高松城観光ガイド2025|美しき日本三大水城の見どころ楽しみ方を徹底解説

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高松城観光ガイド2025|美しき日本三大水城の見どころ楽しみ方を徹底解説

美しき水の城!高松城の見どころと楽しみ方を徹底紹介

海に囲まれた美しき城郭、高松城。高松市の中心部という抜群の立地にありながら、日本三大水城の筆頭として圧倒的な存在感を放つこの城には、他では絶対に味わえない特別な体験が待っています。

天守台から望む水城ならではの絶景、城のお堀で泳ぐ鯛への餌やり体験、和船で巡る内堀クルーズ。350年前から現存する重要文化財の月見櫓や、美しく復元された桜御門、格調高い大正建築の披雲閣まで、歴史散策とユニークな体験がこれほど充実した城は他にありません。

本記事では、そんな高松城の見どころを余すところなく紹介します。海水に囲まれた城という珍しい立地だからこそ楽しめる魅力から、重要文化財の建築美まで、高松城が持つ多彩な魅力をお伝えできたら幸いです。

高松城

上空から見た高松城の全景 石垣に囲まれた内堀と天守台が美しく配置されている

高松城は、香川県高松市の中心部にある日本三大水城の筆頭格として知られる海城です。別名「玉藻城」とも呼ばれ、瀬戸内海の海水を直接お堀に引き込んだ美しい城郭として全国から観光客が訪れます。日本100名城にも選定されている香川県を代表する観光スポットです。

史跡高松城跡 玉藻公園 基本情報
正式名称史跡高松城跡 玉藻公園
所在地〒760-0030 香川県高松市玉藻町2-1
定休日12月29日 〜 12月31日
入園料大人:200円、小人(6 〜 15歳):100円、6歳未満:無料
※2026年4月1日より料金改定予定(大人400円、小人200円)
所要時間1 時間 〜 1 時間 30 分程度
アクセスJR高松駅から徒歩約3分
高松琴平電気鉄道 高松築港駅から徒歩約1分
駐車場玉藻公園専用無料駐車場(57台)
電話番号087-851-1521
公式サイトhttp://www.takamatsujyo.com/
史跡高松城跡 玉藻公園 開園時間
西門(日の出 〜 日没)東門
4月 〜 5月5:30 ~ 18:307:00 ~ 18:00
6月 〜 8月5:30 ~ 19:00
9月5:30 ~ 18:30
10月6:00 ~ 17:308:30 ~ 17:00
11月6:30 ~ 17:00
12月 〜 1月7:00 ~ 17:00
2月7:00 ~ 17:30
3月6:30 ~ 18:00

これぞ日本三大水城!天守台跡からの絶景

高松城最大の魅力は、なんといっても天守台から望む圧倒的な絶景です。現在は天守は失われていますが、石垣で築かれた天守台に登ると、瀬戸内海と一体化した美しい水城の全貌を一望できます。海水を直接お堀に引き込んだ独特の景観は、まさに「海に浮かぶ城」の名にふさわしく、訪れる人々を魅了し続けています。

天守台から見下ろす高松城の内堀と海につながる水路 木々と石垣に囲まれた美しい景観

高松城は今治城(愛媛県)、中津城(大分県)と並ぶ「日本三大水城」の筆頭格として知られています。水城とは、海や湖に面して築かれ、水を防御に活用した城郭のことで、特に高松城は瀬戸内海の海水を三重のお堀すべてに引き込んだ、日本最大規模の海城として高く評価されています。天守台からは、この壮大なスケールの水城構造を実際に目で確かめることができます。

澄んだ青空と水面に反射する松林が美しい高松城の内堀

現在の天守台は、2006年から2013年(平成25年)にかけて大規模な石垣修復工事が行われ、安全に登れるよう整備されています。かつて三層三階の天守が建っていた石垣は、今も当時の威厳を保ち続けており、天守復元への期待も高まっています。

天守台跡の石垣と登城口 周囲の緑に包まれた高松城の歴史的構造 水面越しに見える高松城の天守台跡と石垣 穏やかな堀の風景

桜御門|江戸時代の匠の技が蘇る!美しく復元された高松城の正門

高松城の桜御門は、2013年(平成25年)に約130年ぶりに復元された高松城の正門です。明治時代の廃城令により失われていましたが、発掘調査や古写真、文献資料を基に、江戸時代の姿を忠実に再現して蘇りました。

復元された高松城の桜御門 正面から見た立派な櫓門の全景

復元工事では、伝統的な木組み技法や当時と同じ材料を使用し、釘を使わない継手・仕口による組み立てなど、江戸時代の匠の技術が現代に受け継がれています。特に、重厚な木造の櫓門としての威厳ある佇まいは、城の正門にふさわしい格式の高さを感じさせます。

