山梨の秘境、猿橋〜橋脚の無い奇跡の構造、日本三大奇橋と美しい景観〜

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山梨の秘境、猿橋〜橋脚の無い奇跡の構造、日本三大奇橋と美しい景観〜

甲斐の猿橋

苔むした斜面の前で刎木が連なる猿橋の構造と橋名が刻まれた木製案内柱

猿橋は、山梨県大月市猿橋町猿橋にある桂川に架かる刎橋です。刎橋とは、両岸から斜めに張り出したはね木によって橋を支える構造の橋を意味します。

猿橋は、歌川広重の「甲陽猿橋之図」や十返舎一九の「諸国道中金之草鞋」などにその姿が描かれており、江戸時代から多くの人々に親しまれてきました。1932年(昭和7年)には国の名勝に指定されています。現在の橋は、1984年(昭和59年)に嘉永4年(1851年)の資料をもとに忠実に復元されたものです。

猿橋 基本情報
項目内容
営業時間24時間
定休日無し
入場料無料
駐車場国道20号沿い無料駐車場(18台収容)。混雑時は猿橋公園駐車場を利用可(猿橋まで遊歩道経由で約10分)
最寄り駅JR中央本線 猿橋駅より徒歩約15分
所在地〒409-0614 山梨県大月市猿橋町猿橋
公式サイト甲斐の猿橋 - 大月市観光協会

橋脚無し。まさに奇橋

谷を渡る猿橋の下面に重なる四層の刎木と黒い金具の迫力ある構造

猿橋は、長さ30.9m、幅3.3m、高さ31mの木造の橋です。橋脚を全く使わず、両岸から張り出した四層のはね木によって支えられています。この珍しい構造は、谷が深く橋脚が立てられないため、猿が弓のように連なって橋をつくり渡っていた様子をヒントにしたともいわれています。

この珍しい構造から、猿橋は日本三奇橋に数えられています。日本三奇橋には諸説ありますが、猿橋のほか、山口県岩国市の「錦帯橋」と長野県木曽郡の「木曽の棧(かけはし)」が挙げられます。このうち木曽の棧は現存しておらず、猿橋は日本国内で現存する唯一の木造刎橋として貴重な存在です。

木製の欄干が続く猿橋の上から望む山あいの家並みと竹林

桂川の深く美しい渓谷

猿橋は、桂川の深く美しい渓谷に架かる橋です。猿橋から見下ろす渓谷は、深く美しく、まるで絵画のような景色です。また、橋の上から桂川の清流を眺めるのもおすすめです。

猿橋の欄干越しに見下ろす青い桂川と岩壁に囲まれた深い渓谷 猿橋から真下にのぞくエメラルド色の桂川と切り立った岩肌 遊歩道と石垣の下に広がる桂川の渓谷と深い緑色の水面

猿橋のすぐ隣に見える橋は「新猿橋」といいます。こちらは車輌通行用の橋で、現在では主にこちらの橋が生活に使用されています。

渓谷に架かる鋼アーチの新猿橋と下を通る遊歩道の眺め

八ツ沢発電所施設 第一号水路橋

猿橋の隣には、国の重要文化財となっている八ツ沢発電所施設 第一号水路橋(やつさわはつでんしょしせつ だいいちごうすいろきょう)があります。

桂川の渓谷に架かる八ツ沢発電所施設第一号水路橋と奥に見える赤いアーチ橋

明治45年(1912年)に建設された、日本最大規模の鉄筋コンクリート造単アーチ橋です。

八ツ沢発電所施設は、山梨県大月市と上野原市にまたがる、桂川沿いの水力発電所施設です。大正3年(1914年)に完成し、日本最初期の本格的な水力発電所施設として知られています。

第一号水路橋は、八ツ沢発電所から大野調整池までの水路を渡すために建設された橋です。全長42.7m、アーチ径30mの単アーチ橋で、当時としては大規模な支間長を実現しました。また、アーチ部にはノコギリの歯のような飾りが施されており、装飾性にも優れています。

第一号水路橋は、土木技術史的に重要な価値があります。初期の鉄筋コンクリート造橋梁として、大規模な支間長を実現した技術は、当時としては画期的なものでした。また、アーチ部に施された装飾は、近代化の進展を象徴するものとして評価されています。

第一号水路橋は、水力発電所の歴史や技術に触れることができる貴重な観光スポットとなっています。

日本三奇橋「猿橋」

秋色の街並みに立つ猿橋の入り口を示す赤い木製アーチ看板

猿橋は、周囲の景観も良く、秋にはカエデやモミジ、イチョウが色づき、鮮やかな紅葉が渓谷美を引き立てます。

岩壁と渓流を彩る紅葉の赤と黄が映える桂川の秋景色

猿橋は、江戸時代から多くの人々に親しまれてきた橋です。橋の周辺には、猿橋に関する資料や展示を行っている施設もあります。

日本三奇橋「猿橋」へ、ぜひ訪れてみてください。

落ち葉が敷き詰められた広場と赤く色づく大きな紅葉の木と猿橋の遊歩道
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