美味しい抹茶の点て方|初心者でもできる!自宅で本格的な一杯を楽しむ方法

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美味しい抹茶の点て方|初心者でもできる!自宅で本格的な一杯を楽しむ方法

茶碗一杯から始める、抹茶のある暮らし

大きな窓から柔らかな光が差し込む白い床のリビングとソファと丸テーブル

シャカシャカと茶筅を振る音だけが響く、静かな空間。

湯気の向こうに、鮮やかな緑。漂う芳醇な香り。

そしてそれをゆっくり味わう、自分だけの時間。

抹茶は、日本の心であり、日本を象徴する文化の一つです。

日本の文化の中でも、“特別”で”格式高い”とされる抹茶ですが、自宅で抹茶を点てて楽しむことは難しくありません。

必要な道具を揃え、基本的な手順を知れば、誰でも美味しい一杯を点てることができます。

この記事では、初めて抹茶を点てる方に向けて、必要な道具から点て方のコツ、保存方法まで解説します。

揃えたい道具

泡立った抹茶が入った陶器の茶碗と竹の茶筅と木製の棗に置かれた茶杓

美味しい抹茶を点てるために必要な道具は4つです。

  1. 茶碗(ちゃわん): 抹茶を点てて飲むための器です。口が広く、ある程度の深さがあるものが点てやすいです。
泡の浮いた抹茶が入った釉薬の茶碗と背後に置かれた竹の茶筅
  1. 茶筅(ちゃせん): 抹茶を泡立てるための竹製の道具です。細かく割られた穂先が特徴で、この形状によってきめ細かい泡を立てることができます。穂の本数は16本から120本まで様々ですが、初心者には泡立てやすい80本立がおすすめです。100本立も泡立ちは良いですが、柄がやや太くなります。消耗品のため、穂先が折れてきたら交換時期です。
竹の穂先が広がった茶筅のクローズアップと背景にぼけた抹茶茶碗
  1. 茶杓(ちゃしゃく): 抹茶をすくうための細長い竹製のさじです。山盛り1杯で約1gが目安になります。計量スプーンでも代用できます。
六角皿に盛られた抹茶粉末と手前に置かれた竹の茶杓と黒い茶碗
  1. 茶漉し(ちゃこし): 抹茶のダマを取り除き、抹茶粉末を細かくするための道具です。滑らかな口当たりに仕上げるには欠かせません。
抹茶をふるうための金属製の茶漉しと細かな網目

代用品について

専用の茶碗がなくても、茶筅でかき混ぜられる大きさがあれば、カフェオレボウルや広めのマグカップで代用できます。

茶筅がない場合は、小さめの泡立て器やミルクフォーマーでも抹茶を点てられます。シェイカーに入れて振る方法もあります。ただし、茶筅に比べると泡が粗くなりやすく、風味も劣ります。抹茶を日常的に楽しむなら、茶筅を用意することをおすすめします。

抹茶の道具一式の俯瞰で茶漉しと茶杓と抹茶粉末の皿と茶碗と茶筅

抹茶の選び方

抹茶ならどれでも良いわけではありません。飲用に適したものを選ぶことが、美味しい一杯への第一歩です。

飲用と製菓用の違い

抹茶には飲用と製菓用(加工用)があります。製菓用は焼き菓子などに使うことを想定しており、苦味や渋味が強く、飲用には向きません。

お茶専門店で「薄茶用」「飲用」と明記されているものを選ぶと安心です。

薄茶と濃茶

飲用の抹茶には「薄茶(うすちゃ)」と「濃茶(こいちゃ)」があります。

一般に抹茶を点てて楽しむのは薄茶です。購入時は、薄茶を選びます。

黒い盆の上に置かれた茶碗の中で泡が立った薄茶

(濃茶については、後半で楽しみ方を紹介します)

美味しく点てるための準備

点て始める前のひと手間が、仕上がりを大きく左右します。

茶碗と茶筅を温める

着物の人が柄のある茶碗に柄杓で湯を注ぐ茶道の手元

点てる前に、茶碗にお湯を注いで温めておきます。冷たい茶碗では抹茶がダマになりやすく、お湯もすぐに冷めてしまいます。

このとき、茶筅も一緒にお湯に浸して穂先を湿らせます。茶筅は竹製のため、乾いたまま使うと穂先にしなりが出ず、折れやすくなります。

抹茶をふるう

黒い小皿に山のように盛られた鮮やかな抹茶粉末

茶漉しを使って抹茶をふるい、ダマを取り除きます。この一手間で、滑らかな口当たりに仕上がります。ふるった抹茶は茶碗に直接落とすか、別の器に受けておきます。

お湯の温度

湯気が立つ炉に木製の柄杓を置いた茶道の湯沸かし道具

お湯の温度は70〜80℃が適温です。

温度が高すぎると、抹茶に含まれるカテキンやカフェインが過剰に溶け出し、苦味や渋味が強くなります。また、鮮やかな緑色も損なわれます。逆に温度が低すぎると、香りが引き立たず、泡立ちも悪くなります。

