
- 松山から四国カルストへ車・バイクで行くには?2ルートの違いと選び方
- 松山市から四国カルストへ車・バイクで行く2ルートを徹底比較。最短ルートと安全ルート、それぞれの特徴や注意点、分岐地点まで詳しく解説します。
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四国の中央部に広がる高原地帯、四国カルスト。
訪れた人が「ここは本当に日本なのか」と驚く絶景が広がる、“天空の楽園”とも呼ばれる場所です。
本記事では、そんな四国カルストの魅力と楽しみ方を、立ち寄りスポットや宿泊施設、アクセス手段まで含めてわかりやすく紹介します。
四国カルストは、愛媛県(上浮穴郡久万高原町)と高知県(高岡郡津野町)の県境に位置する、標高約 1,400m の高原地帯です。
広大な草原に点在する白い石灰岩、その先まで見渡せる水平線のような稜線。こうした非日常的な風景から、“日本のスイス”とも称されるほどの絶景スポットとして知られています。
この地の起源は、なんと 2 億年以上前の海底にあります。海中に堆積した石灰質の地層が、地殻変動によって隆起し、長い年月をかけて雨や風に浸食されたことで、現在のような独特のカルスト地形が生まれました。
カルスト地形ならではの見どころとしては、次のようなものがあります。
こうした地質条件が、水はけのよい広大な草原を生み、放牧や多様な植生にもつながっています。
四国カルストの草原には牛がいるのですが、まさにこの草原を活かした放牧が行われているからです。地元の畜産業としてだけでなく、草原の維持や景観保全にも役立っており、四国カルストの風景に欠かせない存在となっています。
夏には草を食む牛の姿が各所で見られ、静かでのびやかな風景をつくり出しています。
四国カルスト最大の魅力は、視界いっぱいに広がるこの雄大な風景です。石灰岩が点在する独特の地形と澄み切った空が織りなす光景は、季節や時間帯によって異なる表情を見せてくれます。
昼は放牧風景やなだらかな丘陵が広がり、夕方には水平線のような稜線に太陽が沈んでいきます。風が渡る音とともに、ここでは時間がゆっくりと流れていきます。
夜になると、標高の高さと光害の少なさから、満天の星空が広がります。天の川や流れ星が見えることもあり、星々に包まれる静かなひとときは、まさに四国カルストでしか味わえない贅沢な体験です。
自然に囲まれるというより、自然の中に“溶け込む”ような感覚。それが、四国カルストならではの体験です。
四国カルストでは、絶景を眺めるだけでなく、現地での過ごし方も多彩です。風景を間近に楽しめる高原散策から、ドライブやサイクリング、食事、宿泊まで。訪れる人のスタイルに応じた体験が揃っています。
四国カルストには、最大の魅力である絶景を間近で体感できるスポットが点在しています。
実際に歩いて、立ち止まって、風を感じながら、この地のスケールの大きさと美しさを全身で体感できます。
四国カルストらしい風景美を象徴する場所のひとつが五段高原です。
石灰岩が露出した「カレンフェルト」や、なだらかに広がる草原、カルスト特有の地形が連なる景色は、まさに“どこを切り取っても絵になる”風景。視界を遮るものが一切ないため、カメラを手にした瞬間からシャッターチャンスに恵まれます。
また、五段高原は訪れる時間によっても印象が大きく変わるスポットです。朝には柔らかな霧に包まれ、昼には力強い日差しが岩肌を際立たせ、夕方には草原が黄金色に染まります。天候や季節によっても多彩な表情を見せてくれる、自然のギャラリーのような場所です。
四国カルストの東端に位置する天狗高原は、車で訪れるだけでなく、徒歩でもじっくりと巡ることができるスポットです。最寄りの駐車場から整備された遊歩道を歩いていくと、草原の中を散策するような贅沢な時間が味わえます。
2022年夏には、天狗高原駐車場から「見晴らし台」までの遊歩道が舗装され、より快適にアクセスできるようになりました。見晴らし台までは徒歩 5 分ほど。屋根付きの休憩所が設けられており、東屋からは天狗高原全体を見渡すことができます。
