
- 松本城天守の内部を徹底紹介!現存最古級の国宝を現地レポート
- 松本城天守の内部を徹底紹介。急な階段や暗闇の階、鉄砲展示や月見櫓まで、現存最古級の国宝を見学できる魅力を現地レポートします。
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国宝・松本城は、戦国末期の姿を今に伝える現存天守を備え、日本三大平城のひとつとして名高い名城です。
堀に映える天守、歴史を感じる門や御殿跡、そして無料で散策できる公園エリアなど、見どころは多岐にわたります。
この記事では、松本城観光で押さえておきたい見どころや楽しみ方、チケット購入方法や行き方など、訪れる前に知っておくと便利な情報をまとめました。訪れる際のご参考になれば嬉しいです。
松本城は、長野県松本市の中心にある日本を代表する名城です。戦国末期に築かれた五重六階の天守は現存する最古級で、国宝に指定されています。漆黒の外観と水堀に映る姿の美しさが特徴で、日本三大平城、そして日本100名城のひとつとして、国内外から多くの観光客が訪れています。
項目 | 内容 |
---|---|
所在地 | 長野県松本市丸の内4-1 |
アクセス | JR松本駅から徒歩約15分 |
公式サイト | https://www.matsumoto-castle.jp/ |
松本城は、JR松本駅から北へ約1.5kmの場所にあります。最も一般的なのは徒歩でのアクセスで、駅から城までの道のりは約15分。市街地を抜けながら向かう途中には飲食店や土産物店も多く、観光気分を味わいながら歩けます。
荷物が多い場合や天候が悪いときは、松本駅から松本城周辺まで路線バスやタクシーを利用することも可能です。路線バスはアルピコ交通の「タウンスニーカー北コース」が便利で、駅から約10分で「松本城・市役所前」バス停に到着します。松本城の正門である「太鼓門桝形」の前で下車できるので、その点も便利です。
タクシーで行く場合、松本駅お城口にタクシー乗り場がありますので、そこから乗車します。所要時間は10分以内程度で、料金は 800〜1,000円程度です。
手段 | 所要時間 | 料金 | 特徴 |
---|---|---|---|
徒歩 | 約15分 | 無料 | 市街地を散策しながら移動できる |
バス | 約10分 | 大人 ¥200 | 太鼓門桝形前で下車でき便利 |
タクシー | 約10分以内 | ¥800 〜 1,000 | 荷物が多い時や雨の日におすすめ |
駅からの移動時間はいずれも短いため、天気や荷物の状況に合わせて移動手段を選ぶのがおすすめです。
松本城は、敷地全体が「松本城公園」として整備されています。大きく分けると、誰でも自由に散策できる無料エリアと、チケットを購入して入場する有料エリアがあります。
内堀の外側は無料エリアにあたり公園になっています。遊歩道や広場から天守を望むことができ、四季折々の景観を楽しめるため、観光客だけでなく市民の憩いの場としても親しまれています。
一方で、内堀の内側が有料エリアです。ここには国宝の天守をはじめ、本丸庭園や売店などがあります。
無料エリアだけでも天守の外観を楽しめますが、松本城の魅力をしっかり味わうなら有料エリアへの入場がおすすめです。
松本城の有料エリアに入場するにはチケットが必要です。購入方法は大きく分けて、電子チケット(Web事前購入) と 紙チケット(当日券) の2種類があります。
電子チケットは事前にWebから決済でき、あわせて入場時刻を指定する形式です。当日は受付でQRコードを提示するだけでスムーズに入場できます。
一方、紙チケットは現地で購入します。有料エリア入口にあたる黒門の手前にある高麗門にチケット売り場が設置されており、そこで当日券を購入できます。
電子チケットは当日券よりも 100 円安くなるため、入場のスムーズさを考えると電子チケットの方がおすすめです。日時指定は3か月先まで可能ですが、購入後の変更・キャンセルができないため、入場日と入場時間を決めてから購入しましょう。
チケット種別 | 一般 | 小・中学生 | 未就学児 |