薄茶の点て方

準備が整ったら、いよいよ抹茶を点てます。

分量の目安

  • 抹茶:約2g(茶杓2杯、またはティースプーン1杯)
  • お湯:60〜70ml

点て方の手順

1. 茶碗の準備

温めておいた茶碗のお湯を捨て、布巾で水気を拭き取ります。

2. 抹茶を入れる

ふるった抹茶を茶碗に入れます。約2gが目安です。

3. お湯を注ぐ

70〜80℃のお湯を60〜70ml注ぎます。

4. 茶筅で点てる

まず、茶碗の底に沈んだ抹茶をほぐすように、ゆっくりと混ぜます。

次に、茶筅を底から少し浮かせ、前後に素早く振ります。「M」の字を描くイメージで、手首のスナップを利かせ、表面にきめ細かい泡が立つまで振ります(目安は10〜15秒)。

泡が立ってきたら、茶筅を表面近くまで上げ、ゆっくりと動かして泡を細かく整えます。

5. 仕上げ

表面に細かい泡が均一に立ったら、茶筅を「の」の字を描くように引き上げて完成です。

泡立った抹茶が入った茶碗と茶筅と急須が黒い盆に置かれたセット

上手に点てるコツ

  • 茶筅は茶碗の底に押しつけない
  • グルグルと円を描くように回さない
  • 前後の往復運動を意識する
  • 力を入れすぎず、手首を柔らかく使う

より抹茶の深さを楽しめる「濃茶」

薄茶と並んで「濃茶(こいちゃ)」という点て方もあります。

畳の上に置かれた陶器の茶碗に入った艶のある濃茶

濃茶は、濃茶用の抹茶を約4g使い、お湯を少なめ(約30ml)にして、泡立てずにペースト状に練り上げます。「点てる」ではなく「練る」という表現を使います。

濃厚な旨味を楽しめますが、上質な抹茶でないと苦味が目立ちます。まずは薄茶で抹茶の扱いに慣れてから、濃茶に挑戦してみてください。

抹茶ラテの作り方

抹茶ラテも自宅で簡単に作れます。

ホット抹茶ラテ

木製テーブルに置かれた抹茶ラテのカップとソーサーと木のスプーン

材料(1杯分)

  • 抹茶:2〜3g(小さじ1程度)
  • お湯:30〜40ml
  • 牛乳:150ml
  • 砂糖:お好みで

作り方

  1. カップに抹茶と砂糖を入れ、スプーンで混ぜ合わせる
  2. 少量のお湯を加え、ダマがなくなるまでよく混ぜる
  3. 温めた牛乳を注ぎ、全体を混ぜれば完成

砂糖と抹茶を先に混ぜておくと、ダマになりにくくなります。

アイス抹茶ラテ

氷入りグラスのアイス抹茶ラテと抹茶粉末の小皿と茶筅

グラスに氷をたっぷり入れ、牛乳を注ぎます。別の器で抹茶を少量のお湯で溶き、グラスにゆっくり注ぐと、緑と白の二層になります。

アレンジのヒント

牛乳の代わりに豆乳やオーツミルクを使っても美味しく作れます。ミルクフォーマーで牛乳を泡立ててから注げば、カフェのような仕上がりになります。

抹茶の保存方法

抹茶は繊細な食品です。正しく保存しないと、風味がすぐに落ちてしまいます。

開封後の保存

抹茶は空気に触れると酸化が進み、風味が落ちていきます。開封後は2週間から1ヶ月以内を目安に使い切るのが理想です。

保存は、袋の口をしっかり閉じ、さらに保存缶やジップ付き袋に入れて二重に密封します。冷蔵庫で保管すると品質を保ちやすくなります。

使用するときは、冷蔵庫から出してすぐに開封せず、常温に戻してから開けてください。冷たいまま開けると、温度差で結露が発生し、抹茶が湿気を吸ってしまいます。

劣化のサイン

新鮮な抹茶は鮮やかな緑色をしています。白っぽく褪せてきたり、香りがくすんできたりしたら、劣化が進んでいるサインです。

風味が落ちた抹茶は、お菓子作りや抹茶ラテに使うと無駄なく活用できます。

一杯の抹茶がもたらす静かな時間

窓辺のテーブルで湯呑みを両手で持って抹茶を飲む女性の横顔

抹茶を点てるために、茶道の作法をすべて知っている必要はありません。茶碗と茶筅があれば、自宅のキッチンでも美味しい一杯を楽しめます。

お湯を沸かし、抹茶をふるい、茶筅を振る。その一連の動作に集中する時間は、慌ただしい日常から少し離れる機会になるかもしれません。

まずは一杯、点ててみてください。

黒い円形の敷板に置かれた抹茶の茶碗と茶筅と棗と茶杓
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