岡城を歩く|大分に断崖絶壁の天空城、絶景とスリルの現地レポート

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岡城を歩く|大分に断崖絶壁の天空城、絶景とスリルの現地レポート

断崖の天空城を歩く。岡城 現地レポート

標高325m、断崖絶壁の上に築かれた岡城。柵のない石垣から望む絶景と、足がすくむようなスリルが待っています。

この記事では、実際に岡城を歩いた様子をお届けします。駐車場から大手門、そして本丸まで、散策の流れに沿って紹介していきます。

岡城の歴史や見どころについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

岡城の見どころについて詳しく見る

無料駐車場に到着

駐車場広いですね。普通車140台、バス9台分のスペースがあり、無料です。

岡城跡の広い駐車場と青空 岡城跡駐車場の広場と奥に見える石垣の丘

キャンピングカー向けのRVパークも併設されています。

岡城跡のRVパークsmart案内看板と受付設備

観覧券を購入

駐車場のすぐ近くにある料金所(総役所跡)で観覧券を購入します。

岡城跡の観覧券発売所で並ぶ来訪者

入城料は大人¥300。観覧券と一緒に、城内マップのパンフレットがもらえます。日本100名城スタンプもここで押せます。

岡城跡の観覧券とパンフレットを受け取る窓口

大手門までの道のり

それでは出発です。料金所から岡城の入口までは約180m、2〜3分の道のりです。

駐車場から岡城入口までの徒歩ルートを示した航空写真 大手門跡への案内看板と城内の坂道を歩く人々

鏡石

道中、石垣の中にひときわ大きな岩が埋め込まれているのが見えます。これは「鏡石」と呼ばれるもので、城主の権威を示す装飾であり、石垣の強度を高める役割も担っています。