さらにその先へ足を延ばすと、カルストの大地が広がる展望台にもアクセス可能。草原を吹き抜ける風を感じながら、散策路を歩く体験は、車やバイクでは味わえない“もうひとつの四国カルストの楽しみ方”です。
四国カルストの東には、森林に囲まれた「天狗の森」があります。
日本全国には、生理・心理実験によって癒しの効果が実証され、森林セラピーに適した道として認定された「セラピーロード」という遊歩道が存在しており、ここ天狗の森も「天狗高原セラピーロード」として認定されています。
ヒノキのチップが敷き詰められ、ゆったりと散策できる遊歩道が整備されており、森林の中を散策することができます。
抜けるような青空とどこまでも広がる大草原から一転、木漏れ日が差し込む遊歩道を歩けば、風の音や鳥のさえずり、木々の香りが心と体を癒してくれます。
ガイドも手配できる他、前日までに予約すれば「セラピー弁当」を用意してくれ、自然の中で特別な食事も楽しむことができます。
天空の爽回廊・四国カルスト天狗高原自然休養林|四国カルスト天狗高原 セラピーロード案内人
「天空の道」と呼ばれる県道 383 号線は、四国カルストの魅力を象徴する絶景ルートです。尾根伝いに続く道を進むと、左右に広がる草原と空の開放感が一気に視界を満たし、標高の高さとあいまって、まるで空の上を走っているかのような感覚に包まれます。
道沿いには、風になびく草原、石灰岩の白い岩肌、のびやかに歩く牛たちの姿が点在し、次々と風景が移り変わっていくのも楽しみのひとつ。晴れた日には、遠く石鎚山系の稜線まで見渡せるほどの眺望が広がります。
天空の道ドライブでの”空の上を走っているかのような感覚”を、以下の動画で感じてみてください。
また、現地ではレンタルサイクルも提供されており、天空の道を楽しむことができます。高原の風を直接肌で感じながらのサイクリングは、より一層自然との一体感を味わえるアクティビティです。
E-BIKE(スポーツ型電動アシスト付き自転車)の用意もあり、体力に自信のない人でも気軽にサイクリングを楽しめるのも嬉しいポイントです。
景色を楽しんだあとは、やっぱり美味しいものが恋しくなる。四国カルストには、絶景を眺めながら食事やカフェタイムを満喫できるスポットがそろっています。ここでは、お腹も心も満たされる“ごちそう時間”をご案内します。
観光の合間にゆっくり食事を楽しみたいときは、「姫鶴荘」のレストランが便利です。定食や丼もの、カレーなどのメニューがそろい、気軽に利用できます。
バーベキューは窓際の席で風景を楽しみながら味わえるスタイルで提供されています(要予約)。天候に左右されず、景色とともに食事ができるのが魅力です。
レストラン内はガラス張りの開放的な空間で、目の前に草原が広がる絶景を眺めながらの食事が楽しめます。観光の休憩やランチタイムにぴったりのスポットです。
メニュー名 | 価格 |
---|---|
エビフライ定食 | 1,500円 |
とんかつ定食 | 1,400円 |
唐揚げ定食 | 1,350円 |
アマゴフライ定食 | 1,250円 |
チキンカツカレー | 1,150円 |
アマゴフライカレー | 1,150円 |
カレーライス | 900円 |
牛丼 | 900円 |
牛カルビ丼 | 900円 |
肉うどん | 850円 |
きつねうどん | 850円 |
メニュー名 | 価格 | 内容 |
---|---|---|
バーベキューセット | 3,000円 | 牛肉(200g)、ソーセージ、4種の野菜、ご飯 |
姫鶴平の草原で2020年に誕生したトレーラー型のオープンエアカフェ。ハンドドリップコーヒーや高原牛乳たっぷりのカフェオレを、360°広がる絶景の中で味わえます(マイカップ持参で割引あり)。
コーヒーやカフェオレがとても美味しい上に、絶景を眺めながら大自然の中で味わえるというとても贅沢な時間。四国カルストに来たら必ず寄りたいスポットです。
天狗高原にある「カルストテラス」は、展示、休憩、軽食、体験が一体になった複合施設です。かつての「カルスト学習館」がリニューアルされ、現在は無料で見学できる自然学習施設として親しまれています。