漆喰壁と木組みが美しい桜御門の上部 ディテールまで再現された櫓構造

復元されたばかりの美しい門構えは、訪れる人々を江戸時代の城郭世界へといざなう、まさに時空の入り口のような存在です。

石垣に囲まれた参道から見た桜御門 櫓門越しに広がる松の緑と青空

月見櫓|海上防衛の要!350年現存する重要文化財の美しき櫓建築

高松城の月見櫓は、1676年(延宝4年)に築造された三重三階の現存櫓で、国の重要文化財に指定されている貴重な建造物です。約350年という長い歳月を経ても美しい姿を保ち続けており、天守が失われた現在では高松城のシンボル的存在として多くの人に愛されています。

高松城の内堀沿いに建つ月見櫓 松と青空に囲まれた三重三階の現存櫓

月見櫓はもともと北の丸の最北端に位置し、瀬戸内海からの敵船を監視する海上防衛の要としての役割を担っていました。その名の通り月見を楽しむための風雅な建物としても使われていたとされ、実用性と美しさを兼ね備えた江戸時代の建築技術の粋を感じることができます。

月見櫓の側面越しに広がる瀬戸内海の景色 櫓と海の防備構造が分かる構図

現在は毎週日曜日の 9:00~12:00・13:00~15:00 に内部が一般公開されており、木造建築の構造や当時の建築技法を間近で見学できます。

松の木陰にたたずむ月見櫓 白壁と黒瓦が青空に映える高松城の象徴的建築

水手御門|門の先は大海原!参勤交代を船出で始める城主専用桟橋

白壁と石垣に囲まれた水手御門の正面開口部 高松城特有の海に面した城門

高松城の水手御門は、月見櫓の南側に位置する全国でも類を見ない珍しい門です。この門の最大の特徴は、海に向かって直接開かれていることで、文字通り「水の手」つまり海への出入り口として機能していた海城特有の城門です。現存する海の大手門としては日本で唯一の貴重な遺構となっています。

堀越しに見た水手御門と月見櫓 海とつながる高松城の城門構造

江戸時代、この水手御門は高松藩主専用の船着き場として重要な役割を果たしていました。藩主が参勤交代で江戸へ向かう際や、江戸から帰国する際には、この門から小舟に乗船し、沖に停泊した大きな御座船へと向かいました。まさに海城ならではの格式ある「海の玄関口」でした。

現在も毎週日曜日の 9:00 ~ 15:00 に門が開扉され、当時の藩主と同じように海に向かって開かれた門を体験できます。門をくぐって海側を眺めると、400年前の城主たちが見ていた光景に思いを馳せることができる、高松城でも特に感動的なスポットの一つです。

石垣の上に建つ水手御門の全景 白壁と瓦屋根が青空に映える高松城の海の門

披雲閣|殿様の別邸が迎賓館に!格調高い大正建築と麗しき日本庭園

正門から見た披雲閣の玄関 建物正面には高松松平家の家紋入り幕が掲げられている

披雲閣は、1917年(大正6年)に松平家の別邸として建てられた格調高い建造物で、現在は迎賓館として利用されています。木造平屋建ての本格的な和風建築でありながら、大正時代らしいモダンな要素も取り入れられた貴重な近代和風建築として、多くの建築愛好家からも注目を集めています。

縁側から眺める披雲閣の庭園風景 木造建築と緑豊かな和風庭園の調和 披雲閣の広間に広がる畳敷きの大広間 柱と障子が織りなす落ち着いた和の空間

建物の周囲に広がる日本庭園は、黒松を中心とした緑豊かな和の風景が美しく広がっています。色とりどりの花々が咲き誇る季節には、特にツツジなどの花木が庭園を華やかに彩り、日本の伝統的な庭園美を存分に楽しむことができます。枯山水の手法を用いた枯川や、庵治石で作られた石橋などの石造物が配置され、歩くたびに異なる景色を楽しめる回遊式庭園として設計されています。

満開のツツジが彩る披雲閣の日本庭園 季節の花々と手入れされた植栽 石畳が巡る披雲閣の回遊式日本庭園 松と花木に囲まれた遊歩道

披雲閣は現在も結婚式や茶会などの会合に利用されており、格式ある和の空間での特別な体験が可能です。建物内部は通常非公開ですが、年始と5月5日の開園記念日には一般公開され、釘を使わない伝統的な建築技法や、繊細な装飾が施された襖絵なども間近で鑑賞できます。高松城の武骨な石垣や櫓とは対照的な、優雅で洗練された文化的側面を感じられる貴重なスポットです。

青空の下に広がる披雲閣の庭園 緑豊かな松と彩り鮮やかな植栽が並ぶ
披雲閣 一般公開日程
日程公開内容
1月1日 〜 3日年始無料開放期間
5月5日玉藻公園一般開放記念無料開放日

