丸亀城を歩く|日本一の石垣と現存天守に出会う体験レポート

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丸亀城を歩く|日本一の石垣と現存天守に出会う体験レポート

日本一高く美しいの石垣!丸亀城を体験レポート

丸亀城の遠景。天守と石垣がそびえ立つ姿が印象的

丸亀城は香川県丸亀市にあるお城で、石垣の高さが日本一なことで有名なお城です。

本記事では、実際に丸亀城を訪問した際の体験レポートをお伝えします。天守までの道のりで出会った風景を写真とともにお伝えしていきますので、丸亀城の雰囲気がより詳細に伝わると幸いです。

なお、丸亀城の見どころについては、以下の記事で紹介しています。

丸亀城の見どころについて詳しく見る

丸亀城のアクセス方法については以下の記事で紹介しています。

丸亀城へのアクセス方法について詳しく見る

丸亀城の正面入口

丸亀城に到着。日本一高い石垣を持つだけあって、かなり高い位置に天守があります。

丸亀城正面入口付近の石垣と坂道。天守が高台にあることがよくわかる構図

門の横にあるのが、大手一ノ門です。

丸亀城大手一ノ門の外観。白壁と石垣のコントラストが印象的

それでは丸亀城へ入っていきましょう。

丸亀城の入口付近。石畳の道と塀に囲まれた進入口

お堀の水はゆらぎも無く穏やか。周囲の雰囲気も相まって静かな時間が流れます。

お堀に映る空と木々。穏やかな水面が広がる静かな風景 お堀越しに見える木々と石垣。城内の落ち着いた雰囲気を感じる景色

先に見えるのが大手二ノ門です。

大手二ノ門へと続く石畳の道。門の姿が木々の奥に見える構図 大手二ノ門に近づく石段と城壁。門が間近に迫る導線

大手二ノ門

丸亀城の二の門は高麗門(こうらいもん)形式の門。どっしり構えられているその佇まいが、まさに城の玄関口といった雰囲気を感じさせます。

丸亀城大手二ノ門を正面から見た全景。木造の高麗門と石垣が重厚な雰囲気を伝える 丸亀城大手二ノ門をやや斜めから撮影。門の構造や奥の石垣がよくわかる構図 大手二ノ門の扉に施された金具の装飾と木材の風合いのディテール

二の門の脇の塀には狭間(さま)がありました。三角の狭間は鉄砲狭間と思われます。

二ノ門脇の塀に設けられた三角形の鉄砲狭間と石垣の一部 石垣沿いに続く塀と鉄砲狭間。防御設備としての機能美が伝わる構図

鉄砲狭間よりも広く、門を閉じていても大手門の外の様子を伺える小窓もありました。

大手門外を見渡せる小窓越しの風景。門内から外を監視できる構造が見える

大手一ノ門

二の門をくぐるとすぐに一の門があります。

丸亀城大手一ノ門の正面全景。白壁と石垣に囲まれた堂々たる構え 丸亀城大手一ノ門を斜めから撮影。石垣の角度と門の厚みが際立つ 丸亀城大手一ノ門をくぐる手前のアングル。木製の柱と門の重厚感が伝わる構図

大手門は来客を迎え入れる玄関口という役割があり、石垣の積まれ方がきれいです。梁も大きくて迫力があります。

大手一ノ門の扉に施された鋲や装飾金具のクローズアップ。歴史的な意匠が見られる 門の側面に並ぶ金具と木目の美しさ。防御と装飾が調和した細部

では一の門をくぐります。ここから先は、丸亀城です。

大手一ノ門の内側から外を望む風景。門の影越しに広がる緑と敷地

大手門広場

大手門をくぐると大手門広場があります。とても広大です。

大手門広場の開けた風景。奥に見える木々が静かな雰囲気を演出している

ここ右手に行くと「番所長屋」や「丸亀市立資料館」へ。左手に行くと天守へ向かいます。

丸亀城内の案内表示と緑に囲まれた通路。観光案内所のあるエリアの様子

また、この大手門広場には丸亀城内観光案内所があります。

丸亀城内観光案内所(写真左)

