
- 高松城観光ガイド2025|美しき日本三大水城の見どころ楽しみ方を徹底解説
- 美しき水城・高松城の魅力を徹底解説。天守台からの絶景、重要文化財の月見櫓、鯛のエサやり体験、城舟クルーズなど他では味わえない見どころが満載。歴史散策とユニークな体験が楽しめる香川の名城。
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JR高松駅から僅か徒歩3分、高松市中心部にありながらそこには、瀬戸内海の海水に囲まれた幻想的な城郭空間が広がります。日本三大水城の筆頭として名高い高松城は、海とつながる水堀という他に類を見ない美しさで人気の観光スポットです。
本記事では実際の訪問時の、高松城・玉藻公園の様子を写真多めでお伝えします。現地の空気感や、高松城の雰囲気が伝われば幸いです。
なお、高松城の見どころについて知りたい場合は、以下の記事を参照ください。
高松城の見どころについて詳しく見る
高松城には、西門と東門の 2 つから入城できます。駅に近いのは西門で、JR高松駅から徒歩 3 分、ことでん高松築港駅からは徒歩 1 分で到着できます。
西門の重厚な石垣が、城郭への期待感を高めてくれます。
入園料は現在200円(2026年4月1日より400円に改定予定)という手頃な価格設定。
料金所でいただく入園券には、艮櫓(うしとらやぐら)の美しい写真がデザインされ、散策への期待が膨らみます。当日1回限り有効のこの券が、高松城への入場証となります。
天守台への道のりは、西門右手に公園として整備されている二の丸跡を眺めながら進みます。ベンチや喫煙所も設置されており、ゆったりとした散策が楽しめます。
二ノ丸から本丸へと続く唯一の動線、鞘橋(さやばし)。この屋根付きの美しい木造橋は、高松城築城当時から同じ位置に架けられており、かつては「らんかん橋」と呼ばれていました。江戸時代に屋根が付けられ、現在の姿となりました。
鞘橋は本丸への唯一のルートであるため、敵の侵入時にはこの橋を落とすことで本丸だけを独立して守ることができる、まさに最終防衛ラインとなる重要な橋です。
橋の左手には、透明度の高い水堀が静かに広がります。瀬戸内海の海水を直接引き込んだ水面は、時間帯によって表情を変え、訪れる度に新しい発見があります。
鞘橋からは、琴平線の高松築港駅のホームが水堀越しに見え、現代と歴史が共存する高松城ならではの風景を楽しむことができます。
水面に映る空の色と石垣の織りなす美しいコントラストは、まさに水城ならではの絶景です。
橋を渡り切ると、いよいよ本丸、天守台へ。期待が高まる瞬間です。
鞘橋を渡り切ると、目の前に立ちはだかる巨大な石垣。その迫力ある姿に、かつてここに建っていた三重五階の天守への想像が膨らみます。
天守台への道は木陰に覆われた美しい小径が続きます。石垣の威厳と緑の優しさが調和した、心地よい散策路です。高松城には黒松が多く見られますが、松の鮮やかな緑と青空とのコントラストがとても気持ち良いです。
高松城には、天守閣は残っていません。しかし天守台が展望デッキとして整備されており、ここから水城最大の美を目の当たりにできます。高松城観光のハイライトです。
石段を一歩一歩上がるごとに、かつてここに威風堂々と建っていた天守へ想像が掻き立てられます。
天守台内部には、当時の天守地下一階の遺構がそのまま残されています。整然と並ぶ礎石を見ていると、計器類など無かったであろう400年前の匠の技術力に感嘆せずにはいられません。
詳細な解説パネルが設置されており、天守の構造や歴史を深く理解することができます。
展望デッキは高さがありますが、手すり付きで安全に整備されていますので安心して景色を楽しめます。
展望デッキからの眺めはまさに圧倒的です。日本三大水城の名にふさわしい、水と空が一体化した壮大なパノラマが眼下に広がります。この瞬間こそ、高松城のハイライトです。
