- 飫肥城の見どころ観光ガイド|100年の争奪戦の果てに発展した癒やしのパワースポットを徹底紹介
- 飫肥城は宮崎県日南市にある城で、日本100名城の一つ。飫肥杉で復元された大手門、巨大な枡形虎口、樹齢140年の杉が林立する「癒しの森」、しあわせ杉など見どころを紹介。歴史やアクセス情報も。
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宮崎県日南市にある飫肥城。「九州の小京都」と呼ばれる城下町の中心に位置する、日本100名城のひとつです。
この記事では、実際に飫肥城を訪れた様子を、散策の順路に沿ってお届けします。
なお、飫肥城の見どころや歴史については、以下の記事で詳しく紹介しています。
飫肥城の見どころについて詳しく見る
飫肥城へは、無料の飫肥観光駐車場が便利です。収容台数は約140台。バスで訪れる場合も「飫肥城」バス停がこの駐車場内にあります。



駐車場内には「飫肥城下町 案内処」があります。飫肥城のリーフレットや散策マップを入手できるので、城に向かう前に立ち寄ってください。


駐車場を出ると、道の先に飫肥城の大手門が見えます。一本道なので迷う心配はありません。

途中には小村寿太郎記念館もあります。

飫肥城の正門、大手門に到着しました。

1978年に復元された櫓門です。苔むした石垣と周囲の緑に溶け込んだ姿が印象的です。


太い柱と木組みの構造を間近に見ることができます。



大手門をくぐると、四方を白壁で囲まれた空間が現れます。これが飫肥城が誇る防御戦術「桝形虎口」です。

飫肥城の桝形虎口は、本丸へ向かうまでに複数回の方向転換を強いる構造で、日本の城の中でも強固な防御を誇ります。

石段を上がると石垣に突き当たり、道は左右に分かれます。


順路である左に進みましょう。

飫肥杉と苔の絨毯が広がります。



石段は低く作られているので歩きやすいです。



桝形虎口を左手に抜けると、しあわせ杉があります。

4本の飫肥杉が四隅に立ち、その対角線が交わる中心に立つと幸せになれるという言い伝えがあります。


しあわせ杉の脇には広場があり、ベンチやトイレが設置されています。




この広場を起点に、左手に松尾の丸、正面に旧本丸跡、後ろに歴史資料館があります。
広場から西へ進むと、松尾の丸に到着します。

1979年に復元された書院造りの建物で、江戸時代初期の上級武士の屋敷を再現しています。


建物内には御座の間、茶室、御寝所、湯殿、台所、御蔵など20室以上の部屋があります。




注目は湯殿です。京都・西本願寺の国宝「飛雲閣」の浴室を模した蒸し風呂で、当時のサウナの仕組みを知ることができます。


かまどで水を沸騰させ、その上にすのこを張って座る構造です。



甲冑の展示もあります。

藩主が参勤交代で使用した御座船の模型も展示されています。


松尾の丸は見どころが多く、所要時間は20〜30分程度。ぜひ立ち寄ってみてください。
広場に戻り、旧本丸跡へ向かいます。

右手には飫肥小学校の校庭が見えます。この場所もかつての本丸跡です。城内に学校があるのは珍しいですね。

杉並木の石段を上がっていきます。





この石段沿いの石垣は、江戸時代初期、箇所によっては安土桃山時代後期のものが残っています。
石段を上がりきると、旧本丸跡に到着します。

樹齢140年を超える飫肥杉がまっすぐに伸び、足元は苔の絨毯に覆われています。飫肥城で最も人気のあるスポットです。






かつてここには藩主の御殿がありましたが、1600年代後半に3度の地震で倒壊し、現在の飫肥小学校の場所に移されました。
杉と苔が織りなすこの空間は「癒しの森」と呼ばれ、静かな時間が流れています。


また、旧本丸跡には「登竜門」と呼ばれる薬医門があります。この門も、歳を重ねた木材と、周囲の苔風景との雰囲気が抜群です。




登竜門からは飫肥小学校の校庭を見下ろせます。

旧本丸跡から戻り、2022年(令和4年)にリニューアルオープンした歴史資料館へ向かいます。

飫肥城歴史資料館には、飫肥藩ゆかりの甲冑・刀剣・古文書など約220点が展示されています。

初代藩主・伊東祐兵の甲冑や刀剣が並びます。




プロジェクションマッピングやCG映像で飫肥城の歴史を紹介するコーナーもあります。


体験展示もあり、火縄銃や刀を実際に持つことができます。





火縄銃は1,800g、刀は820g。見た目よりも重く感じました。こういった体験ができるの城は少なく、貴重な体験ですので、ぜひ手にとってみてください。


飫肥城を歩いて印象に残ったのは、苔むした石垣の美しさです。南北朝時代から500年以上の歴史を刻んできた城跡には、時間の流れそのものが景観として残っています。




飫肥城には飲食店がないので、散策後は城下町で食事を楽しむのもおすすめです。
飫肥城で歴史散策を楽しみつつ。ぜひ杉と苔に包まれた静かな時間を過ごしてみてください。
