
- 犬吠埼灯台観光ガイド2025|絶景&見どころ完全攻略!驚愕の巨大展示から幸せポストまで穴場スポット含め大紹介
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2006年、深刻な経営危機に直面した一つのローカル線がありました。運賃収入だけでは赤字が続き、横領事件による信用失墜で融資も望めない。廃線は目前に迫っていました。しかし、一通のインターネット投稿が状況を一変させます。
「ぬれ煎餅を買って下さい。電車修理代を稼がなくちゃいけないんです。」
この切実な呼びかけは、わずか10日間で1万人以上の心を動かしました。一つの煎餅が起こした奇跡。これが銚子電鉄の復活劇の始まりです。
全長わずか 6.4km のこのローカル線は、2023 年に開業 100 周年を迎えました。昭和の雰囲気漂うレトロな駅舎、懐かしい車両、そして太平洋の絶景。10の駅それぞれに観光スポットが点在し、今や銚子観光には欠かせない存在となっています。
この記事では、奇跡の路線と呼ばれる銚子電鉄の魅力や見どころをご紹介します。レトロな車両に乗って、銚子の魅力を巡る旅に出かけましょう。
銚子電鉄(銚子電気鉄道)は、千葉県銚子市を走るローカル鉄道でです。路線は、全長約 6.4km の短い路線ながら、レトロな車両と昭和の雰囲気が楽しめる観光鉄道として人気を集めています。銚子駅から外川駅までの全 10 駅を 20 分で結び、日本の鉄道史を感じさせる車両と、沿線の風景が旅情を誘います。
番号 | 駅名 | 英語表記 |
---|---|---|
1 | 銚子駅 | Choshi |
2 | 仲ノ町駅 | Nakanocho |
3 | 観音駅 | kannon |
4 | 本銚子駅 | Moto-Choshi |
5 | 笠上黒生駅 | Kasagami-Kurohae |
6 | 西海鹿島駅 | Nishi-Ashikajima |
7 | 海鹿島駅 | Ashikajima |
8 | 君ヶ浜駅 | Kimigahama |
9 | 犬吠駅 | Inubou |
10 | 外川駅 | Togawa |
銚子電鉄に乗れば、かつての鉄道旅情を感じながら、銚子の魅力を存分に味わうことができます。ローカル線ならではの、ゆったりとした時の流れを楽しむ旅を提供しています。
現在運行しているレトロな車両は、22000形という昭和時代に活躍した車両(1969年製造)を南海電気鉄道から譲り受けたものです(2024年3月29日より運行)。鉄道ファンだけでなく、懐かしさを感じる世代にも人気があります。
また、現在は現役を引退した、デハ801形(1950年代製造)が外川駅にて保存・展示されています。
こういったレトロな車両を楽しめるのも、銚子電鉄の魅力です。
銚子電鉄の沿線には、各駅からアクセスできる観光名所が点在しています。また、銚子電鉄の各駅には懐かしさを感じさせるレトロな駅舎が残されており、まるで昭和の時代にタイムスリップしたかのような雰囲気を味わえます。
銚子電鉄の起点となる駅。JR総武本線と接続しており、銚子観光の拠点となります。駅からバスに乗れば、銚子ポートタワーやウオッセ21といった観光スポットに行けます。
銚子電鉄の本社が併設されており、駅舎もレトロな雰囲気を残しています。ここでは銚子電鉄の車庫を見学することができ、ファンには嬉しいスポットとなっています。
観音駅はとても小さいのですが、駅舎がスイスの登山鉄道風になっていてとても個性的です。経年によるレトロ感もあり、ノスタルジック満載な駅舎になっています。
駅から徒歩圏内にある飯沼観音(円福寺)は、関東屈指の観音霊場として有名で、多くの参拝客が訪れます。
本銚子駅の駅舎は、2017 年に日本テレビのテレビ番組「24時間テレビ」で、タレントのヒロミさんが DIY で駅舎をリフォームしたことで話題になりました。
笠上黒生駅で特筆すべきは、待合室です。
一見非常に古い待合室に見えますが、その中は素敵な大正浪漫風の内装にリフォームされています。
犬吠駅は白亜の灯台をイメージした駅舎になっており、駅舎内には土産店や展示コーナーがあります。
犬吠駅からは、徒歩で日本一早い初日の出が見られることでも有名な犬吠埼灯台へ行くことができ、灯台からは雄大な太平洋の景色を楽しめます。灯台のすぐ隣には食事処や土産店が集まる商業施設犬吠テラステラスもあります。
犬吠埼灯台について詳しく見る
犬吠テラステラスについて詳しく見る
駅から西側へ歩けば、地球の丸く見える丘展望館や満願寺もあります。
