ビットコイン半減期とは?基礎から最新動向まで
ビットコインの半減期は、価格に影響を与える可能性がある重要なイベントです。
2024年4月に4回目の半減期が完了し、次回は2028年頃に予定されています。
この記事では、半減期の仕組みから過去4回の価格推移、そして2028年の5回目半減期に向けた見通しまで、最新情報をもとに解説します。
ビットコインの半減期とは
ビットコインの半減期(Halving)は、マイニング報酬が半分になるイベントです。約4年ごと(21万ブロックごと)に発生します。
半減期の仕組み
ビットコインは、マイニングによって新規発行されます。マイナーがトランザクションを検証し、新しいブロックをブロックチェーンに追加すると、報酬としてビットコインが与えられます。
この報酬が約4年ごとに半減する設計になっています。
| 時期 | ブロック報酬 |
|---|---|
| 2009年 〜 2012年 | 50 BTC |
| 2012年 〜 2016年 | 25 BTC |
| 2016年 〜 2020年 | 12.5 BTC |
| 2020年 〜 2024年 | 6.25 BTC |
| 2024年 〜 2028年 | 3.125 BTC |
| 2028年〜 | 1.5625 BTC(予定) |
なぜ半減期があるのか
半減期は、ビットコインの希少性を高める仕組みです。
- 最大供給量は2,100万BTCに固定
- 新規発行量を段階的に減らすことでインフレを抑制
- 全33回の半減期を経て、2140年頃に新規発行が終了
金(ゴールド)と同様に、供給が限られることで価値の保存手段としての特性を持つとされています。
【2024年完了】4回目の半減期まとめ
2024年4月、ビットコインは4回目の半減期を迎えました。
4回目半減期の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生日 | 2024年4月19日(UTC)/ 4月20日(日本時間) |
| ブロック番号 | 840,000 |
| 報酬変更 | 6.25 BTC → 3.125 BTC |
| 半減期時の価格 | 約$64,000 |
4回目の特徴:史上初の「半減期前」最高値更新
4回目の半減期には、過去3回とは異なる特徴がありました。
史上初めて、半減期の前に最高値を更新したのです。
2024年3月、ビットコインは約$73,000の史上最高値を記録。これは半減期の約1ヶ月前のことでした。
チャートで注目すべきポイント:
- 2024年1月: 米国でビットコイン現物ETFが承認。機関投資家の資金流入が始まる
- 2024年3月: 史上最高値(約$71,000)を更新。半減期の約1ヶ月前
- 2024年4月: 4回目の半減期。報酬が6.25 BTC → 3.125 BTCに
- 2024年11月: 大統領選後に急騰し、$96,000を突破
なぜ半減期前に高騰したのか
主な要因はビットコインETFの承認です。
2024年1月、米国証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物ETFを承認。これにより、従来の金融市場から大量の資金がビットコインに流入しました。
ETF効果と半減期への期待が重なり、半減期前に大きく上昇しました。
4回目半減期後の動向
半減期直後は、過去の事例と同様に「瞬間的な高騰」は発生しませんでした。
しかし、2024年11月の米大統領選でトランプ氏が当選すると、暗号資産に好意的な政策への期待から急騰。ETFを通じた機関投資家の参入と相まって、市場の成熟度は大きく向上しています。
次の半減期はいつ?【5回目・2028年予想】
5回目半減期の予想時期
| 項目 | 予想 |
|---|---|
| 発生時期 | 2028年頃(具体的な月は未確定) |
| ブロック番号 | 1,050,000 |
| 報酬変更 | 3.125 BTC → 1.5625 BTC |
ブロック生成時間の変動により、正確な日付は近づくまで確定しません。
専門家の価格予想
2028年の半減期に向けて、複数の専門家が価格予想を発表しています。
| 専門家・機関 | 予想価格 | 時期 |
|---|---|---|
| Bitwise(マット・ホーガンCIO) | $250,000超 | 2028年半減期まで |
| CryptoCon | $180,000 | 2025年 |
| Fidelity(ティマー氏) | $1,000,000 〜 $10,000,000 | 2030年 |
これらはあくまで予想であり、市場状況によって大きく変動する可能性があります。
過去の半減期一覧と価格推移
過去4回の半減期における価格の動きを振り返ります。
1回目の半減期:2012年11月28日
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 報酬変更 | 50 BTC → 25 BTC |
| 半減期時の価格 | 約$12 |
| 1年後の最高値 | 約$1,150(2013年12月) |
| 上昇率 | 約95倍 |
チャートで注目すべきポイント:
- 2012年11月: 1回目の半減期。報酬が50 BTC → 25 BTCに
- 2013年4月: 初の$100超え
- 2013年11〜12月: 急騰し$948に到達(半減期から約1年後)
- 2014年: Mt.Goxハッキング事件で下落、ベア相場へ
初めての半減期で、ビットコインの希少性が注目されるきっかけとなりました。
2回目の半減期:2016年7月9日
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 報酬変更 | 25 BTC → 12.5 BTC |
| 半減期時の価格 | 約$650 |
| 1年半後の最高値 | 約$19,700(2017年12月) |
| 上昇率 | 約30倍 |
チャートで注目すべきポイント:
