
- 道後温泉観光ガイド2025|徒歩でめぐる街歩きスポット12選+モデルコース付き
- 道後温泉の観光を効率よく楽しむならこれ!徒歩で巡れる街歩きスポット12選と、温泉・観光の両方を満喫できるモデルコースを紹介。初めてでも迷わず楽しめる充実ガイドです。
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松山のまちなかに、ちょっとユニークなミュージアムがあります。入場は無料、展示スペースは駅近で、しかもカフェの奥にあるという意外な立地。その名も「坊っちゃん列車ミュージアム」。小説の世界から飛び出してきたような名物列車をはじめ、明治時代から続く鉄道の物語に触れられる空間です。この記事では、その魅力や展示内容をひとつずつ紹介していきます。
「坊っちゃん列車ミュージアム」は、伊予鉄道の歴史を伝える展示が並ぶ、入場無料の鉄道資料館です。明治時代に活躍した蒸気機関車の原寸大レプリカや、当時の写真や部品といった貴重な資料を通して、松山と鉄道の歩みを感じることができます。場所は松山市駅からすぐ。スターバックス奥にある隠れ家的な空間で、観光の合間や移動のついでに立ち寄れる気軽さも魅力です。
スターバックス店舗に入り、奥の通路から入場可能。カフェを利用しなくても見学できます。
「坊っちゃん列車」という愛称は、日本の近代文学を代表する作家・夏目漱石の小説『坊っちゃん』に由来しています。1895年(明治28年)、夏目漱石は英語教師として松山市に赴任し、その経験をもとにこの作品を執筆しました。
作中には「マッチ箱のような汽車」という表現が登場し、当時松山市内を走っていた伊予鉄道の小さな蒸気機関車の姿と重なったことから、この愛称が生まれたといわれています。
現在では「坊っちゃん列車」という呼び名が定着し、当時の車両を再現した復元列車が、松山市内の路面電車の一部区間で観光列車として運行されています。
展示スペースの中心に展示されているのが、1888年(明治21年)から約67年間にわたって運行されていた蒸気機関車「1号機関車」の原寸大レプリカです。
このレプリカは、伊予鉄道が創業時に導入した実車をもとに再現されたもので、明治時代の鉄道の姿を現代に伝える貴重な展示となっています。その重厚な鉄のボディと緻密なディテールは、レプリカとは思えない迫力です。
展示はガラス越しではなく、すぐ目の前で見ることができ、その迫力や存在感は圧倒的です。レプリカとは思えない迫力と存在感を、現地でじっくり体感してみてください。
創業期の写真や車両部品など、伊予鉄道にまつわる実物資料が館内に展示されています。長い歴史の中で使われてきた道具や記録のひとつひとつが、鉄道の運行を支えてきた人々の仕事や技術を今に伝えています。
伊予鉄道のあゆみを時系列で紹介する年表も見応えがあります。創業当初の路線開通や車両の導入といった鉄道の進化から合併の歴史、市内・郊外電車路線の変遷まで。鉄道が地域とともに歩んできた歴史が立体的に伝わってきます。
館内には、現在と昔の松山市の街並みを再現したジオラマと伊予鉄道のミニチュア模型も展示されています。駅舎や線路、車両はもちろん、街角の風景まで丁寧に作り込まれており、眺めているだけで当時の情景が浮かんできます。
昔の松山市を再現したジオラマと伊予鉄道のミニチュア模型精巧に作られたその小さな世界には、街と鉄道がともに歩んできた時間が凝縮されています。見どころのひとつとして、大人も子どもも楽しめる展示です。
館内の展示はコンパクトにまとまっており、ひと通り見学するのにかかる所要時間はおよそ15分ほど。すべてをじっくり見ても、滞在時間は長くなりすぎず、移動の合間や予定の前後にも無理なく立ち寄ることができます。
展示の多くは写真撮影も可能で、原寸大の1号機関車の前では記念撮影を楽しむ来館者の姿も多く見られます。限られた時間の中でも、充実した体験が得られる構成になっています。
坊っちゃん列車ミュージアムは、伊予鉄会館1階のスターバックスと同じ空間にあり、カフェの奥にひっそりと展示エリアが設けられています。コーヒーを購入して持ち込むことも可能で、ドリンク片手に展示を眺めるという、少しユニークな鑑賞体験ができるのも特徴です。
にぎやかな駅前にありながら、ミュージアム内は静かで落ち着いた雰囲気。ちょっとした休憩時間や待ち合わせの合間に立ち寄る場所としても、心地よく過ごせる空間になっています。
坊っちゃん列車ミュージアムは、松山市駅のすぐそばにありながら、入場無料で本格的な鉄道展示を楽しめる貴重なスポットです。原寸大の蒸気機関車や創業当時の資料、精巧なジオラマなど、限られたスペースに伊予鉄道の歴史がぎゅっと詰まっています。
展示の見応えと、カフェ併設という気軽さが共存するこの場所は、鉄道ファンはもちろん、松山の文化や歴史に触れたい人にもおすすめ。観光や移動の合間に、静かで味わい深い時間が過ごせるミュージアムです。休憩も兼ねて、是非足を運んでみてください。