観光案内所と番所長屋へ続く分かれ道。両側に石垣と木立が広がる

心臓破りの急坂!見返り坂

石垣の高さが日本一」ということは、天守に行くならその高さまで上がる必要がある。ということ。

この見返り坂は、丸亀城名物です。

見返り坂の登り口付近。石垣と木々に囲まれた緩やかな上り坂の始まり

「時々立ち止まって振り返りたくなる」くらい傾斜が急であることから「見返り坂」と呼ばれています。

見返り坂の総距離は 150m, 傾斜は10度にも及びます。

急勾配の様子は出発地点からだとわかりにくいですが、折返し地点まで見返り坂を上ってきて、上から下を見るとその急坂具合がよくわかります。

見返り坂中腹から見下ろした風景。急傾斜の石畳の道が続く 「見返り坂」の案内標柱と坂道の石畳。歴史を感じる城内の名所

傾斜が急なのがよくわかりますね。ここまで上がってくるのに 2, 3 分かかりました。ゆっくり休憩しながら上ることをおすすめします。

丸亀城で、ランニングウェアを来た地元の人に出会いましたが、この見返り坂を健康のためのトレーニングに使っていらっしゃると伺いました。それだけの急坂です。

ベビーカーや車椅子を押して上るのはオススメできません。

日本一!巨大な石垣の美しさ

まだここの時点で見返り坂を全て上ってはいないのですが、ここまで上ると大きな石垣を間近で見ることができます。

丸亀城名物「扇の勾配」を持つ石垣全景。緩やかな曲線が美しい 高く積まれた丸亀城の石垣を間近から見上げる構図。迫力ある景観

最大で 20m あります。本当に高い。そして、後半から一気に角度を上げる「扇の勾配」と称される曲線を帯びた石垣の美しさ。これが丸亀城の石垣の最大の魅力だと思います。当時、これをコンピューターや重機無く実現していたと思うと、非常に高い職人技術です。

巨大な石垣が緑に映える風景。滑らかな曲面が際立つ設計美

見返り坂の後半戦!緑と石垣のコントラストを楽しんで

では、残りの見返り坂も攻略していきます。

後半の見返り坂を進む石畳の坂道。両脇を緑が包み、静かな雰囲気

見返り坂はきついのですが、間近で見る石垣の大きさに圧倒されます。

実物を見ると迫力が全然違います。

青もみじの葉越しに見える丸亀城の高石垣。自然との対比が美しい 石垣に沿って広がる木々の緑。見返り坂中腹の印象的な風景 石垣と木々の緑が織りなすコントラスト。歴史と自然が融合する情景

ちなみに見返り坂の後半部分、上がりきったところからの様子です。こちらも急勾配になっているのがよくわかります。

急勾配の坂道を上り切る直前の見返り坂。手すりと石畳が整備されている

訪問時は真夏でしたが、見返り坂を上り切った時点で汗だくになりました。タオルと水分補給は必須です。次の三の丸広場には水飲み場もありますので、見返り坂を上り切ったらまずはゆっくり休みましょう。

三の丸広場

見返り坂を上り切ると、三の丸広場があります。眺望の良さが魅力の開けたエリアです。

三の丸広場の中央付近。石や芝生が残る開けたスペース 丸く整備された腰掛けのある一角。休憩にも適した広場の一部

標高約50メートルの場所からは、讃岐富士の愛称で知られる飯野山や、土器川の流れ、さらに坂出の工業地帯や瀬戸大橋までを一望できます。東南の隅には、かつて「月見櫓」とも呼ばれた巽櫓の跡もあり、月を眺める絶好のスポットとして親しまれてきました。

