県庁地下で見られる400年前の石垣!

山梨県庁舎防災新館の地下1階に、「甲府城石垣展示室」があります。
約400年前に築かれた石垣と、それを支え続けた「胴木」と呼ばれる基礎木材の実物を間近で見ることができます。発掘や移築の様子を記録した映像コンテンツも充実しており、無料で見学可能です。
この記事では、甲府城石垣展示室の見どころを紹介します。
甲府城石垣展示室

甲府城石垣展示室は、山梨県甲府市にある展示施設です。防災新館の建設工事中に出土した甲府城の内堀石垣を移築復元し、公開しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 甲府城石垣展示室 |
| 開館時間 | 9:00 〜 21:00 |
| 休館日 | 土日祝日、年末年始 |
| 入場料 | 無料 |
| 所在地 | 山梨県甲府市丸の内1-6-1 山梨県庁舎防災新館 B1F |
| アクセス | JR甲府駅南口から徒歩約3分 |
山梨ジュエリーミュージアムと同じ建物にあり、甲府城(舞鶴城公園)からも徒歩圏内に位置しています。
築城期の石垣を間近で
展示室のメインは、約400年前の築城期に築かれた野面積みの石垣です。

防災新館の建設に伴う発掘調査で、甲府城の内堀石垣が東西27m、高さ4mの規模で発見されました。山梨県はこの石垣を解体・移築し、展示室を新設して公開するという対応を取りました。

展示されているのは石垣の下部約2m分。自然石をそのまま積み上げた野面積みの技法で、石と石の隙間には小石(詰石)が詰められています。上部には江戸時代中期頃に修理されたと考えられる石垣も確認されており、時代による積み方の違いを見比べることができます。


石材をよく見ると、「矢穴」と呼ばれる石を割るために開けた穴や、石工が刻んだ「線刻画」が残されています。

石垣を支えた胴木
石垣とともに展示されているのが「胴木(どうき)」です。

胴木とは、石垣の基礎部分に敷かれた木材のこと。軟弱な地盤の上に重い石垣を築くと、不等沈下や滑りによって崩壊する恐れがあります。それを防ぐために、基礎として木材を敷いたのが胴木です。

展示室では、発掘された胴木の実物(実際に石垣の下にあったもの)が石垣の手前に展示されています。長い年月を経て黒ずんだ木材が、400年以上にわたって石垣を支え続けてきた歴史を物語っています。

解説パネルでは、胴木の構造も詳しく紹介されています。木材同士をつなぐ「継手」、位置を固定する「ホゾ穴」、木材を安定させる「ハサミ石」や「敷石」など、石垣を支えるための工夫を学ぶことができます。

映像で学ぶ甲府城と石垣
展示室内にはモニターが設置されており、4つの映像コンテンツを視聴できます。

- 甲府城の由来: 甲府城の歴史と成り立ち
- 石垣の解体調査: 発掘調査の様子と出土した石垣の記録
- 石垣の移築復元: 石垣を解体し、展示室に移築復元するまでの過程
- 県庁の地下にねむる甲府城の姿: 現在の県庁敷地と甲府城の関係

どのような工程を経てこの展示が実現したのかを知ることができます。各映像は数分程度ですので、ぜひ全て視聴してみてください。甲府城の理解が進みますし、石垣についての知識も深められます。何より、この展示室を作るにあたり、移築がどれだけ大変なものかがわかります。現代の職人さんの技術力あってこそだと、映像を見て感じました。
実際の発掘や移築の様子を映像で観られる数少ない機会です。こういった記録に触れられるのも、大変有り難いことです。
解説パネルで知る甲府城
壁面には複数の解説パネルが設置されています。

「甲府城の歴史」では、1590年代の築城から現在に至るまでの変遷を年表形式で紹介。「甲府城の位置」では、往時の縄張り図と現在の航空写真を並べ、甲府城がいかに広大な城郭だったかを示しています。

石垣の構造を図解したパネルも設置されており、天端石、積石、根石、詰石、胴木といった各部位の役割を学ぶことができます。実物の石垣を見ながら構造を理解できるのは、この展示室ならではです。

遺構を守り、伝える展示室

工事で出土した遺構を移築復元し、無料で公開している甲府城石垣展示室。通常は埋め戻される運命にある石垣が、こうして間近で見られる形で保存されていることは、歴史遺産の継承という点で大変意義深い取り組みです。
甲府城(舞鶴城公園)を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてください。同じ建物には山梨ジュエリーミュージアムもあり、あわせて楽しむことができます。