石垣に埋め込まれた巨大な鏡石と周囲の石積み 苔むした鏡石を囲む石垣の正面

岡城では、大手門・太鼓櫓門・三の丸などで鏡石を見ることができます。

阿蘇溶結凝灰岩の岩壁

岡城は天然の岩山の上に築かれた城。その岩肌を間近に見ることができます。

岩山の断崖沿いに続く岡城内の舗装路 苔と草に覆われた阿蘇溶結凝灰岩の岩肌 阿蘇溶結凝灰岩の崖と案内板が立つ斜面

阿蘇山の噴火による火砕流が形成した溶結凝灰岩。長い年月をかけて河川が削り、この断崖絶壁が生まれました。自然の力を感じます。

土産店「大手門」

岩山沿いに続く舗装路と土産物店の建物

岡城への道沿いには、土産店「大手門」があります。

土産物店大手門の外観と長い軒下 岡城への道沿いに並ぶ土産物店の店頭

この場所はかつて鉄砲方詰所があった場所だそうです。

鉄砲方詰所跡の石碑と竹細工や草履の土産

店内には、竹細工や木工細工などの民芸品が並んでいました。

店先に並ぶ竹細工や民芸品の土産物 竹細工の調理器具や食器が並ぶ店内

とにかく沢山の民芸品が並んでおり、あれも欲しいこれも欲しいと、時間があっという間に過ぎていきます。

まずは岡城を楽しまなければということで、帰りに寄るとして我慢して先を急ぎます。

岡城の入口へ続く坂道と右手の石垣

いざ、大手門へ

史跡岡城跡の石碑と入城へ向かう石段

ここから石段を登っていきます。難攻不落の城、その堅固さを足で体感する瞬間です。

岡城跡の石柱と苔むした階段の入城口

段差は低めなので、ゆっくり登れば大丈夫です。

石垣沿いに続く岡城への階段と木陰

苔むした石垣が時代を感じさせます。そして、曲線を描く石垣は、岡城の特徴の一つでもあります。

苔に覆われた石垣と木陰の遊歩道 石垣越しに見下ろす坂道と竹林 石垣越しに広がる渓谷と竹林の眺め

階段の折り返し地点。なかなか足腰に来ます。

石垣沿いに続く長い階段と木製の手すり

元々の石段と新設の木製階段がありますが、木製階段の方が段差が低く登りやすいです。

木製階段と石段の二種類を示す上り道

登ってきた道を振り返ると、かなりの高さまで来ていることがわかります。

木段と石段が並ぶ急な階段を見下ろす景色 高所から見下ろす石段と谷の遊歩道

あと少しで大手門です。

大手門へ向かう石段と木段の分岐

大手門。そして広がる絶景

大手門跡の巨大な石垣と青空

大手門跡に到着。巨大な石垣が迎えてくれます。

大手門跡の石垣と石段の通路 大手門跡の石垣に見られる精緻な石積み 青空に映える大手門跡の石垣の角

大手門をくぐると、視界が一気に開けます。

大手門先の広場から望む山並みと石段 岡城の石垣から見渡す谷あいの集落と道

大手門の先は枡形(ますがた)になっています。敵の侵入を防ぐための構造で、直進できないようになっていました。

大手門を抜けた枡形の広場と石垣 大手門前の石段と広場に広がる草地

古大手門跡

古大手門跡の石垣通路と石柱

こちらは古大手門跡。中川氏入城以前は、ここが正門だったと伝わっています。

石垣と絶景を巡る

ここからは城内を散策していきます。岡城は広いので、ゆっくり見てまわると1時間半から2時間ほどかかります。

岡城マップ上に示された各区間の徒歩所要時間

中川但見屋敷跡

大手門から本丸へ向かう途中、左手に広がるのが中川但見屋敷跡です。

中川但見屋敷跡を示す案内看板と石段 中川但見屋敷跡の広い草地と案内柱 中川但見屋敷跡に広がる草地と木立

かなりの広さ。どれほど大きな屋敷だったのか想像が膨らみます。

ここからの眺めも抜群です。

石垣越しに広がる谷と山並みの眺望 石垣の端から見渡す深い谷と遠い山々 曲輪の石垣と広場を見渡す眺望

西中仕切跡

西中仕切跡の石柱と石垣

城内で最も狭い空間がここ、西中仕切跡です。

西中仕切跡の石垣に挟まれた通路 石垣に挟まれた狭い石段の通路 石垣の間に設けられた石段の上り口 石垣に囲まれた曲がり通路と開けた広場

通路を折り曲げ、敵が直進できないようにした防御施設です。ここを歩くと、城の守りの工夫を実感できます。

太鼓櫓跡・鐘櫓跡

鐘櫓跡の石柱と石垣の角 鐘櫓跡の石段と石垣に残る切り株 太鼓櫓跡の広場と左右にそびえる石垣 太鼓櫓跡の石柱と石垣 太鼓櫓跡の石垣と青空に伸びる木

太鼓櫓は城内で最も重要な門。巨石を隙間なく積み上げた石垣は、城主の権威を示すものでした。

三の丸跡

三の丸跡の広場と桜の木々

三の丸は、他藩からの使者や家臣が藩主と対面する場でした。現在は広場になっています。

二の丸跡

二の丸跡の石柱と芝生の広場 二の丸跡へ上がる石段と石垣の曲線 二の丸跡の高い石垣と反りのある壁面

二の丸には休憩所があり、一息つくことができます。

二の丸休憩所の案内看板と休憩所の建物

二の丸からの眺めも素晴らしいです。

二の丸の石垣から見下ろす深い谷と樹海

瀧廉太郎像

二の丸には瀧廉太郎像があります。少年時代を竹田で過ごし、岡城でよく遊んだという廉太郎。名曲「荒城の月」は、この岡城がモチーフになっています。

滝廉太郎の銅像と背後に広がる山並み 空を背景に立つ滝廉太郎像の上半身

くじゅう連山を背に、遠くを見つめる姿。岡城を象徴する光景のひとつです。

本丸跡

本丸跡の石柱と広い芝生の広場

本丸は岡城の最高地点。かつては藩主の住まいとなる本丸御殿がありました。

本丸跡の広場と岡城天満神社の社殿

岡城天満神社があります。

本丸跡の広い草地で景色を楽しむ人々 本丸跡の大木の木陰と谷を望む景色

本丸からの眺めは圧巻です。

本丸から見下ろす二の丸跡と桜並木 本丸の石垣角から見下ろす渓谷と杉林 本丸の石垣沿いから見下ろす桜と曲輪 本丸から見渡す二の丸跡の広場と桜の木々

柵がないので、絶景に夢中になりすぎないよう注意してください。

下原門跡

下原門跡の案内看板と石垣に囲まれた通路

下原門は岡城の搦手(裏口)。中川氏入城以前は、ここが大手門だったと伝わっています。

下原門跡の石垣に挟まれた坂道

四季の彩り

岡城は四季折々の植物も楽しめます。春には「日本さくら名所100選」に選ばれた桜が咲き誇ります。今回訪問したのは 3 月下旬。生命の息吹を感じられ始めた頃で、桜も 2 部咲きくらいでした。

青空に映える桜のつぼみと咲き始めの花 苔の地面に落ちた椿の赤い花 石垣のふもとに咲く黄色い野花

絶景とスリル、歴史が交差する天空の城

史跡岡城跡の石碑と城へ続く坂道

断崖絶壁の上に広がる石垣群、その先に広がる大パノラマ。岡城は、ここでしか味わえない体験を与えてくれます。桜や紅葉といった、季節で違う表情を見せてくれるところも、何度も行きたくなる理由です。

大手門までの石段は少し大変ですが、登った先には感動の景色が待っています。所要時間は1時間半から2時間ほど。ぜひ歩きやすい靴で訪れてください。