幻の天守閣と1,300年の歴史。福岡城の見どころを徹底紹介
「福岡城に天守閣はなかった」
長年、そう考えられてきました。ところが2024年12月、その定説を覆す史料が見つかりました。姫路城に匹敵する五重の黒い天守が存在した可能性が浮上し、発掘調査も始まっています。
江戸時代から残る櫓、2025年に復元された櫓、城より900年も古い迎賓館まで。この記事では、いま注目を集める福岡城の見どころを紹介します。
福岡城

福岡城は、福岡県福岡市中央区にある平山城です。黒田官兵衛・長政親子が築いた筑前52万石の居城で、「舞鶴城」の別名を持ちます。国の史跡に指定され、日本100名城にも選定されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 福岡城(ふくおかじょう) |
| 所在地 | 福岡県福岡市中央区城内 |
| 営業時間 | 城跡は常時開放 |
| 定休日 | なし |
| 入場料 | 無料 |
| アクセス | 地下鉄「赤坂駅」または「大濠公園駅」から徒歩約5分 |
| 100名城スタンプ | むかし探訪館、鴻臚館跡展示館、三の丸スクエア |
| 公式サイト | https://fukuokajyo.com/ |
47基のうち唯一現存!400年を超える多聞櫓
福岡城にはかつて47もの櫓が建ち並んでいました。そのほとんどが失われた今、築城当時から400年の時を経ても同じ場所に残るのが多聞櫓です。

南丸の高石垣の上に建つこの櫓は、二階建ての隅櫓2棟と、それをつなぐ54mの平櫓で構成されています。1971年に国の重要文化財に指定されました。
注目したいのは平櫓の内部構造。通常の多聞櫓は一続きの空間になっていますが、福岡城の多聞櫓は16もの小部屋に区切られています。各部屋には石落しや鉄砲狭間が設けられ、籠城戦を想定した造りになっています。現在の平櫓は幕末の1853〜1854年に建て替えられたものです。

内部の公開は春のさくらまつり期間など限られていますが、外観は常時見学可能。西側から石垣越しに見上げると、櫓が石垣からせり出すような迫力ある姿を楽しめます。

2025年復元!117年ぶりに帰還した潮見櫓
2025年3月、福岡城に117年ぶりの帰還を果たした建物があります。三の丸北西隅に復元された潮見櫓です。

この櫓はもともと博多湾を見張る役目を担い、海の様子を監視できることから「潮見」と名付けられました。明治時代に黒田家の菩提寺・崇福寺へ移され、長らく仏殿として使われていましたが、1990年の調査で屋根裏から棟札が見つかり、正体が明らかになりました。
復元工事では江戸時代の部材を約4割活用。約4億円、2年をかけた復元により、木造二階建ての姿がよみがえりました。柱や梁をよく見ると、茶色い古材と白い新材が混在しているのがわかりますので、ぜひ注目してみてください。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公開時間 | 10:00 〜 16:00 |
| 休館日 | 月曜日(祝日の場合は翌平日) |
| 入場料 | 無料 |
| 公開範囲 | 1階のみ |
| ガイドツアー | 土日祝・水曜に1日2回実施(先着10名程度) |
天守台から望む眺望と幻の天守閣

福岡城の本丸には大・中・小3つの天守台が残っています。大天守台は現在展望台として開放されており、福岡タワーやPayPayドーム、博多湾まで見渡せます。

天守閣は存在したのか?
「福岡城に天守閣はあったのか?」
これは長年の謎でした。江戸時代の絵図に天守が描かれていないことから、「黒田家が幕府に遠慮して建てなかった」というのが通説でした。
ところが2024年12月、その定説を覆す史料が見つかりました。江戸時代前期の書状に「天守が建てられた」という記述が確認されました。
福岡商工会議所の懇談会はこの発見を受け、天守は実在したと結論づけました。推定される姿は、姫路城に匹敵する五重の黒い天守。高さは約26mに達したとみられています。
2025年4月からは天守台周辺で発掘調査が進んでいます。400年前の謎が解き明かされる日は近いかもしれません。
1000本の桜と城跡が魅せる絶景!福岡城さくらまつり
福岡城は県内有数の花見スポットです。毎年3月下旬から4月上旬にかけて「福岡城さくらまつり」が開催され、多くの人で賑わいます。