---|---|---|---|
電子チケット | ¥1,200 | ¥400 | 無料 |
紙チケット | ¥1,300 | ¥400 | 無料 |
また、松本城の入場券は周辺施設とのセット券も販売されています。旧開智学校、松本美術館、松本市立博物館との共通券が用意されており、通常より 200 円お得に購入できます。松本観光を一日かけて楽しむ予定なら、セット券を検討するのもおすすめです。
松本城には、国宝の天守をはじめとして見逃せないスポットが数多く点在しています。実際に歩いて巡ると、歴史的な建造物からフォトジェニックな景観まで、多彩な魅力にあふれています。ここからは、松本城を訪れたときにぜひ注目してほしいポイントを順に見ていきましょう。
松本城観光のハイライトとなるのが、国宝に指定されている五重六階の天守です。日本国内に12しか現存しない「現存十二天守」の一つで、急で狭い階段を上り下りしながら巡るスリルも体験の一つです。最上階からは松本市街や北アルプスを望む眺望が広がり、登った人だけが味わえる特別な景色が待っています。
松本城天守の内部や見どころについては、以下で詳しく紹介しています。
松本城天守の内部について詳しく見る
松本城天守の見どころについて詳しく見る
松本城を象徴する景観といえば、やはり内堀越しに眺める天守です。松本城公園として整備された無料エリアからは、天守と堀が一体となった美しい風景を気軽に楽しむことができます。
お堀の水面に天守が映り込む姿は「逆さ松本城」とも呼ばれ、絶好のフォトスポットです。
天守を真正面から撮影するのはもちろん、赤く映える埋橋を構図に入れるのもおすすめです。この場合は午前中だと逆光になるため、正午以降の撮影が狙い目です。
澄んだ青空や雲とともに映る天守は、実際にその場に立つと写真以上の迫力を感じられます。
天守の目前に広がるのが本丸庭園です。ここはかつて本丸御殿が建ち、城主が政務を執り日常を過ごした居館の跡地にあたります。現在は有料エリア内の庭園として整備されており、見学者が散策できる広場となっています。
敷地内には御殿の建物配置を示す区画が表示されており、往時の規模をイメージしながら歩くことができます。気づかず通り過ぎてしまう人も多いので、ぜひ立ち止まって確認してみてください。
さらに松本城の天守は複数の櫓が連結した複合式で、庭園内を歩きながら見る角度によって姿が大きく変わります。正面からの迫力はもちろん、斜めに構える優雅さや横からの重厚さなど、多彩な表情を楽しめます。
庭園内には休憩スペースや売店、コインロッカー、記念撮影用のフォトフレーム、トイレも備わっており、観光の拠点としても便利です。天守へ登る前に立ち寄り、ひと息つきながら景観をじっくり楽しむのに最適な場所です。
松本城の二の丸御殿跡は、かつて城主が暮らし、政務を執った建物があった場所です。現在は広場として整備されており、礎石によって当時の間取りが示されています。
二の丸御殿は本丸御殿と同じ時期に建てられた建物です。元々は本丸御殿が政庁。城主は本丸御殿に暮らし、政務を執り行っていました。二の丸御殿はその当時、副政庁という役割でした。
しかし 1727 年に本丸御殿が焼失、二の丸御殿が政庁となり、城主居館と政務の機能がここで二の丸御殿に移りました。
廃藩後は筑摩県庁舎となり、1876年、ついに二の丸御殿も焼失しました。
当時の間取りが示された礎石を見ながら広々とした空間を歩いていると、御殿の規模の大きさを肌で感じ取ることができます。二の丸御殿の敷地の広さは 6270㎡、建物の広さは 1980㎡、部屋数は約 50 ととても広い敷地・建物であったことも想像できます。
入口に二の丸御殿の絵図が紹介されていますので、これを写真に撮って当時の建物と照らし合わせながら各間取りを巡るとよりイメージが湧いて楽しめます。
太鼓門枡形は、松本城の正門「太鼓門」を中心に築かれた堅固な防御構造です。
二重の門と石垣に囲まれた「枡形」と呼ばれる仕組みは、侵入してきた敵の進軍を封じる工夫がそのまま残されており、当時の防御戦術を体感できます。