鯛のエサやり体験|高松城ならでは!城のお堀で海の魚と遊ぶ

石垣に囲まれた高松城のお堀入口 鯛のエサやり体験が行われる場所の導入部

高松城の最大の魅力の一つが、城のお堀で楽しめる鯛のエサやり体験「鯛願城就(たいがんじょうじゅ)」です。瀬戸内海の海水を直接引き込んだお堀には、真鯛をはじめとする海の魚たちが悠々と泳いでおり、全国でも珍しい「城で海の魚にエサをやる」という貴重な体験ができます。

透き通った青緑色の堀の水面に集まる魚たちと停泊する和船 エサやりが行われる高松城内堀

エサやり体験は1回100円で、専用のガチャガチャでエサを購入してお堀の魚たちに与えることができます。エサを水面に投げ入れると、大小さまざまな鯛が水面近くまで集まってきて、その迫力ある光景に子どもから大人まで歓声が上がります。特に家族連れには大人気で、お子様にとっては生きた海の魚と触れ合える貴重な自然体験となっています。

この体験は海城という高松城の特性を活かした、まさに「高松城ならでは」のアクティビティです。海外からの観光客にとっても、日本の城で海の魚と触れ合うという驚きの体験として非常に人気が高く、SNSでも頻繁に投稿される高松城の代表的な魅力となっています。

エサを待つように水面に集まる真鯛の群れと石垣に囲まれた高松城の堀の風景

城舟体験|和船で巡る内堀遊覧!水城ならではの特別クルーズ

乗船受付所と城舟体験の案内板が並ぶ高松城の堀沿いの遊歩道

高松城では、木造船「玉藻丸」に乗って内堀を巡る城舟体験が提供されています。陸上からでは見ることのできない水上からの城郭美を堪能できる、日本三大水城ならではの特別なクルーズです。

内堀を進む和船と石垣に囲まれた高松城の水辺の景色 船頭による案内付きの遊覧風景

運航期間は 3 月から 11 月まで(12月~2月は休止)で、乗船記念品や貸出衣装、鯛のエサも付いてくるお得なセットです。事前予約は不要で、当日受付で申し込むことができます。

船上からは陸上では体験できない独特の視点で高松城を楽しむことができます。水面から見上げる石垣の迫力や、海城として設計された城の構造美を実感できるのは、まさに船旅ならではの魅力です。特に船頭さんによる城の歴史や見どころの解説も聞けるため、高松城への理解がより深まる充実した体験となっています。

内堀をゆっくりと進む和船と緑に囲まれた高松城の水辺の回遊ルート
運行時間(乗船時間: 約30分)
1便2便3便4便5便6便7便8便9便
10:0010:3011:0011:3013:3014:0014:3015:0015:30
城舟体験 料金表
区分料金
大人(高校生以上)¥500
子ども(5歳以上)¥300

桜の馬場|春限定!城内を彩るお花見広場

お堀越しに咲き誇る高松城のソメイヨシノ 春の青空と水面に映る桜のコントラスト

桜の馬場は高松城内で最も美しい桜のお花見スポットです。城内には約 76 本の桜(主にソメイヨシノ)が植えられており、例年 3 月下旬から 4 月上旬にかけて満開を迎えます。天守台を背景に咲き誇る桜の風景は、高松城の春を代表する絶景として多くの花見客に愛されています。

満開の桜とぼんぼりが飾られた桜の馬場の風景 昼間の花見風景に穏やかな春の陽気

桜の見頃時期には、毎年桜見物夜間無料開放が実施されます。期間中(例年3月28日〜4月6日)は 17:30 〜 20:00まで桜の馬場が無料で開放され、約150個のぼんぼりが桜並木を幻想的に照らし出します。昼間とは全く異なる夜桜の美しさを楽しむことができ、春の宵をゆったりと過ごせる特別な時間となります。

灯籠とぼんぼりが夜の桜並木を照らす幻想的な高松城の夜桜イベント風景 ライトアップされた桜と提灯が彩る夜の桜の馬場 幻想的な雰囲気の花見

桜の馬場という名前の通り、かつては馬場として使われていた広い空間で、現在は多くの人がレジャーシートを敷いてお花見を楽しんでいます。高松市中心部にありながら、城内という静かで落ち着いた環境でのお花見は格別で、家族連れやグループでの花見には最適なスポットです。

天守台の石垣と桜が並ぶ春の高松城園内 濃淡の桜が織りなす春景色

仮想天守閣ライトアップ|最新技術で幻の天守が夜空に蘇る!高松城まつり

毎年5月頃に開催される高松城まつりの目玉イベントとして、最新のプロジェクションマッピング技術を使った仮想天守閣ライトアップが行われます。1884年(明治17年)に解体された幻の天守閣が、現代の技術によって夜空に美しく蘇ります。