- 2016年7月: 2回目の半減期。報酬が25 BTC → 12.5 BTCに
- 2017年1月: $1,000を突破
- 2017年後半: ICOブームと機関投資家の参入で急騰
- 2017年12月: 約$19,700の史上最高値(半減期から約1年半後)
- 2018年: バブル崩壊で下落
半減期直後に瞬間的な高騰はありませんでしたが、その後じわじわと上昇を続けました。
3回目の半減期:2020年5月11日
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 報酬変更 | 12.5 BTC → 6.25 BTC |
| 半減期時の価格 | 約$8,700 |
| 1年後の最高値 | 約$68,000(2021年11月) |
| 上昇率 | 約7.8倍 |
チャートで注目すべきポイント:
- 2020年3月: コロナショックで$6,400まで急落
- 2020年5月: 3回目の半減期。報酬が12.5 BTC → 6.25 BTCに
- 2020年末: 機関投資家の参入で$19,000を突破
- 2021年4月: $64,000に到達(半減期から約1年後)
- 2021年11月: 史上最高値$68,000(半減期から約1年半後)
- 2022年: 金融引き締めで下落
半減期後は横ばいが続き、約2ヶ月半後の7月に上昇が始まりました。その後、2021年にかけて大きく上昇しました。
4回目の半減期:2024年4月20日
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 報酬変更 | 6.25 BTC → 3.125 BTC |
| 半減期時の価格 | 約$64,000 |
| 半減期前の最高値 | 約$73,000(2024年3月) |
| 特徴 | 史上初の半減期前最高値更新 |
チャートで注目すべきポイント:
- 2024年1月: 米国でビットコイン現物ETFが承認
- 2024年3月: 史上最高値(約$71,000)を更新。半減期の約1ヶ月前
- 2024年4月: 4回目の半減期。報酬が6.25 BTC → 3.125 BTCに
- 2024年11月: 大統領選後に急騰し、$96,000を突破
ビットコインETF承認の影響で、過去の半減期とは異なるパターンを示しました。
過去4回の比較まとめ
| 回 | 年 | 半減期時価格 | その後の最高値 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2012 | 約$12 | 約$1,150 | 初の半減期、認知度向上 |
| 2 | 2016 | 約$650 | 約$19,700 | じわじわ上昇 |
| 3 | 2020 | 約$8,700 | 約$68,000 | コロナ禍での上昇 |
| 4 | 2024 | 約$64,000 | 約$73,000(半減期前) | ETF効果で事前高騰 |
半減期が価格に与える影響
半減期がビットコイン価格に与える影響を整理します。
価格上昇の理論
半減期で価格が上昇するとされる理由は、需要と供給の原則に基づいています。
- 新規供給量が半減 → 希少性が高まる
- 需要が変わらなければ → 価格は上昇する
ただし、これは市場がすでに半減期を「織り込み済み」でない場合に限ります。
過去の傾向
過去4回の半減期から見える傾向:
- 瞬間的な高騰は起きなかった - 半減期当日に急騰することはなかった
- 過去は中長期で上昇傾向だった - 半減期後12ヶ月以内に上昇する傾向があった
- 市場環境に左右される - 半減期以外の要因(ETF、規制、マクロ経済)も大きく影響
注意点
半減期は価格上昇を保証するものではありません。
- 過去の実績は将来を保証しない
- 市場の成熟により、半減期効果は徐々に小さくなる可能性
- 他の要因(規制強化、ハッキング事件など)で下落することもある
よくある質問(FAQ)
Q. ビットコインの半減期はいつ起きる?
約4年ごと(21万ブロックごと)に発生します。直近では2024年4月に4回目が完了し、次回は2028年頃に予定されています。
Q. 半減期で価格は必ず上がる?
過去4回はすべて中長期的に上昇しましたが、保証はありません。半減期以外の市場要因も大きく影響します。
Q. 次の半減期まで待つべき?
投資判断は個人のリスク許容度によります。半減期の前後は価格が変動しやすい傾向があるため、リスクを十分に理解した上で判断してください。
Q. 全部で何回の半減期がある?
全33回です。最後の半減期は2140年頃に発生し、その後は新規発行が終了します。最大供給量の2,100万BTCに達するのもこの頃です。
Q. 半減期後、マイナーは採算が取れなくなる?
報酬が半減するため、効率の悪いマイナーは撤退する可能性があります。しかし、価格上昇や取引手数料収入により、効率的なマイナーは継続して採算を維持できます。
まとめ
ビットコインの半減期について、重要なポイントをまとめます。
- 半減期とは: マイニング報酬が約4年ごとに半減するイベント
- 2024年4月: 4回目の半減期が完了、報酬は3.125 BTCに
- 2024年の特徴: ビットコインETF承認により、史上初めて半減期前に最高値を更新
- 次回2028年: 5回目の半減期、報酬は1.5625 BTCになる予定
- 過去の傾向: 過去は瞬間的な高騰はなく、中長期で上昇する傾向があった
- 注意点: 過去の実績は将来を保証しない。市場環境を総合的に判断することが重要
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半減期は重要なイベントですが、投資判断は慎重に行いましょう。
※この記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的としたものではありません。暗号資産への投資は元本を失うリスクがあります。投資判断はご自身の責任で行ってください。