館内では、四国カルストの成り立ちや地形の特徴(カレンフェルト・ドリーネ)、高山植物や野生動物の生態などを、パネル・標本・映像で学べます。小さな子どもから大人まで楽しめる内容で、天候に左右されず過ごせる場所としても便利です。
建物に併設されたテラスからは、晴れた日には室戸岬や足摺半島まで見渡せる大パノラマが広がります。風を感じながらソフトクリームやドリンクを楽しめるカフェスペースもあり、心地よいひとときが過ごせます。
四国カルストでは、絶景を楽しむだけでなく、その風景の中で夜を迎えるという贅沢な体験も叶います。満天の星空の下、自然の音に包まれて過ごすひとときは、日常を忘れさせてくれる特別な時間。宿泊スタイルもキャンプからコテージ、ホテルまで一通り揃っています。
夕食と朝食の食事付きで、落ち着いた室内と大きな窓からの眺望が魅力の宿泊施設です。コスパの良さが評価されています。
姫鶴荘の敷地内にあるコテージタイプの宿泊施設で、5〜7名まで宿泊可能。キッチンやユニットバスを備えており、家族やグループでの滞在に便利です。雄大な自然に囲まれながら、プライベートな時間をゆったりと過ごせます。
広大な草原にテントを張って泊まるキャンプ場。日中は草原の風を感じ、夜は星空の下で焚き火を囲む時間が楽しめます。
天狗高原にあるリゾートホテルで、ゆったりとした客室や地元食材を使った料理、さらにはプラネタリウムまで備えた施設。自然を満喫しながらも快適に滞在したい方におすすめです。
四国カルストの主要観光エリアは、西端の姫鶴荘から東端にある星ふるヴィレッジ TENGU までの約 4.5km が観光のメインエリアです。ここを通る道が天空の道と言われる県道383号線で、主なドライブコースとなっています。
沿道にはこれまで紹介してきた、五段高原や天狗高原といった絶景ポイントに加え、宿泊施設やカフェ、キャンプ場、天狗の森(セラピーロード)など、多彩な立ち寄りスポットが点在しています。
天空の道をドライブするだけなら 10 分程度の距離です。天空の道では、ところどころに駐車場が設置されていますので、そこに駐車して、気になった風景を撮影したり、各絶景スポットの遊歩道を歩いてみたりできます。
スポット名 | カテゴリ | 備考 |
---|---|---|
姫鶴荘 | 宿泊施設・レストラン | レンタルサイクルもここで受付 |
カルスト珈琲 | カフェ | 絶景を眺めながら美味しいコーヒー |
姫鶴平キャンプ場 | キャンプ場 | |
五段高原 | 絶景ポイント | 遊歩道有り |
天狗高原 | 絶景ポイント | 遊歩道有り |
カルストテラス | 展示・カフェ | |
星ふるヴィレッジ TENGU | 宿泊施設 | プラネタリウムも備える |
天狗の森 | セラピーロード | 遊歩道あり |
四国カルストは、車やバイクなど、基本的にマイカーまたはレンタカーでのアクセスが前提となるエリアです。公共交通機関による直接のアクセスはなく、最寄りのバス停からも距離があるため、徒歩や自転車での移動は現実的ではありません。
安全かつ快適に楽しむためにも、訪れる際は車またはバイクでのアクセスを前提に、事前にルートをチェックして、万全の準備で訪れてください。
松山市内から四国カルストに行く方法について詳しく見る
視界いっぱいに広がる草原と空。四国カルストの一番の魅力は、この圧倒的な風景にあります。
一面に広がる草原や、先の山々まで見渡せる眺望を楽しんだり、石灰岩がむき出しになったカレンフェルトを見て回ったり。見晴らしの良い景色を楽しみながらのバーベキューも最高の時間になるはずです。
一泊して満点の星空を眺めるのもおすすめ。四国カルストの星空は、標高の高さと澄んだ空気が生み出す天然のプラネタリウム。静けさに包まれて星を眺める時間は、非日常の特別な体験になること間違いなしです。
四国カルストへのアクセスは、基本的にマイカーやレンタカーが必要です。しかしその分、ドライブそのものがこの地の大きな楽しみのひとつ。天空の道と呼ばれる県道383号線を走る爽快感は、他では味わえない特別な体験です。
絶景と出会い、心ほどける。“天空の楽園”を体験しに、四国カルストへ足を運んでみてください。