三の丸広場からの眺望が楽しめる東南の角。視界の開けた展望ポイント 柵の奥に広がる丸亀市街の風景。三の丸広場の縁から見える絶景

東櫓台跡から眺める絶景

本丸までいけば最高の景色が見られるのですが、見返り坂を上ったご褒美として、三の丸広場にある東櫓台跡から景色を見てみましょう。丸亀市を一望できます。

東櫓台跡の展望スペース。木製の柵越しに市街を一望できる開放的な風景 丸亀市街と遠くの山並みを望む眺望。曇り空でも広がりを感じる風景 飯野山を背景に広がる市街地の眺め。東櫓台跡からの絶景 東櫓台跡から見下ろした街と緑のコントラスト。遠くまで見渡せる構図 丸亀市内と瀬戸内の景観が調和した遠望。木製柵と石垣の曲線が印象的 青空の下に広がる飯野山と街並み。東櫓台跡から見える丸亀の代表的風景

月見櫓跡

こちらは、同じく三の丸広場、東櫓台の反対側にある月見櫓跡です。こちらからも風景を楽しめます。

月見櫓跡の草地と展望柵。正面に飯野山が見える静かな展望スポット 緑に包まれた月見櫓跡からのパノラマ風景。街と山が広がる 月見櫓跡から眺める丸亀市街。眼下の緑と空の広がりが印象的 木々の先に広がる飯野山と街並み。月見にふさわしい穏やかな風景

勤王碑

丸亀城三の丸広場に建てられた勤王碑。周囲の木々に囲まれた静かな記念碑

勤王碑は、幕末から明治初期に活躍した丸亀ゆかりの志士をたたえる記念碑です。

丸亀出身の土肥実光(大作)と村岡宗四郎は、明治維新の時代に国のために尽力した人物で、大正時代にその功績を称えてこの碑が建てられました。土肥は新政府の要職を務め、村岡は若くして勤王の志を貫いた志士として知られています。

三の丸から見る石垣

三の丸広場から見る石垣も大きくて迫力ありました。こちらは、延寿閣別館のすぐ脇にそびえる二の丸の石垣です。

三の丸広場から見上げる二の丸の石垣。鋭角な形状が印象的な構図 高く積まれた石垣を斜め下から撮影。角度と迫力が伝わる視点 自然の緑と石垣が調和する風景。手前から緩やかに続く曲線の石垣 丸亀城の象徴的な高石垣。空を背景に壮大なスケールが感じられる

それでは、天守に向かって進んでいきましょう。

天守へ続く道の分岐点に立つ道標と石垣。「天守」方向を指す案内表示 石垣沿いに伸びる舗装された上り坂。天守へのアクセスルートの一部 木陰と石垣の間を抜ける上り坂。天守直前の静かな通路

二の丸広場

三の丸を抜けると、次は二の丸に出ます。ここも今は広場になっていて、トイレや水飲み場がありました。

二の丸広場の入口付近。石段と緑に囲まれた開けたスペース 整備された遊歩道と植栽の広がる二の丸の園地。静かに散策できる空間 広場の縁に沿って続く石段と木々の風景。二の丸の一角 「二の丸井戸」の案内標柱と木立に囲まれた地面。井戸の入口に続く場所

恐怖の伝承が残る井戸

二の丸の見どころとして、いわくつきの伝承が残る井戸があります。

丸亀城二の丸井戸の全景。黒い屋根に覆われた井戸の上屋

二の丸井戸は、日本一の深さともいわれる伝説の井戸です。直径約1.8メートル、深さは約65メートルあり、丸亀城の最も高い場所に位置しています。現在も水をたたえ、当時の姿をとどめています。また、この井戸には石垣職人が井戸の中にいた際に石を落とされ命を落としたという、少し不気味な伝説も残されています。

二の丸井戸の伝承を解説する案内板。羽坂重三郎の伝説が紹介されている

丸亀城を築いた際に、

「どうだ!この高い石垣なら誰も上れないだろう!」

と言ったお殿様に対して、これを作った羽坂重三郎が

「いいえ、登れる方法がございます。」

と言って鉄の棒を使って登ってみせました。

「この方法(石垣の攻略法)が外に漏れたらまずい!」

と感じたお殿様が、この羽坂重三郎を井戸に誘い込み…

というお話です。

木造の上屋に囲まれた二の丸井戸。歴史を感じさせる保存状態

この井戸、今でも水が入ってるとのこと。井戸の中を覗いてみると、その深さに吸い込まれそうになります。羽坂重三郎氏に引き込まれないよう、覗く際はくれぐれも気を付けてください。

