
- 徒歩で巡れる!広島市内おすすめ人気観光スポットまとめ|半日で名所を巡るモデルコース
- 広島市内を徒歩だけで巡る効率的な半日観光コース。平和記念公園から縮景園まで、広島の歴史・平和・文化・自然を体感できる6つの人気スポットを時間配分付きで紹介。
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広島の街並みを見渡すとき、誰もが目にする威風堂々とした姿。それが広島城です。その黒と白のコントラストが美しい天守閣は、街のシンボルとして私たち市民に親しまれ、世界中から観光客が訪れます。
実はいま、この広島城は大きな転換期を迎えています。天守閣は 2026 年 3 月 22 日で閉館が決定。耐震基準の問題から、現在の天守閣は木造復元という新たな挑戦に向かおうとしています。
とはいえ、広島城の魅力は天守閣だけではありません。鯉が優雅に泳ぐお堀、原爆の痕跡を今に伝える石垣、江戸時代の武家文化を今に伝える展示の数々。400年以上の歴史を持つこの城には、まだまだ知られざる見どころがたくさん眠っています。
この記事では、私が何度も足を運んで発見した広島城の魅力を、できるだけ詳しくお伝えしていきます。
広島城は、広島県広島市中区にある日本の城です。1589年に戦国時代の武将、毛利輝元によって築かれ、1958年に復元。現在、天守閣は博物館として公開されています。
区分 | 料金 |
---|---|
大人 | 370円 |
シニア(65歳以上) | 180円 |
高校生 | 180円 |
中学生以下 | 無料 |
広島城観光のクライマックスといえば、天守閣です。広島のシンボルとして、広島城を観光するほとんどの人がここを訪れます。
広島城の天守閣は、焼杉と漆喰のコントラストが美しいのが特徴です。天守閣は 5 層 5 階建て。高さは約 40m。内部は博物館となっており、最上階は展望台になっています。
天守閣入口で入場チケットを購入し、天守閣内へ入ります。
天守内にエレベーターはなく、全て階段で上がる必要があります。
1 階から 4 階までの展示では、当時の武家文化を再現した展示や、侍の刀や鎧が展示されており、広島城反映の歴史とその文化財を楽しむことができます。
なお、展示は撮影禁止の箇所も多いのでご注意ください。
階層 | 展示 | 内容 |
---|---|---|
1階 | 常設展示「広島城の成立と役割」 | お城の歴史と仕組み。模型で見る築城の様子 |
2階 | 常設展示「城下町広島のくらしと文化」 | 江戸時代の街並みと暮らし。映像や復元建物で体験 |
3階 | 常設展示「甲冑・刀剣など」 | 広島ゆかりの武具・刀剣展示室 |
4階 | 企画展示 | 期間限定の特別展示(スケジュール) |
5階 | 展望室 |
天守閣最上階にある展望室からは、市街地のビル群や広島平和記念公園、遠くにそびえる山々まで、広島市内を一望できます。
展望室はコンパクトなため広さこそありませんが、広島市内を 360 度のパノラマで見渡すことができ、現代の高層ビル群、歴史ある街並み、そして城下の豊かな緑が混ざりあった広島の都市景観を一望できることが最大の魅力です。
広島城は別名「鯉城(りじょう)」と呼ばれています。これは、広島城のお掘りに鯉がたくさん泳いでいたことからその名がついたとされていますが、現在の広島城にも、しっかりたくさんの鯉たちが泳いでいます。
この鯉たち、こちらのことを認識できているのか、私たちが近づくと向こうも寄ってきます。是非彼らとのコミュニケーションを楽しんでください。お掘りには柵がありませんので、落ちないようにだけ、気を付けてくださいね。
表御門(おもてごもん)は、広島城の正面入口にある門です。
表御門は広島城の正面玄関として機能した重要な門で、二の丸から本丸へ入る際の主要な出入り口でした。木造二階建ての壮大な櫓門で、広島城の威厳を示す建築物の一つです。
城の表玄関は要人を迎えます。その際に城の威厳を示すため表門は立派な造りになっていることが定石ですが、広島城の表御門も例に漏れず、威厳を感じます。
表御門の中にも入ることができます。表御門からは、二の丸を見渡すことができます。
