
- 迷わず行ける!丸亀城への行き方ガイド|電車・徒歩・車・駐車場を徹底解説
- 高松駅から電車でのアクセス、丸亀駅からの徒歩ルート、駐車場の場所や台数まで徹底解説。写真付きで初めてでも安心!
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丸亀城といえば、日本一高い石垣とその美しさが広く知られ、さらに、江戸時代に築かれた天守が今も残る貴重な城です。現地を歩くと、石垣の迫力と天守の存在感、そして街を一望できる眺望に圧倒されます。
また、丸亀城はこういった歴史の保存以外にも、現代の観光要素としての新しい取り組みも継続しており、そういった面でも訪問が楽しい城です。
本記事では、そんな丸亀城の見どころを紹介していきます。
丸亀城(まるがめじょう)は、香川県丸亀市にある平山城で、江戸時代初期に築かれた城郭です。現存十二天守の一つであり、日本一の高さを誇る美しい石垣が人気の観光名所です。日本100名城にも選出されています。
丸亀城といえば、山麓の大手門付近から本丸まで積み重なる石垣の総高が約60mを超え、現存する城の中で日本一の高さを誇ります。
石垣は最も高い部分で約 20 mあり、外側から仰ぎ見るだけで圧倒される存在感があります。
石垣は石の加工度合いによって使い分けられ、打ち込みハギや切り込みハギを主体に、野面積みや算木積みなど複数の技法が一箇所で見られるのが特徴です。
刻印のある石や、石をきれいに整える算木積み、そして上部にいくにつれて緩やかな反りを描く「扇の勾配」など、職人の技と意匠性を感じるディテールも豊富です。
下から見上げると、石のリズムと曲線が視界を覆い、ただの防壁ではなく、一つの造形美として息を呑む迫力があります。
丸亀城の天守は、江戸時代に建てられたままの姿を今に残す「現存十二天守」のひとつです。
三層三階の小ぶりな造りながら、石垣の上に建つことで視覚的な高さと存在感を放っています。
内部は木造建築の構造がそのまま残されており、柱や梁には当時の技術と工夫を感じることができます。
区分 | 料金 |
---|---|
大人 | 400円 |
小人(中学生以下) | 無料 |
丸亀城天守観覧券と中津万象園入園券がセットになった共通券も販売(900円)されており、300 円 お得(通常:天守観覧券400円+中津万象園入園券800円=1,200円)に購入できます。
天守のみの入場券は、丸亀城の天守で購入可能。共通券は、丸亀城天守または中津万象園でも購入可能です。
支払いには、現金・クレジットカード・交通系電子マネー・QR コード決済が利用可能です。
丸亀城の本丸には、かつて 3 つの櫓が設けられており、櫓同士と天守が渡櫓で接続され、行き来できるようになっていました(連結式天守)。
現在は櫓そのものは失われていますが、それぞれの跡地は展望台として整備され、丸亀市街や瀬戸内海、讃岐富士の愛称で親しまれる飯野山まで見渡すことができます。視界の広がりは想像以上で、まさに山上に築かれた城の醍醐味を実感できるスポットです。
なお、三の丸広場にも、東張出石垣が展望台として整備されており、ここからの眺めもおすすめです。
丸亀城では、このように複数の地点から異なる眺望を楽しめるため、ぜひ各所を巡ってみてください。
丸亀城の正門にあたる「大手一の門」は、1670年(寛文10年)頃に建てられた木造の櫓門で、現存する数少ない江戸時代の城門建築です。国の重要文化財に指定されています。
この門は、三の丸の入口に位置し、分厚い石垣に囲まれた堅牢な構造が特徴です。門の上部は二階建ての櫓となっており、侵入者を上から攻撃できる防御機能を備えていました。
また、藩士が正午に太鼓を打って時刻を知らせていたことから「太鼓門」とも呼ばれています。現在でも、当日11時50分までに観光案内所で申し込むと、正午に太鼓を打つ体験(無料)に参加できます。
丸亀城太鼓門での時太鼓体験 - 丸亀市の観光情報サイト | 丸亀市観光協会
門の内部は一般公開されており、石落としなどの防御構造や江戸時代の建築技術を間近で見ることができます。
丸亀城の登城ルートで最も印象的な存在が「見返り坂」です。全長約150m・勾配10度以上の急な上り坂は、文字通り振り返りながら登る人が多いことからこの名が付きました。
実際に歩いてみるとなかなかに辛い。ゆっくり、休憩しながら歩いていくことをおすすめします。振り返るとこの通り、どれだけ急坂かがよくわかります。
そしてここまで上ってくるともう一つの急坂が待ち構えます。
見返り坂は二つに分かれていることを事前に知っておいてください。現地で絶望せずに済みます。それを知れただけでも、この記事を読んだ価値があったかもしれません。
しかし、登り切った先には三の丸があり一気に景色が開けます。絶景と現存天守を楽しみに、ぜひこの見返り坂を踏破してみてください。
丸亀城三の丸に位置する延寿閣別館は、1933年(昭和8年)に建造された木造平屋建築で、京極家の江戸藩邸から移築された天井や欄間が使用されています。延べ床面積は約120㎡あり、伝統的な和風意匠を随所に感じられる空間です。
延寿閣別館は、2024年7月より「城泊」として城内で宿泊できる施設として再整備されました。1日1組限定で、丸亀藩主の邸宅に泊まるような特別な体験が可能です。