高松城の内堀は、海城としての特性を最も感じられる場所です。
水面に浮かぶ「玉藻丸」は、城舟体験として実際に内堀遊覧ができる和船です。
そして水中には、鯛をはじめとする海の魚たちが悠々と泳いでおり、鯛のエサやり体験ができます。お堀に海の魚がいる城は、全国でも稀です。
また、ここでは江戸時代、水練(水泳訓練)が行われていたという興味深い歴史もあります。
内堀を超えて進むと、現存する櫓や門 3 つがあります。その全てが重要文化財です。
渡櫓は、高松城に現存する貴重な江戸時代建築の一つです。白壁と黒瓦が美しいコントラストを描く、格調高い佇まいが印象的です。
渡櫓の石垣には、生駒家から松平家へと城主が変わった歴史が刻まれています。右側の野面積みと左側の打込接という異なる積み方を比較することで、400年にわたる高松城の歴史を実感することができます。
水手御門は、全国でも類を見ない海に向かって開かれた城門です。船からこの門を経て直接城内へ入ることができた、海城ならではの特別な構造になっています。
月見櫓は、約350年前に建造された三重三階の現存櫓です。重要文化財に指定されたその美しい姿は、あらゆる角度から眺めても飽きることがありません。
月見櫓からは瀬戸内海の美しい眺望が楽しめます。かつて藩主たちも愛でたであろう、この穏やかな海の風景に心が癒されます。
月見草や内堀に隣接する三の丸には日本庭園が広がり、その中に「披雲閣(ひうんかく)」があります。
披雲閣は、1917年に松平家の別邸として建てられた格調高い建造物です。重要文化財に指定されており、大正時代の優雅な和風建築の美しさを楽しめます。
木造建築の美しい梁組みや、畳敷きの落ち着いた内部空間からは、大正時代の洗練された文化を感じることができます。
披雲閣で最も広く、142畳もある大書院の内部空間は圧巻です。柱と障子が作り出す幾何学的な美しさに、日本建築の粋を感じることができます。
披雲閣には、京都の銀閣寺にある手水鉢を模した「銀閣寺型手水鉢」が設置されています。
幅・奥行き約 1.5m、高さ約 2m、重さ約 11 トンという巨大な手水鉢の存在感は圧巻。しかしながらどこか侘び寂びを感じるのは、周囲の景観も含め和の風景を感じるからだと思います。
高松城三の丸には内苑御庭があり、静寂に包まれた日本庭園が広がります。
手入れの行き届いた庭園では、松を中心とした植栽が美しく配置されています。飛び石を辿りながらの散策は、日本庭園の奥深い美しさを堪能できる贅沢な時間です。
大書院側の庭園は特に開放感があり、青空と緑のコントラストが美しい空間となっています。
庭園内は、石畳、芝生、生垣、灯籠といった様々な要素が調和した、完成度の高い日本庭園になっています。
2022年6月に復元が完成した桜御門は、1945年(昭和20年)の高松空襲で失われてから77年ぶりに蘇った、高松城の正門です。
二階櫓を持つ堂々とした門構えは圧巻で、復元とは思えないほどの威厳と美しさです。白壁と黒瓦、そして青空のコントラストが絶妙です。
扉に打たれた金属製の鋲一つ一つにも、江戸時代の伝統技法が忠実に再現されています。
高松城の桜後門は、現代の技術で江戸時代の匠の技を完璧に再現した、文化財復元の傑作です。
海水に囲まれた城という独特の立地が生み出す景観と、400年の歴史が刻まれた建造群。高松城には天守閣こそ無いものの、玉藻公園全体で歴史や景観美を楽しめます。
天守台からの絶景、現存する重要文化財の建築美、復元された桜御門の完璧な美しさ、そして披雲閣と庭園での静寂のひととき。都市部にありながら、これほど多彩で上質な城郭体験ができる場所は稀有な存在です。
JR高松駅から徒歩3分というアクセスの良さも含め、瀬戸内海の美しい海水に囲まれた水城の魅力を、ぜひ実際に歩いて感じてみてください。
高松城の見どころを知りたいときは、以下がおすすめです。