こちらは反対側。先程渡ってきた表御橋が見渡せます。敵の侵入を監視できる役割も兼ね備えています。
天井にも立派な木材が使用されている他、これらの木組み、構造も精密で迫力があります。
日本の城の表門は、現代の役割は門だけにあらず。壮大な造りはその内部も楽しめますので、是非素通りせずに立ち寄ってみてくださいね。
二の丸は、表御門を抜けた先にある区域です。ここには、平櫓、太鼓櫓、多聞櫓があります。(厳密には表御門も二の丸の構成要素です)
これらの櫓も原子爆弾によって石垣を残し消滅してしまいましたが、1991年に復元されました。
現在はこれらの櫓は全て開放されており、無料で内部に入ることができます。
櫓の中は長い一本の廊下になっており、重厚感のある構造美を楽しめる他、様々な展示も行われていますので、広島城に来たら必ず立ち寄りたいスポットの一つです。
廣島護国神社は、戦争で亡くなった方々の霊を慰め、平和を祈るための神社です。二の丸を抜けた先にあります。つまり、広島城の中に神社があります。
広島護国神社は、1868年(明治元年)に創建されました。当初は戊辰戦争で命を落とした広島藩士たちを祀るためのものとして設立され、その後、国家のために命を捧げたすべての人々を祀る護国神社となりました。明治維新以降の戦争や災害で亡くなった方々、およそ 9 万柱の英霊が祀られています。
広島大本営は、日清戦争(1894年〜1895年)の際に設置された日本の最高軍事指揮所です。原子爆弾によってで倒壊してしまったため、現在は基礎部分のみを残すところとなっています。第二次世界大戦時には既に使用されていなかったということです。
広島城には、原子爆弾による火災で変色してしまった石垣がそのまま保存されています。
私は日本全国の城を巡っていますが、この衝撃的な光景は広島城だけです。あの日の石垣が今もこうしてここに立っている。どこか憂いを含み、けれども力強く。
これらの石垣は、二の丸を抜けてすぐのところで見られますので、是非立ち止まってこの石垣たちの声に耳を傾けてみてください。
2025年3月29日、広島城三の丸エリアに新たな商業施設「広島城三の丸」がオープンしました。ここでは、広島の伝統や文化を学びながら、地元グルメや体験型アクティビティも楽しめる複合施設として整備されています。お城を眺めながら本格的な鰻やお好み焼きを味わったり、弓道や茶道など日本文化を気軽に体験したりと、食べて、遊んで、学んで、五感で楽しめる場所になっています。
店舗名 | 説明 |
---|---|
炭火焼 鰻のうな輝 広島店 | 名古屋のひつまぶしの技法を取り入れた本格的な鰻料理店。 |
三の丸 八昌 | 広島のお好み焼きの名店「八昌」の新店舗。 |
SOKO CAFÉ(そうこ カフェ) | 武家茶道・上田宗箇流が監修するカフェで、茶道文化をカジュアルに体験。 |
ひろしま IPPIN | 広島県内の特産品や工芸品、約600点を取り揃えるセレクトショップ。 |
広島城 射楽 | 弓道体験ができるミニ弓道場。 |
今回は第一期エリアのオープンということで、さらに 2026 年秋頃には「広島城三の丸歴史館」の開業を含む「第二期エリア」もオープンする予定。第二期の整備により、広島城三の丸エリアは、歴史・文化の学びと体験、そして食やショッピングを楽しめる、より魅力的な観光スポットへと進化します。これからの広島城にも目が離せません。
名称 | 広島城三の丸 |
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営業時間 | 10:00 ~ 18:00(店舗によって異なる) |
所在地 | 広島県広島市中区基町21-7-2 |
公式サイト | https://sannomaru.hiroshimacastle.jp/ |
インスタグラム | @hiroshima_castle |
現在の広島城天守閣は、1958年に鉄筋コンクリートで再建された建物ですが、老朽化と耐震性の問題から2026年3月22日をもって閉館される予定です。