終点である外川駅は開業当時からの木造駅舎が現存し、映画やドラマの撮影にも使われるほどレトロな雰囲気を持っています。構内には昔の駅員帽や写真が展示されており、銚子電鉄の歴史を感じることができます。
外川駅からは、日本遺産にも指定されている昔ながらの漁師町の風景(銚子外川の町並み)を散策しながら楽しめます。
また、現役を引退したデハ801形が展示されており、無料で見学できます。
鉄道会社といえば通常、路線や車両が興味の中心になりますが、銚子電鉄には別の方面で二大名物があります。それが「ぬれ煎餅」そして「まずい棒」というお菓子です。
ぬれ煎餅は、通常の煎餅とは異なり、しっとりとした食感が特徴のお煎餅です。醤油をたっぷり染み込ませた独特の製法で作られており、噛むと濃厚な醤油の風味が口いっぱいに広がります。
銚子電鉄が走る千葉県銚子市は、米の名産地であると共に日本一の醤油の名産地であることから、ぬれ煎餅は名産品でした。
当時の慢性的な経営難を改善すべく、地元銚子のぬれ煎餅の老舗「イシガミ」が銚子電鉄に手を差し伸べ技術を無償で提供したことで、銚子電鉄のぬれ煎餅製造・販売がスタートします。そして後に、このぬれ煎餅が奇跡を起こし銚子電鉄を救うことになります。
現在では銚子市内に専用の工場を持ち、「せんべい博物館」を兼ねる「銚子電鉄ぬれ煎餅駅」という煎餅の直売所も運営しています。
まずい棒は、日本の定番のスナック菓子「うまい棒」をもじったお菓子です。お菓子自体は美味しいのですが、「経営がまずい」という意味合いから「まずい棒」というネーミングになっています。
まずい棒も、ぬれ煎餅と肩を並べる人気で、コミカルなパッケージと、多彩なフレーバーが人気の商品です。
「銚子電鉄の鉄道に乗ること」、「銚子電鉄の路線で行ける観光名所を回ること」、そしてこの、「ぬれ煎餅とまずい棒をお土産に購入すること」は、今や銚子観光の定番になっています。それくらいこれらの商品は、銚子電鉄の名物であり、銚子観光の名物にもなっています。
銚子電鉄は、鉄道運営の厳しい経営状況を乗り越えるために「ぬれ煎餅」や「まずい棒」などのユニークな商品販売で話題になったことでも有名です。特に「ぬれ煎餅」は、乗客だけでなく全国の鉄道ファンや支援者からの購入が相次ぎ、銚子電鉄の存続に大きく貢献しました。
銚子電鉄は、2006 年に深刻な経営危機に直面します。
当時の社長による横領事件に加え、老朽化した設備の改修費用や車両の法定検査費用など、合計で 6,000 万円以上の支払いが迫っていました。当時、銚子電鉄は月間運賃収入が 900 万円の赤字会社。横領事件による信用失墜で銀行など公的な融資も望めない状況で、廃線は目前に迫っていました。
会社に残された唯一の望みは、副業として始めた「ぬれ煎餅」の販売でした。しかし、従業員が必死に売り歩いても、状況は好転しません。
そんなある日、会社はホームページで素直に窮状を訴えました。 「ぬれ煎餅を買って下さい。電車修理代を稼がなくちゃいけないんです。」
この切実な呼びかけは、インターネットを通じて多くの人々の心を動かしました。わずか 10 日間で 1 万人以上が共感し、注文が殺到。この予想外の売上げによって、会社は必要な費用を工面することができました。
銚子電鉄は 2023 年 7 月 5 日に開業 100 周年を迎え、現在もこの時に受けた恩に報いるべく、乗客に喜んでもらえる鉄道であり続けることを誓い、日々の運行を続けています。そして、あの時救いの手となった「ぬれ煎餅」は、今や銚子電鉄の名物として、多くの人々に愛され続けています。
たった 6.4km の小さな路線。そこには、昭和の雰囲気を色濃く残すレトロな車両と駅舎、どこか懐かしい街並み、太平洋を望む絶景、そしてぬれ煎餅とまずい棒という個性的な名物。これらは全て銚子電鉄ならではの魅力となっています。
存続の危機に直面しながらも、インターネットを通じて全国から寄せられた支援の輪。一つの煎餅から始まった奇跡の物語は、今もなお多くの人々の心を動かし続けています。
2025年、銚子電鉄は開業102年目を迎えました。100年以上もの間、地域の足として、観光の拠点として、そして人々の思い出の舞台として、この路線は歩み続けています。新しい車両の導入や駅舎のリニューアルなど、伝統を守りながらも進化を続ける銚子電鉄には、これからも多くの人が訪れることでしょう。
窓の外に広がる銚子の風景、レトロな車両のゆっくりとした揺れ、駅舎に残る昭和の面影。銚子電鉄は、訪れる人それぞれに異なる魅力を見せてくれる特別な鉄道です。ぜひ一度、この歴史ある路線を旅してみてください。
▼ 銚子電鉄へのアクセス
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