松本城を歩く|国宝天守と公園に広がる絶景を現地レポート

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松本城を歩く|国宝天守と公園に広がる絶景を現地レポート

国宝松本城をめぐる城内散策レポート

長野県松本市の中心に位置する国宝・松本城。漆黒の天守と静かに広がるお堀の景観は、日本有数の名城にふさわしい風格を備えています。

城内を歩くと、場所ごとに異なる景観や趣きがあり、多彩な表情を楽しめます。

この記事では、松本城の門や庭園、そして天守など、城郭全体の雰囲気をお伝えします。位置関係や雰囲気など、訪問時の参考になれば幸いです。

松本城の表玄関・太鼓門からスタート

松本城全体の航空写真 大手口太鼓門枡形の位置を示した地図

松本城の散策は、西側にある大手口の太鼓門枡形から始まります。太鼓門は 2 つの門から成っており、枡形という防御構造を形成しています。

松本城の石碑と太鼓門枡形の外観

最初に現れるのは二の門(高麗門)。

松本城二の門 高麗門の正面写真

この門をくぐると、四方を石垣と櫓に囲まれた枡形の空間に入ります。

石垣と櫓に囲まれた太鼓門枡形の内部空間

その正面に構えているのが一の門(櫓門)です。

松本城太鼓門枡形一の門 櫓門の正面

一の門の石垣には、玄蕃石という人の背丈よりも大きな巨石が使われています。なんと 22.5t もあります。

松本城太鼓門枡形一の門の玄蕃石を示す写真 玄蕃石を近くから写した松本城一の門の石垣

重厚な櫓門を抜けると二の丸御殿跡へ続き、ここから本格的に松本城の内部へと入っていきます。

松本城太鼓門枡形櫓門を通り抜けた先の景色

藩主の居館跡「二の丸御殿」

太鼓門枡形を抜けた先にあるのが二の丸御殿跡です。

松本城二の丸御殿跡の航空写真 敷地の位置を示した図 二の丸御殿跡の入口に立つ黒塀の門 青空の下に広がる松本城二の丸御殿跡の敷地全景

本丸御殿焼失後、藩主が暮らし、政務を執った中心的な建物がここにありました。

松本城二の丸御殿の当時の間取りを示す案内板

現在は建物こそ残っていませんが、敷地内には間取りに沿って区分けされた礎石や表示板が整備されており、どこに部屋があったのかを想像しながら歩くことができます。広々とした空間を散策していると、かつての御殿の規模の大きさが実感できます。

礎石が並ぶ二の丸御殿跡の区画整備された敷地 区分けされた礎石が点在する松本城二の丸御殿跡の風景

二の丸御殿跡からは松本城天守が見えます。藩主や家臣たちが日常的に眺めていたであろう景色を、現代の私たちも同じ位置から眺め、当時の暮らしや営みに思いを馳せることができます。

二の丸御殿跡から眺める松本城天守の景観

絶景スポット!内堀から望む天守

松本城は、松本城公園として整備されています。内堀の外側は無料で入ることができ、気軽に散策を楽しむことができます。

松本城公園の航空写真 内堀沿いの散策ルートを示した地図 松本城公園内に並ぶ国宝松本城の記念碑 松本城内堀沿いの遊歩道と木々の景色 松本城天守を内堀越しに眺める景観

そして、この公園から眺める天守こそが、松本城を象徴する景観です。漆黒の天守が堀の水面に映り込み、青空や雲と重なり合う姿は、写真で何度も目にしたことのある「松本城らしい風景」。実際にその場に立つと、堂々とした存在感に思わず見入ってしまいます。

青空の下 内堀に映る松本城天守の全景 松本城天守を水面越しに斜めから撮影した景観 松本城天守を内堀と水面に映る姿で捉えた風景

遊歩道を歩きながら角度を変えて眺めると、天守の表情も少しずつ変わっていきます。真正面から堂々とした姿を楽しむもよし、堀越しに水面へ映る姿を重ねて見るもよし。いずれも「松本城といえばこの風景」と言える定番の眺めです。