松本城へ足を踏み入れるその一歩目から歴史の仕掛けを味わえるのは、この場所ならではの楽しみです。ぜひ意識して通ってみてください。
なお「太鼓門」という名は、北側に設けられた「太鼓楼」に由来します。ここに置かれた太鼓や鐘は時を告げ、藩士を呼び集める合図として使われていました。
松本城を訪れる際に、ちょっとした工夫を知っておくと観光がぐっと快適になります。チケットの買い方や混雑期の注意点、荷物の扱い、季節ごとのちょっとした準備など、事前に押さえておきたいポイントをまとめました。ぜひ参考にして、松本城の魅力を存分に楽しんでください。
松本城は人気の観光スポットのため、休日や連休は特に混雑します。
黒門手前の高麗門でチケット購入(当日券)、または入場手続き(電子チケット)を行いますが、当日券の場合は支払いなどの時間がかかるため入場までに行列ができることも珍しくありません。
webで電子チケットを事前購入すると入場時刻が指定できるため、入場までの待ちも同時刻に入場する人の列のみ、且つ、入場手続きも QR コードを提示するだけなのでスムーズに有料エリアへ入場できます。
特に混雑する日はこの差が顕著に現れますので、待ち時間を削減したい場合はwebで電子チケットを事前購入するのがおすすめです。
電子チケットでスムーズに有料エリアに入れたとしても、混雑期は天守の入口で入場制限がかかり、そこで待つことになります。
最も混雑するゴールデンウィークやお盆の時期は、2時間以上の待ち時間になることも。混雑期に行く際は時間に余裕をもって行きましょう。
松本城天守の内部は木造で急な階段が続き、通路も狭いため、大きな荷物を持ったままの見学は不向きです。リュックやキャリーケースがあると動きづらく、他の見学者にも迷惑になってしまいます。現実問題、キャリーケースを持ったままでの天守見学は不可能です。
有料エリアに入るとすぐの本丸庭園にはコインロッカーが設置されており、リュックや手荷物を安心して預けられます(ロッカーの大きさに関わらず、一律100円)。
小さいサイズのロッカーは、通常のリックサックが問題なく入る広さです。
大きいサイズのロッカーは、長期旅行用の大きめのバックパックや、小さいサイズのスーツケースならもしかしたら入るかもしれません。
スーツケースなどコインロッカーに入らない大きな荷物については、管理事務所や売店で預かってもらえるのでそちらへ依頼しましょう。
見学の前に荷物を預けて身軽になれば、急な階段の上り下りもスムーズで、写真撮影や景色も楽しめますね。
松本城天守の見学は靴を脱いで上がる決まりになっています。入口で袋を受け取り、その中に靴を入れて持ち歩きながら各階を巡ります。
ただしスリッパなどの貸出はないため、冬場は床の冷えが直接足に伝わります。寒さが気になる方は厚手の靴下を履く、もしくは靴下を重ねて履くと安心です。室内履きを持参するのも良いでしょう。
ただし、室内履きを持参する場合は注意が必要です。天守内は急勾配の階段が多く、混雑することもあるため、スリッパのように脱げやすいものは危険です。かかとのあるルームシューズなど、靴底が柔らかく脱げにくいものを選ぶと安全に見学できます。
松本城公園内は全面禁煙となっており、指定場所以外での喫煙はできません。喫煙できるのは、公園北西隅に設けられた喫煙所のみです。
観光の中心エリアからはやや離れていますので、喫煙者の方は少し時間に余裕を持って利用しましょう。
松本城は天守や庭園だけでなく、意外と知られていない小さな見どころや楽しみ方がまだまだあります。記念撮影やお土産探し、イベント体験まで、プラスアルファの過ごし方を知っておくと旅の満足度がぐっと高まります。ここからは、訪れた際にぜひチェックしてほしい追加の楽しみポイントをご紹介します。
松本駅から松本城へ向かうと、多くの人は南側の入口から入城します。アクセスしやすいルートではありますが、せっかくなら正門である東側の太鼓門から入ってみるのがおすすめです。
太鼓門は松本城の防御構造「枡形」を体感できる重要なスポットで、城内に足を踏み入れる最初の見どころでもあります。南の入口からでも徒歩2〜3分程度で回り込めるので、少し足を延ばして正門から入城すれば、当時の城の雰囲気をよりリアルに感じられますよ。
