- 天岩戸開きとは?高千穂旅行前に知りたい日本神話の名場面
- 天岩戸開きとは?太陽神・天照大御神が岩戸に隠れ、世界が暗闇に包まれた神話です。あらすじ、登場する神々の役割、高千穂のゆかりの地をわかりやすく解説します。
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天照大御神が身を隠し、世界が闇に包まれたという「天岩戸神話」。その舞台となった聖地が、宮崎県高千穂町にある天岩戸神社です。
西本宮では御神体である天岩戸を遥拝でき、東本宮には天照大御神が最初の住まいとした場所が祀られています。さらに、八百萬の神々が集い相談したとされる天安河原では、神秘的な大洞窟と無数の積み石が訪れる人を圧倒します。
この記事では、天岩戸神社にある3つの聖地の見どころを紹介していきます。

天岩戸神社は、宮崎県高千穂町にある神社です。神話「天岩戸開き」で天照大御神が隠れた天岩戸(洞窟)を御神体として祀っており、日本神話の聖地として国内外から多くの参拝者が訪れます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ) |
| 御祭神 | 天照皇大神(あまてらすおおみかみ) |
| 社務所営業時間 | 8:30 〜 17:00 |
| 所在地 | 宮崎県西臼杵郡高千穂町岩戸1073-1 |
| 駐車場 | あり(無料) |
| 公式サイト | https://amanoiwato-jinja.jp/ |
天岩戸神社には、神話の物語を伝える3つの聖地があります。

西本宮を中心に、東本宮へは岩戸川を渡って徒歩約6分、天安河原へは川沿いの遊歩道を徒歩約10分。3つの聖地はそれぞれ離れた場所にあるため、事前に位置関係を把握しておくと効率よく巡れます。
天岩戸神社の中心となるのが西本宮です。ここでは、天照大御神が隠れた天岩戸(洞窟)を御神体として祀っています。

天岩戸は岩戸川の対岸、断崖の中腹にあり、通常は見ることができません。しかし、神職の案内による「天岩戸遥拝」に参加すると、拝殿裏の遥拝所から御神体を直接拝むことができます。


(御神体は神聖なものであり、遥拝所も含め撮影は禁止となっています)
遥拝所に立つと空気が一変します。日本神話の舞台を肌で感じられるとても貴重な機会ですので、天岩戸遥拝には参加することをおすすめします。

案内は毎日9時から16時40分まで、30分ごとに行われており、参加は無料、予約も不要です。

なお、御神体のある「天岩戸」は日本神話「天岩戸開き」の舞台となった場所です。天岩戸開きに関しては以下で詳しく紹介しています。
天岩戸開きについて詳しく見る
西本宮の拝殿前には、御神木であるオガタマノキがそびえています。

オガタマノキは漢字で「招霊木」と書き、神霊を招く木とされています。天岩戸の前で天鈿女命(あめのうずめのみこと)が舞を踊った際、手にしていたのがこのオガタマノキだったという伝承があります。
また、オガタマノキの実は神楽鈴(神楽舞で巫女が振る鈴)の原型になったともいわれ、神楽の発祥の地である高千穂と深い縁があります。高千穂町の木にも指定されており、西本宮授与所では苗木も授与されています。
西本宮から岩戸川を渡り、100段以上の石段を登った先にあるのが東本宮です。

東本宮は、天岩戸から出た天照大御神が最初の住まいとした場所を祀っています。西本宮の賑わいとは対照的に、深い森に囲まれた静謐な空間が広がり、神聖な空気に包まれます。

西本宮から徒歩約6分、石段を含めても15分ほどで到着します。西本宮とはひと味違う、静寂に包まれた神話の杜。こちらも天岩戸神社に来たら訪れたいおすすめのスポットです。

東本宮の社殿裏には、御神木である七本杉があります。

七本杉は、その名の通り7本の杉が並んで立っていますが、根元でつながっているという珍しい御神木です。江戸時代に植えられたとされ、注連縄が張られた結界の中に佇む姿は神々しさを感じさせます。
かつては崖の縁にあるため立入禁止でしたが、2014年(平成26年)に遊歩道が整備され、間近で見られるようになりました。
西本宮から岩戸川沿いの遊歩道を歩くこと約10分、天安河原(あまのやすかわら)に到着します。

天安河原は、天照大御神が天岩戸に隠れ世界が暗闇に包まれた際、天照大御神をそこから出すために、八百萬(やおよろず)の神々が集まって相談をした場所と伝えられています。
間口約40メートル、奥行約30メートルの大洞窟「仰慕窟(ぎょうぼがいわや)」の中には社が祀られ、思兼神(おもいかねのかみ)と八百萬神を御祭神としています。

洞窟内を埋め尽くす無数の積み石は、「願いを込めて石を積むと願いが叶う」という信仰から、参拝者によって積まれたもの。鳥居の向こうに広がる積み石の光景は、他では見られない神秘的な空間を作り出しています。

また、天安河原への遊歩道は自然豊かで、岩戸川のせせらぎを楽しみながら散策できることも魅力の一つです。

天岩戸神社の参拝所要時間は、これら3つの聖地をどこまで巡るかによって異なります。おすすめはもちろん、3か所全てを巡るコースです。
| コース | 所要時間 |
|---|---|
| 西本宮のみ | 20 〜 30分 |
| 西本宮 + 天安河原 | 40 〜 60分 |
| 西本宮 + 天安河原 + 東本宮 | 1.5 〜 2時間 |
おすすめの回り方は、まず西本宮で天岩戸遥拝に参加し、その後天安河原へ。西本宮に戻ってから東本宮へ向かうルートです。
ただし、東本宮は石段があるため、西本宮へ戻ったら一度休憩を挟んでから東本宮に向かうことをおすすめします。
天安河原や西本宮の駐車場周辺にはカフェや食事処、土産物店が並んでおり、休憩スポットとしても利用できます。

天岩戸神社へは、車、もしくはバスでのアクセスが主流です。鉄道は通っていないため、電車でのアクセスはできません。
宮崎方面からは、宮崎空港・JR宮崎駅から約2時間。熊本方面からは、熊本空港から約1時間30分です。九州中央自動車道を利用する場合は、日之影深角ICから約10分で到着します。
駐車場は無料で、西本宮前と東本宮前にあります。

高千穂バスセンターから町営ふれあいバス岩戸方面行きに乗車し、岩戸バス停で下車。所要時間は約15分です。バスの本数は限られているため、事前に時刻表を確認することをおすすめします。
なお、高千穂町に宿泊し観光する場合は、「神話めぐりツアー たかちほバス旅」もおすすめです。4時間の旅程で、天岩戸神社と高千穂峡を巡れます。事前申込みが必要で、予約フォームから申し込みできます。
お問い合わせ:高千穂町観光協会旅行センター TEL: 0982-73-1800

天岩戸神社に、神話の物語を今に伝える3つの聖地。
天照大御神が隠れた天岩戸を遥拝できる西本宮。
天照大御神が最初の住まいとした東本宮。
そして、八百萬の神々が集い相談したとされる天安河原。
それぞれが神話の一場面を伝え、訪れる人を神話の世界へと誘います。

神話「天岩戸開き」を知ってから訪問すると感動がより深まりますので、事前に予習してから行くことをおすすめします。
高千穂は、日本神話の里といわれる地域。その中心である天岩戸神社で、3つの聖地を巡ってみてください。