天守台上にプロジェクションマッピングで映し出された幻想的な仮想天守と堀の全景

天守台に設置された特殊な機材から放たれる光が、かつてそこに建っていた天守の姿を立体的に映し出し、まるで本物の天守が存在するかのような幻想的な演出を楽しむことができます。イベント期間中は屋台なども出店され、地元グルメと共に特別な夜を過ごせます。

現代ビル群を背景にライトアップされた仮想天守の演出 高松城の天守台から夜空へ浮かび上がる天守の光

このイベントは、失われた文化遺産を現代技術で復活させる新しい試みとして注目を集めています。江戸時代の高松城の威容を現代に蘇らせる感動的な演出として、歴史ロマンと最新技術が融合した高松城ならではの特別な体験を提供しており、多くの人々に感動を与え続けています。

堀に映る青い光と夜の静寂に浮かぶ仮想天守のライトアップ 舟とともに幻想的な水辺の風景
高松城祭り 2025 開催概要
項目詳細
開催日時5月9日(金)17:00 〜 21:00
5月10日(土)・11日(日)10:00 〜 21:00
場所玉藻公園(入場無料)
公式サイトhttps://takamatsujyo.net/

高松城の歴史|生駒家から松平家へ続く400年の歩み

高松城の内堀と月見櫓の外観 青空の下に堂々と建つ歴史的建築

高松城の歴史は、1588年(天正16年)に豊臣秀吉の家臣である生駒親正によって築城が始まったことから始まります。瀬戸内海の海水を直接お堀に引き込む画期的な海城として設計され、当時としては非常に先進的な城郭でした。生駒氏は 4 代 54 年間にわたってこの城を居城としましたが、1640年(寛永17年)に生駒騒動と呼ばれる家臣団の内紛により改易となり、出羽国矢島(現在の秋田県)へ転封されました。

1642年(寛永19年)、水戸黄門として知られる徳川光圀の兄である松平頼重が東讃岐12万石の領主として高松城に入城しました。松平頼重は城の大規模な改修を行い、1670年(寛文10年)には小倉城を模した三重五階の天守を完成させました。その後、松平氏は11代228年間にわたって高松城を居城とし、この間に現在も残る月見櫓や水手御門などの重要文化財が建造されました。

興味深いことに、高松城は築城から廃城まで一度も戦火を経験していない平和な城です。1868年(慶応4年)の鳥羽・伏見の戦いの際も、松平家が新政府に恭順したため戦うことなく開城し、明治維新を迎えました。その後、多くの建造物が取り壊されましたが、現在も重要文化財として残る建造物や石垣が、400年以上にわたる高松城の歴史を静かに物語っています。

高松城の歴史年表
高松城築城開始
生駒騒動、生駒氏改易
松平頼重入城
三重五階天守完成
明治維新、開城

歴史散策とユニークな体験が楽しめる日本屈指の水城、高松城

高松城の天守台と石垣の上に建つ月見櫓 内堀越しに望む水城の全景

高松城は、瀬戸内海の海水を直接お堀に引き込んだ日本三大水城の筆頭として、歴史ロマンと革新的な体験が見事に融合した唯一無二の城郭です。

350年現存する月見櫓の重厚な建築美から、美しく復元された桜御門、全国唯一の海の大手門である水手御門まで、異なる時代の魅力を一度に楽しめます。天守台からの絶景では、かつての三重五階天守の威容を想像しながら、水城特有の壮大なスケールを実感できます。

高松城の内堀と石橋 水手御門と月見櫓が並ぶ城郭景観の象徴的風景

城のお堀で海の魚にエサをやる「鯛願城就」、和船で巡る内堀クルーズ、最新技術による仮想天守閣ライトアップなど、伝統と革新が調和した高松城ならではの体験も充実。単なる歴史見学を超えた「参加型の城郭体験」が、訪れる人々を魅了し続けています。

緑に囲まれた高松城の内堀と和船が浮かぶ春の水面 穏やかで風情ある水城の風景

高松駅から徒歩3分という抜群のアクセスで、400年の歴史が息づく海城文化を心ゆくまで堪能できる高松城。瀬戸内海と一体化した美しい水城の風景と、他では味わえない海城体験が待つ、まさに「美しき水の城」です。

歴史散策とユニークな体験が楽しめる日本屈指の水城、高松城へ。ぜひ足を運んでみてください。

桜の枝越しに見上げる月見櫓と青空 高松城の春を象徴する風景

もっと詳細に高松城の雰囲気を知りたいときは、こちらの記事がおすすめです。

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