとときを優しく彩ってくれます。
ほんの少し足を伸ばすだけで出会える、静かな絶景と癒しの時間。道後温泉を訪れたなら、ぜひ坂を上って、この小さな展望地に足を運んでみてください。