本丸庭園には、松本城天守を背景に写真が撮れる大型のフォトフレームが設置されています。フレーム越しに天守を入れて撮影すれば、旅の記念にぴったりの一枚に仕上がります。
家族や友人と並んで撮るのはもちろん、天守のみをフレームに入れる一枚もフォトジェニックでおすすめです。天守見学の前後で、ぜひ天守と一緒に思い出を形にしてみてください。
本丸庭園には売店があり、松本城ならではのオリジナルグッズや信州のお土産を購入できます。キーホルダーやクリアファイル、ポストカードといった定番の記念品はもちろん、日本刀(模造刀)や兜なんてのもあります。他にも、地元の名産品やドリンクなども揃っており、ラインナップは豊富です。
売店は休憩スペースやコインロッカーと同じ場所にあるため、天守見学の後、休憩がてら立ち寄るのにも便利です。ここでしか手に入らないグッズも多いので、ぜひチェックしてみてください。
本丸庭園の南側には、全国城郭管理者協議会に加盟している城の写真がずらりと展示されています。全国各地のお城が一堂に会した光景は、50枚近いパネルが並ぶ圧巻のボリュームです。
展示は天守見学を終えて庭園に戻る導線上にあるため、自然と立ち寄りやすいのも魅力。天守見学後にぜひチェックしてみてください。
松本城では、侍や忍者の衣装をまとった「おもてなし隊」が観光客を迎えてくれます。甲冑姿の侍や黒装束の忍者は、城の雰囲気をぐっと盛り上げてくれる存在です。
彼らに会えるのは、8:30〜16:00 の時間帯。園内を歩いていると突然現れることもあり、出会えたらラッキー。快く一緒に写真を撮ってもらえるので、思い出に残る一枚になること間違いなしです。
家族連れや海外からの旅行者にも人気の体験なので、松本城を訪れた際はぜひ探してみてください。
松本城には、常駐するボランティアガイドによる無料の案内サービスがあります。城内の歴史や見どころを分かりやすく解説してくれるので、自分だけでは気づけないポイントも楽しめます。
案内は日本語のほか外国語にも対応しており、グループはもちろん一人旅でも利用可能です。事前予約が推奨されていますが、ガイドが空いていれば当日の参加も受け付けてもらえます。
受付は松本城南にある事務所にて行われています。詳細や予約については公式サイトを確認してみてください。
ボランティアガイドのご案内 - 松本城松本城では、一年を通して多彩なイベントが開催されており、訪れる季節ごとに違った魅力を体感できます。
春は満開の桜に合わせて天守や堀がライトアップされ、幻想的な夜桜を楽しめます。夏には盆踊りが開かれ、城下町らしい賑やかな雰囲気に包まれます。秋には歴史を感じる火縄銃の演武「松本藩古流砲術演武」が行われ、迫力ある実演を間近で見られるのも見どころです。そして冬には「国宝松本城氷彫フェスティバル」が開催され、氷の芸術作品と天守のコラボレーションが訪れる人を魅了します。
冬のイルミネーション他にも様々なイベントを開催しているため、訪問前に公式サイトでイベント情報をチェックしてみてください。あなたが訪問するときに、何かのイベントが開催されているかもしれません。
イベント情報 - 松本城松本城では、春の桜シーズンなど定番イベント以外にも、不定期で夜間ライトアップが行われることがあります。社会的な記念日や啓発活動に合わせて実施されることが多く、特別な日の象徴として天守が光に包まれる光景はまさに一期一会です。
いつ開催されるかは事前に決まっていないため、出会えたら本当に幸運です。最新のライトアップ情報は公式サイトのお知らせに掲載されるので、訪問前にぜひチェックしてみてください。
お知らせ - 松本城松本城は、国宝の天守をはじめ、堅固な防御構造や御殿跡の歴史、四季を彩るイベントや風景など、多彩な魅力にあふれています。歩くたびに新しい発見があり、どの季節に訪れても違った表情を見せてくれるのが大きな魅力です。
水面に映る天守や日本らしい庭園といったフォトジェニックな景観は、歴史好きでなくても松本城を楽しめる大きなポイントです。
ぜひあなたも、松本城でしか味わえない歴史と文化の物語に触れてみてください。