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戦国時代、小田原北条氏を陰で支えたとされる忍者集団「風魔(ふうま)」。
そんな風魔忍者をテーマにした体験型施設が、小田原城址公園内にあります。忍者の基礎を学び、忍務を受け、8つの忍術修行を経て、敵忍者との対決へ。館内を一本のストーリーとして進む、没入感重視の施設です。
この記事では、小田原城NINJA館の見どころと楽しみ方を紹介します。

小田原城NINJA館は、神奈川県小田原市の小田原城址公園内にある忍者の体験施設です。後北条氏に仕えた忍者集団「風魔」をテーマに、全身で忍者になりきれる施設として人気を集めています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:00 〜 17:00(入館は16:30まで) |
| 入館料 | 大人 ¥500 / 小・中学生 ¥200 / 未就学児 無料 |
| 休館日 | 12月31日・1月1日 |
| 館内無料 Wi-Fi | 有り |
| アクセス | JR/東海道新幹線/小田急線 小田原駅東口から徒歩約10分 |
| 所在地 | 〒250-0014 神奈川県小田原市城内3-71(小田原城址公園内) |
| 公式サイト | https://odawaracastle.com/castlepark/historicalmuseum/ |
建物は1929年(昭和4年)建設の旧小学校講堂を、2019年(平成31年)のリニューアルで全面改修したもの。小田原城址公園内には天守閣、常盤木門SAMURAI館、NINJA館という3つの有料施設があり、NINJA館は独立した入館券が必要です。
NINJA館の魅力を語る上で、欠かせないのが、「風魔」という忍者集団の存在です。

風魔(ふうま)は、小田原を拠点に関東一円を支配した後北条氏(小田原北条氏)のもと、約100年、五代にわたって仕えた忍者集団です。他の忍者とは一線を画す最大の特徴が、馬を自在に操る騎馬戦術。「乱波(らっぱ)」の異名で敵陣に躍り込み、夜襲と陣地攪乱に長けていたと伝えられます。1546年(天文15年)の河越夜戦では、北条氏康の少数精鋭が大軍を打ち破るという、日本三大奇襲のひとつに数えられる戦の裏方として、風魔の姿があったとされています。

「風魔小太郎」の名は、世襲の称号として代々受け継がれました。なかでもその名を歴史に深く刻んだのが五代目。大口を開ければ八重歯が4本外にむき出し、逆立った黒ひげ、2メートルを超える巨体に鋭い眼光、そして異様に高い鼻。常人離れした異相の持ち主だったと伝えられています。
ただし、風魔忍者に関する一次文献はほとんど残っていません。これほど名を残しながら実像はほぼ謎のまま、という珍しい忍者集団です。
風魔の名は、現代のサブカルチャーの中でも受け継がれています。世界的な人気を誇る漫画『NARUTO -ナルト-』に登場する「風魔一族」や、四方に刃を持つ大型の「風魔手裏剣」は、いずれもこの実在の風魔忍者にちなんで命名されたもの。伊賀や甲賀ほど歴史の表舞台で語られてこなかった風魔ですが、漫画やアニメを通じて、その名は国内外の忍者ファンに広く知られています。
小田原城NINJA館は、『NARUTO』などで「風魔」の名に触れた人が、その実像に近づける場所でもあります。
NINJA館は、館内の混雑を避けるため10人程度のグループ単位で順に入場していく形式です。入館後、最初に通される「プロローグ」エリアは、その入場待ちの時間を使って忍者の基礎知識を学ぶ空間になっています。

壁にはびっしりと忍者の基本情報が書かれています。忍者とは何者だったのか。戦国時代にどのような役割を担ったのか。伊賀、甲賀、そして小田原の風魔など、全国各地の忍者集団が日本地図上で解説されています。

忍び装束の各部位(頭巾・上着・帯・手甲・袴・脚絆・足袋・草鞋)の名称や、忍者が常に携帯した「忍び六具」と呼ばれる道具(矢立・打竹など)、平型手裏剣や棒型手裏剣、鎖鎌といった武器の実物展示もあり、短い待ち時間ながら濃密な学びが詰まっています。


NINJA館の展示は、「最後の忍者」と呼ばれた甲賀流忍術研究者・藤田西湖(1899〜1966年)の研究を土台としています。藤田氏のコレクションは没後小田原市に寄贈され、3,268点の資料が現在も小田原市立中央図書館に保管されています。
入場までの待ち時間で忍者の基礎を学んだら、いよいよ「戦国シアター」へ。暗がりの小劇場で、数分間の短編映像が上映されます。