館内では、京極家ゆかりの建具や欄間、飾り金具などの意匠がそのまま残され、歴史文化を肌で感じられる滞在空間です。また、庭園との一体感ある景色も魅力で、城下町の借景としての眺望が心安らぐ空間を演出しています。
宿泊者向けには、人力車での送迎や城体験が組み込まれる「丸亀城キャッスルエクスペリエンス」が提供され、夕食・朝食を含む京極家御膳による食事や伝統体験を通じて、歴史と文化への理解を深めるプログラムが用意されています。
【公式】丸亀城キャッスルエクスペリエンス | 城泊 | 400年の歴史を持つ丸亀城を独占する旅
丸亀城では、季節ごとに異なる魅力を楽しめるイベントが開催されています。春には桜、秋から冬にかけては幻想的なライトアップなど、歴史ある石垣や天守と調和した演出が訪れる人々を魅了します。ここでは、丸亀城を彩る代表的な季節イベントをご紹介します。
丸亀城の城内には約 650 〜 700 本の桜(主にソメイヨシノ等)が植えられており、例年 3 月下旬〜 4 月上旬に満開を迎えます。特に、石垣を背景に咲き誇る桜の風景は圧巻で、「扇の勾配」と称される曲線を帯びた石垣の美しさと桜の融合が感動的です。
桜まつり期間中(例年3月25日〜4月10日)には夜間ライトアップも実施されており、ぼんぼりや提灯で石垣や並木を照らし出します。特に二の丸エリアのライトアップ「桜の海」は、眼下に広がる花と灯りの景色が幻想的なため人気が高いです。
秋〜冬の期間には、毎年開催される「丸亀城キャッスルロード」というライトアップイベントがあります。大手門から天守へと続く登城道や石垣が明かりで彩られ、枡形石垣や大手一の門にはプロジェクションマッピングが施され、見返り坂が光のトンネルになるなど、昼間とは異なる幻想的な城景風景を楽しめます。
これらの季節演出は、丸亀城の持つ歴史的景観に彩りを添え、一度訪れた人にとってもまた違った印象を与えてくれます。春の桜、夏の新緑、秋のライトアップと、いつ来ても楽しめる要素が揃っています。
また、三の丸東石垣の展望台に上れば、丸亀市の素敵な夜景を楽しめることもできます。意外と知られていない穴場夜景スポットです。
丸亀城の歴史は、1597年(慶長2年)に豊臣秀吉の家臣である生駒親正と一正の父子によって亀山(丸亀)に築城されたことに始まります。城と城下町を土塁や堀で囲む「総構え」の形式が採られ、当時の権威と防御力を示す構造でした。
その後、1615年(元和元年)の一国一城令により一度廃城となりましたが、1641年(寛永18年)に山崎家治が丸亀藩主として転封後、再築を開始。1658年(万治元年)には京極家が入封し、1660年(万治3年)に三層三階構造の現存天守が完成し、1670年(寛文10年)頃に現在の大手門位置などの建築が行われました。
明治維新後、1872年(明治5年)に城の大部分が解体予定となりましたが、天守と門は取り壊されず保存されました。その後1919年(大正8年)に亀山公園として開放され、1950年に天守が、1957年に大手門がそれぞれ重要文化財に指定されました。
生駒親正・一正父子により亀山に築城開始 | |
一国一城令により廃城 | |
山崎家治が丸亀藩主として入封、再築開始 | |
京極家が入封 | |
現存天守(三層三階)完成 | |
大手門の整備 | |
廃城令により大部分が解体予定となるが、天守と門は保存 | |
亀山公園として一般開放 | |
天守が重要文化財に指定される | |
大手門が重要文化財に指定される |
丸亀城は、JR丸亀駅から徒歩約10分と、鉄道利用の旅行者にも非常にアクセスしやすい場所に位置しています。
主要駅からの電車移動や、車でのアクセス方法、駐車場の場所や混雑状況などについては、以下の記事で詳しく解説しています。
丸亀城へのアクセスについて詳しく見る
丸亀城は、江戸時代の天守が現存する貴重な史跡であり、日本一の高さを誇る石垣や、急坂、そして瀬戸内海や讃岐富士を望む眺望、さらに文化体験や四季のライトアップまで楽しめる、まさに「歩いて味わう」魅力に満ちた城です。
本記事では、実際に現地を歩いた視点から、石垣の造形美や本丸からの景色、歴史建築としての価値を紹介しました。短時間でも多くの魅力を体感できるコンパクトな構成のため、香川観光や四国旅行の合間にも立ち寄りやすいスポットです。
また、日本文化、城文化にどっぷり浸りたいひとは、「丸亀城キャッスルエクスペリエンス」はとてもおすすめです。丸亀市や日本の文化を存分に味わえる上、現存天守の隣に宿泊できるため、これまでにない貴重な体験ができます。城に宿泊できるところ自体が貴重ですが、それだけに留まらず、様々な文化体験、食事に至るまで手厚くサービス提供されている点は、日本のおもてなしの心を感じます。特に夕食の後、現存天守をバーとして利用できるなんて、夢のような体験だと日本人としても思います。贅沢な時間を過ごせることは間違いありません。
他にも丸亀城では、期間限定で鬼滅の刃(無限城編)とのコラボを実施していたり、QR コードを読み込むだけでタクシーが呼べる便利なサービスの実証実験(2025年8月1日 〜 2025年12月31日)をしていたりと、頻繁に新しい試みが実施されていることも見逃せません。
ぜひ、積極的に現代の楽しみ方を提案し続ける丸亀城へ、そして石垣を見上げ、天守に登り、風景を味わいながら、丸亀城の持つ奥深い歴史の魅力に触れてみてください。
もっと詳細に丸亀城の雰囲気を見てみたい場合は以下をどうぞ