その後、広島市は**かつての姿を再現する「木造復元」**を計画しています。復元工事の具体的な時期はまだ決まっていませんが、文化庁への申請や設計準備などを進めたうえで、着工される予定です。復元工事は、数年から十年程度を要する見込みです。
天守閣内は資料館となっており刀や鎧など沢山の資料が展示されていますが、これらは 2026 年秋ごろオープン予定の「広島城三の丸歴史館」に移され展示される予定です。
「広島城が閉まる?」 老朽化による雨漏り、耐震問題… 約43万人が訪れる観光資源に“木造復元”の可能性|FNNプライムオンライン
さて、広島城の見どころをご紹介しましたが、ここで広島城の歴史についてもご紹介します。
広島城は、1589 年、毛利輝元によって築かれました。当時の広島は新興の街でしたが、この城の築城をきっかけに、城下町として大きく発展していきました。
江戸時代に入ると、浅野家の居城となり、約 250 年もの間、広島藩の政治と文化の中心として栄えました。城の周りには堀が巡らされ、その堀に多くの鯉が泳いでいたことから「鯉城(りじょう)」という愛称で親しまれるようになりました。
明治時代になると、廃城令で多くの城が取り壊される中、広島城は陸軍の施設として利用され、建物が守られました。しかし、1945 年 8 月 6 日の原子爆弾により、天守閣は完全に崩壊してしまいました。
戦後、広島の復興のシンボルとして、1958 年に天守閣が再建されました。現在の天守閣は鉄筋コンクリート造りですが、外観は築城当時の姿を忠実に再現しています。
今では広島の街を見守り続けてきた歴史の証人として、また、市民の憩いの場として、多くの人々に愛されています。天守閣内は博物館となっており、城と広島の歴史を学ぶことができる貴重な文化施設となっています。
広島城へ車で広島城へ行く場合、広島城には駐車場がないため近隣のコインパーキングに駐車する必要があります。
最も近くお得なのは、広島城南にある広島市中央駐車場です。広島市中央駐車場に駐車し天守閣へ入場すると、駐車料金が 30 分無料になります。天守閣のミュージアムショップ窓口で駐車券を提示すると、駐車料金サービス券がもらえます。
項目 | 内容 | |
---|---|---|
営業時間 | 6:30 〜 25:00 | |
駐車料金 | 自動車 | |
時間帯 | 料金 | |
6:30 〜 25:00 | 210円/30分 (1日最大1,600円) | |
25:00 〜 6:30 | 500円 | |
バイク | ||
時間帯 | 料金 | |
終日 | 250円/1日 | |
収容台数 | 300台 | |
所在地 | 〒730-0011 広島県広島市中区基町 2 |
広島市中央駐車場は地下駐車場になっており、東側に出入り口があります。
30分無料については公式サイトでもアナウンスされています。
広島城が見守ってきた400年以上の歴史には、平和な時代も、苦難の時代もありました。1945年、原子爆弾によって一度は姿を消した天守閣。けれども、広島の街と共に立ち上がり、今や平和のシンボルとして多くの人々に愛されています。
いま私たちが目にする天守閣は、広島の復興と共に歩んできた生き証人です。その黒と白のコントラストが美しい姿は、広島の街を見守り続け、世界中の人々をも魅了し続けています。
天守閣の木造復元計画は、新たな時代への挑戦であり、広島城の歴史に刻まれる大きな出来事となるでしょう。一度去就が決まれば、工事期間中は天守閣への入場ができなくなります。これは早くて数年、長くて十年とも言われています。そのため、今の広島城、特に天守閣内部の展示や360度のパノラマビューを楽しめる展望室への訪問をお勧めします。
また、お堀で悠然と泳ぐ鯉たちの姿や、原爆の痕跡を今に伝える石垣など、広島城には天守閣以外にも見どころが満載です。歴史好きの方は、各櫓に展示された武具や古文書にじっくりと時間を使うことをお勧めします。鯉城と呼ばれる由縁となったお堀では、鯉たちとの触れ合いも楽しめますよ。
江戸時代から続く石垣の上に立つ広島城。その威風堂々とした姿は、これからも広島の街のランドマークとして、そして平和の象徴として、私たちを見守ってくれるはずです。
歴史と共に、平和への思いを秘める、特別な城。広島城へ足を運んでみてください。