画面に映し出されるのは「時は戦国 小田原北条氏を 影で支えた 忍びがいた」の一文。舞台は1590年(天正18年)、豊臣秀吉の軍勢が小田原城へと迫る、小田原北条氏にとって最大の危機の時代です。

映像の中で風魔小太郎が姿を現し、忍務が言い渡されます。「豊臣の軍勢から小田原城を守れ」と。ここから先、来館者はただの見物人ではなく「風魔の一員」として、館内を進むことになります。
なお、このシアターまではグループ単位で進みますが、ここから先は自由行動となります。
戦国シアターで忍務を受けた後は、風魔の技を学ぶ「忍術体験ゾーン」へ。ここでは、変装術・侵入術・水術・歩法・からくり屋敷・記憶術・隠形術・見敵術の8つの修行が用意されています。
最初の修行は「変装術」。忍者が商人や僧侶、農民などに化けて敵地へ潜り込むための技術を学びます。

続く「侵入術」は、本格的な身体体験。木造の塀によじ登るクライミングウォール、吊るされた縄、窓枠を模したくぐり抜け構造など、全身を使って屋敷に忍び込む動きを体感します。子どもが夢中になるのはもちろん、大人でも意外と本気で汗をかく修行です。


忍者の移動技能を体験するのが「水術」と「歩法」。
水術は、水面を模した床に浮かぶ蓮の葉型の足場を踏み渡るステップ体験。

歩法では、忍者が物音を立てず移動するための身体の使い方が学べます。

静かに歩かないと、敵に見つかる仕掛けになっています。これが意外と難しい。ぜひチャレンジしてみてください。
忍者の住居や身を隠す屋敷に仕掛けられた、からくりを体感できるエリアです。

和風の板張りの部屋、掛け軸、障子。一見すると普通の座敷に見える空間に、隠し通路や可動する壁が仕込まれています。戦国の忍者屋敷がどんな構造だったか、実物大のセットで体感できる場所です。
修行の後半は、気配と情報にまつわる技。
「隠形術(おんぎょうじゅつ)」は、自分が隠れ蓑を使って背景に溶け込む修行のコーナー。背景と同じ柄が描かれた一枚布を掲げて墓石の陰に立つと、体の輪郭が景色に紛れます。忍者が気配を消すために用いた擬装の技を、自ら体感できる仕掛けです。

「記憶術」は、忍者が持ち帰るべき情報を記憶するための訓練。長い文章も、自分の身近なものに例えることで覚えやすくなるという修行です。

「見敵術(立ちすぐり居すぐり)」は、合言葉を合図にして、一斉に立つ、または座るを行うことで敵味方を判別する方法です。館内に「どの合言葉の時に立つのか、座るのか」が隠されており、それを見つけてから挑むことでクリアできます。


忍術体験ゾーン全体には、遊びの仕掛けとして手裏剣やくないが突き刺さっている場所と、隠れている忍者が散りばめられています。注意して見ていないと意外と見つからない。いくつ発見できるか、探してみてください。

修行を重ねた先に待つのが、NINJA館のクライマックス「実戦ゾーン」。
スクリーンには次々と襲い来る忍者、そして敵忍者のボス。来館者はスクリーンの前に立ち、腕を振り下ろすジェスチャーで手裏剣を投げ退治していくアトラクションです。

敵忍者を倒すとポイントが加算され、ボスの体力ゲージが削れていく。敵が分身の術で複数に分かれたり、竹林の中から次々と現れたりと、演出もどんどん激しくなっていきます。


制限時間、もしくはボスを倒すと、最終的なスコアやランキングが表示され、忍務完了。子どもも大人も夢中になれる、NINJA館一番の人気アトラクションです。

忍務を受け、忍術を修行し、敵忍者と戦う。小田原城NINJA館は、入館から退館まで一本のストーリーとして設計された忍者体験施設です。
壁を登り、水を渡り、手裏剣を投げる。体を動かしながら忍者を体験でき、子どもはもちろん、大人も楽しめます。
小田原駅から徒歩10分。小田原城の天守閣やSAMURAI館と同じ敷地内にあります。
忍者の世界を体験しに。小田原城のNINJA館へ、ぜひ足を運んでみてください。