城内にはソメイヨシノを中心に19品種、約1,000本の桜が植えられています。


おすすめは下之橋御門。桜と城壁のコントラストが見事で、写真映えするスポットとして知られています。

会場にはキッチンカーや縁日屋台が立ち並び、花見を楽しみながら食事もできます。多聞櫓内部など、普段は非公開の建造物が特別公開されることもあります。
ライトアップと光の天守閣
夜は有料エリアで夜桜のライトアップが行われます。昼とは異なる幻想的な雰囲気を楽しめます。





一方、天守台では「光の天守閣」が出現。天守閣をイメージした仮設構造物が建てられライトアップされます。遠目に見ると光の天守閣が浮かび上がっているように見えて、感動的です。


地下に眠る古代の迎賓館!鴻臚館跡
福岡城の敷地には、城より900年も古い遺跡が眠っています。それが「鴻臚館(こうろかん)」
鴻臚館は7世紀から11世紀にかけて機能した外交拠点です。大陸からの使節を迎え、日本からは遣唐使が旅立ちました。空海や最澄もここから唐へ渡っています。
現在は鴻臚館跡展示館で遺構や出土品を無料で見学できます。7世紀の外交施設と17世紀の城郭が同じ場所に重なる、全国でも珍しいスポットです。

福岡城の歴史を学ぶ!むかし探訪館
「福岡城むかし探訪館」は、福岡城の歴史を紹介する施設です。
館内には400分の1スケールで再現された福岡城の模型が展示されており、CGで復元した天守閣の映像も見ることができます。
日本100名城スタンプと御城印もここで入手できます。入館無料で、9時から17時まで開館しています。
着物体験もできる!三の丸スクエア
旧舞鶴中学校の跡地を活用した「三の丸スクエア」は、福岡城・鴻臚館の総合案内施設です。
施設内の「まゆの館」では着物をレンタルでき、城跡を和装で散策する体験が人気です。カフェもあり、観光の休憩スポットとしても利用できます。
日本100名城スタンプはここにも設置されています。入館無料、9時から17時まで開館しています。
鬼が嫌う花は黒田の紋!福岡城と鬼滅の刃の意外な縁
人気アニメ「鬼滅の刃」で鬼が嫌う花として登場する藤。この藤が、福岡城を築いた黒田家の家紋「藤巴」とつながっています。

藩祖・黒田官兵衛は有岡城に幽閉された際、獄中から見えた藤の姿に生きる希望を見出したと伝わります。この体験から、黒田家は藤巴を家紋に採用しました。福岡城で販売されている御城印にもこの紋がデザインされています。
三の丸スクエアでは、鬼滅の刃の映画公開を記念して竈門炭治郎の等身大パネルが設置されたこともあり、福岡城と鬼滅の刃の縁は深いです。
また、「鬼滅の刃」の聖地として人気の宝満宮竈門神社は福岡城から車で約30分。江戸時代、宝満山の修験者たちは福岡城内でも祈祷を行っており、両者には歴史的なつながりがあります。
福岡城と竈門神社をセットで巡る旅もおすすめです。
福岡城の外堀でひと休み。大濠公園
福岡城の西側に広がる大濠公園は、城の外堀を公園として整備したものです。

もともとは「草ヶ江」と呼ばれる博多湾の入江でした。黒田長政が築城の際に外濠として取り込み、昭和4年(1929年)に公園として生まれ変わりました。2007年には国の登録文化財となっています。
池の面積は約22万6千平方メートルと広大で、遊歩道は周囲約2kmもあります。自然の中で遊歩道を散策したり、貸しボートもあり、のんびりと過ごせる憩いのスポットです。

桜も綺麗なので、桜の時期は福岡城と併せて訪問することをおすすめします。

400年の謎が動き出した城。いま注目の福岡城へ
江戸時代から残る多聞櫓、117年ぶりに帰還した潮見櫓、そして議論が進む天守復活。福岡城は、歴史の保存と新たな発見が同時に進む、いま最も注目したい城のひとつです。

春のさくらまつりでは、1,000本の桜とともに「光の天守閣」が出現し、幻想的な夜桜を楽しめます。三の丸スクエアで着物をレンタルして城内を散策するのもおすすめです。城跡を歩いた後は、隣接する大濠公園でゆっくり過ごすこともできます。

発掘調査の進展など、福岡城をめぐる状況は日々変化しています。訪問前には公式サイトで最新情報をチェックしてみてください。
天守台から福岡の街を見渡し、400年前に存在したかもしれない天守閣に思いを馳せる。そんな体験ができる福岡城を、ぜひ訪れてみてください。