有料エリアへ

松本城天守と高麗門へ続く道 正面に行列が見える風景

ではここから、有料エリアに入っていきます。松本城天守のある有料エリアへ進むには、**高麗門(こうらいもん)**をくぐります。

松本城高麗門周辺の位置を示す航空写真 松本城高麗門の入口 案内看板と石垣のある風景 高麗門前で入場待ちの列を作る観光客の様子

web事前予約を行い、電子チケットを持っているひとは右側、当日券を購入するひとは左側の列へ分かれ、それぞれ受付を行い入場します。

電子チケット受付端末に表示されたQRコード読み取り画面 高麗門前で列に並ぶ多くの観光客の様子

当日券はチケットを購入するため時間がかかりますが、電子チケットなら、購入時の QR コードを提示するだけなので入場がスムーズです。

当日券購入のため窓口に並ぶ観光客の列 チケット窓口で入場券を購入する観光客の様子

受付を通過するとすぐに、黒門があります。黒門は本丸への玄関口であり、正門としての役割を担っています。

石垣に囲まれた黒門 正門らしい風格ある構え 黒門を外側から見た風景 木造の門と石垣が特徴 黒門の内部 木組みや装飾が残る天井部分の様子 黒門を通過して本丸方向へ進む観光客の様子

忍者が私達を出迎えてくれていますね。彼らは「おもてなし隊」といって、忍者や侍の衣装を纏った役者です。8:30〜16:00 の時間帯で松本城内に出現します。運良く出会えたら一緒に写真を撮ってもらいましょう。

本丸庭園で登城準備

黒門を抜けた先に広がる本丸庭園 観光客が天守に向かう様子

黒門を抜けると、目の前広がるのが本丸庭園です。ここはかつて本丸御殿が建っていた場所で、藩主が政務を執り、日常を過ごしていた中心的な空間でした。現在は庭園として整備され、訪れる人が自由に散策できる広場となっています。

松本城本丸庭園の位置を示す航空写真 芝生越しに眺める松本城天守と本丸庭園の風景 青空の下 本丸庭園から天守を望む広々とした景観

また、庭園の一角にはコインロッカーが設置されています(100円)。松本城天守は階段が急で狭いため、大きな荷物を持っての見学は不向きです。リュックなどはここで預けて、身軽に天守へ向かうのがおすすめです。スーツケースなど、コインロッカーに入らないものも、売店や事務所に行けば預かってもらえます。

本丸庭園に設置された紫色の大型コインロッカー

私も荷物をコインロッカーに収納しました。

コインロッカーの鍵と番号札を置いた様子

ではいよいよ、天守へ向かいましょう。

正面の小道から松本城天守へ向かう景観

松本城のハイライト!国宝の天守へ

松本城天守の位置を示す航空写真 本丸中央に赤枠がある

本丸庭園を進むと、ついに国宝・松本城天守が目の前に現れます。

青空を背景に堂々と建つ松本城天守 正面全景

間近に見る漆黒の天守。その姿は圧巻で、その存在感が一層際立ちます。

松本城天守を真下から見上げた迫力あるアングル

ここから先はいよいよ、最古級の現存天守内部を巡る登城体験が待っています。

松本城天守の入口付近 観光客が出入りする様子

松本城天守の内部や見どころについては、以下で紹介しています。

松本城天守の内部について詳しく見る

松本城天守の見どころについて詳しく見る

圧倒的な存在感、威厳と美しさを備えた国宝松本城

藤棚の下から眺める松本城天守 庭園越しの景観

松本城は、天守だけでなく、門や御殿跡、公園からの景観など、歩くごとに多彩な姿を見せてくれました。堀に映る漆黒の天守、歴史を物語る石垣、広々とした庭園など、その一つひとつが名城と呼ばれるにふさわしい重みを感じさせます。

堀に映る松本城天守 青空と水面に映える姿

実際に訪れてみると、写真や映像では伝わらない圧倒的な存在感に心を奪われます。人々で賑わう中でも、天守が放つ威厳と、漆黒と白の美しいコントラストは揺るぎなく際立っています。松本城は、まさに「威厳と美しさを備えた国宝の城」と呼ぶにふさわしい場所でした。

松本市の中心にありながら、悠然とその姿を保ち続ける松本城。長野を訪れる際には、ぜひ自分の足でこの空間を体感してみてください。

松本城天守を下から仰ぎ見た景観 石垣と白漆喰が際立つ姿
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