井戸内部を覗いた様子。金網越しに深い井戸の暗がりが見える 柵越しに覗き込んだ井戸の内部。深さを感じさせる黒く沈んだ空洞

ということで、いよいよ天守に参りましょう。

井戸を後にして天守へ向かう通路。石垣と木々が続く道のり

本丸

本丸の案内標柱と説明板。芝生の中に立つ本丸の位置を示す表示

本丸にやってきました。本丸も広場になっており、そこに天守と櫓跡がある構成になっています。

本丸広場の中央付近。松の木が植えられた開けた空間と遠景が見える 整備された砂地と植栽の美しい本丸広場。展望エリアにつながる道 本丸広場から見上げた丸亀城天守。石垣の上にそびえる白壁の城

絶景!本丸広場から丸亀市を一望

本丸の櫓跡は展望台として整備されており、そこから丸亀市を一望できます。

本丸広場の展望台。丸太柵の内側から市街を見下ろせるビューポイント 飯野山を背景に広がる丸亀市街地の遠景。晴れた日の視界が広がる風景 本丸から眺める市街の全景。建物と山々が織りなす調和のある眺望 木製柵越しに広がる丸亀市街の様子。高台からの開放感あふれる風景 展望スペースの縁から見る市街と空。自然と街並みが交錯する構図 本丸広場からの眺望。住宅や商業エリアが一望できる景色 広がる街並みと曇り空の下に見える市内中心部。奥には山々も見える 丸亀市街から瀬戸内海方面まで見通せるパノラマ風景

現存十二天守、江戸時代当初の姿を残す丸亀城天守

いよいよ、天守との対面です。ここまで登ってきた甲斐がありました。

丸亀城の天守を正面から撮影。石垣の上に立つ三層三階の白亜の建築 天守をやや斜めから望む構図。周囲の緑と青空が映える 天守越しに広がる市街の遠景。高台からの眺望が得られる天守周辺

丸亀城の天守は、現存十二天守の1つであり、大変貴重です。

石垣の上に立つ天守への階段。手すりと石積みが残る歴史的構造 天守の白壁と屋根の軒裏。建築の細部と松の木の緑が調和する 木製の格子窓と白壁が見える天守の側面。歴史を感じさせる外観 天守裏手に続く小道と植栽。静かで落ち着いた雰囲気の通路 天守を下から見上げる構図。軒の反りと屋根の重なりが美しい 天守の裏側全景。芝生に囲まれた天守の凛とした立ち姿

天守の裏側にも展望台がありました。

天守裏の展望エリア。案内標柱と木々の向こうに広がる市街地 木立の間から見える天守周辺の道。自然に囲まれた小道 石畳の小道と緑の植栽。天守周辺の風情ある通路 天守背後から見渡す丸亀市街の景色。街並みと遠くの山々が一望できる 本丸の高台から市街中心部を望む。展望台からの視界が広がる 丸亀市街と瀬戸内海を一望する景色。丸みを帯びた飯野山が印象的

日本一の高さを誇る石垣を持つ「丸亀城」

日本一の高さを誇る石垣、実物は本当に巨大で、迫力がありました。

丸亀城の高石垣を斜め下から見上げた構図。扇の勾配と呼ばれる曲線が印象的 草地の向こうにそびえる石垣の全景。高さと長さが伝わる迫力のある視点 なだらかな草地と対比する石垣の直線的なライン。空に映える白石の壁面 石垣の右上に天守がわずかに見える構図。丸亀城の構造的な高さが伝わる

そしてその石垣を超え、天守へ行くための「見返り坂」は本当に心臓破りの坂道でしたが、それを乗り越えても見る価値のある石垣と天守でした。

お城というのはその構造として「攻めにくい」が追求されていますが、こうして「高さ」を武器に築き上げた丸亀城。これは難攻不落であると実感できました。

日本一の高さを誇る石垣を持つ「丸亀城」

ぜひ足を運んでみてください。

公園越しに見える丸亀城全景。石垣と天守が遠景に映るランドマーク的風景
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