加賀百万石の城『金沢城』見どころガイド|前田家三百年の栄華、圧巻の石垣と白壁の城郭

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加賀百万石の城『金沢城』見どころガイド|前田家三百年の栄華、圧巻の石垣と白壁の城郭

前田家三百年の居城へ。金沢城の見どころを紹介

江戸時代、加賀・能登・越中の三か国を治めた前田家。その居城が、金沢城です。

三百年のあいだ、歴代の藩主が手を入れ、幾度もの火災のたびに建て直してきました。

その営みは、いまも続いています。二の丸では、明治の火災で失われた御殿の復元工事が進んでいます。

築かれて四百年、いまも姿を変えつづける城。金沢城の見どころを紹介します。

金沢城

金沢城

金沢城は、石川県金沢市にある、加賀藩前田家の居城跡です。国の史跡に指定されており、城跡は「金沢城公園」として無料で開放され、園内の建物や庭園を巡ることができます。

金沢城 基本情報
項目内容
名称金沢城公園(かなざわじょうこうえん)
開園時間3月1日 〜 10月15日:7:00 〜 18:00
10月16日 〜 2月末日:8:00 〜 17:00
※夜間開園日は21:00まで
定休日年中無休
入園料無料
観覧料菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門:大人(18歳以上)¥320/小人(6 〜 18歳未満)¥100
観覧時間 9:00 〜 16:30(最終入館16:00)
天守閣なし
電話番号076-234-3800
所在地〒920-0937 石川県金沢市丸の内1番1号
アクセスJR金沢駅兼六園口(東口)バスターミナルからバスで約15分、「兼六園下・金沢城」下車、石川門口まで徒歩約5分
日本100名城スタンプ石川門入口休憩所(総合案内所)
公式サイトhttps://shiro-niwa.pref.ishikawa.lg.jp/kanazawa-castle/

金沢城の広さと所要時間

芝生広場から眺める金沢城の五十間長屋と白壁

金沢城公園の広さは約30ヘクタール、サッカーコート約42面分の広さです。とても広いため、見どころを予め抑え、何を見るかを予め決めて、効率的に見て回るのがおすすめです。

金沢城公園の主要スポットを示した案内マップ

所要時間は、さらっと散歩程度の散策なら60分程度、見どころをしっかり見て回るなら2時間程度見ておきましょう。それなりに歩くため、履き慣れた疲れにくい靴、そして、各スポットで靴を脱ぐ場面もあるため、脱ぎ履きしやすい靴がおすすめです。

石川門

金沢城公園の石川門口の位置を示した地図 桜が咲く石川橋から見た金沢城の石川門

金沢城観光の正面玄関といえるのが石川門です。金沢城公園は広いため入り口が5箇所設けられていますが、金沢城観光を王道で楽しみたいなら石川門から入城しましょう。

兼六園の正面入り口である桂坂口と道路を挟んで向かい合っているため、周囲には土産店や飲食店も多く、最も賑やかです。

石川門口周辺に並ぶ飲食店と桜並木 石川門口近くの土産店と桜を眺める観光客

門自体は金沢城に残る建物のなかで最も古く、国の重要文化財に指定されています。

石垣と白壁に囲まれた金沢城の石川門

4月〜11月の土曜・日曜、行楽期などで石川門の内部が公開されており、実際に内部を見学することができます。(無料)

重要文化財の特別公開 | 金沢城公園

五十間長屋

金沢城公園の五十間長屋の位置を示した地図 長く伸びる金沢城の五十間長屋の外観

五十間長屋は、菱櫓と橋爪門続櫓をつなぐ、総延床面積およそ1,900平方メートルの巨大な多聞櫓です。間近でみると大迫力!長く伸びる海鼠壁の櫓が圧巻です。

五十間長屋の入口へ続くスロープと海鼠壁

外観だけでなく、内部に入ることができます。元々は武器などを納めていた建物で、1881年(明治14年)の火災で失われた後、2001年(平成13年)に復元されました。館内では、太い柱と梁(はり)を組み上げた造りや、堀を見下ろす石落としの仕掛け、金沢城の歴史をたどる展示を見られます。

太い柱と梁が並ぶ五十間長屋の木造内部
五十間長屋 内部見学
項目内容
開館時間9:00 〜 16:30(最終入館16:00)
休館日年中無休
入館料大人(18歳以上)¥320
小人(6歳 〜 18歳未満)¥100
未就学児 無料

兼六園にも行くなら、プラスワン利用券がお得

もし兼六園にも訪問するなら、「兼六園プラスワン利用券」を使うとお得に五十間長屋に入城できます。

兼六園プラスワン利用券は、兼六園の入場券と金沢の文化施設一か所の入場がセットになった券です。金沢城では、ここ五十間長屋が対象となっています。

通常であれば、兼六園の入場券が320円、五十間長屋の入場券も320円で、合計640円がかかりますが、兼六園プラスワン利用券なら、500円で兼六園と五十間長屋に入場できます。

プラスワン利用券は事前に購入しなくても、五十間長屋の入り口受付で購入可能です。

兼六園プラスワン利用券 | 石川県

二の丸御殿、復元整備中!

金沢城公園の二の丸御殿復元工事エリアを示した地図

二の丸広場には、かつて藩主が暮らし、政務を執った二の丸御殿が建っていました。部屋の数は60以上。襖や壁は障壁画で飾られ、金具の一つひとつにまで意匠が凝らされた、城内で最も大きな建物でした。1881年(明治14年)の火災で焼失しています。

復元工事中の金沢城二の丸御殿と仮囲いの解説パネル

現在はこの御殿を復元する事業が進められており、2025年(令和7年)3月に着工しました。現在行われている、玄関まわりを建てる第1期工事は、2033年度ごろの完成見込みです。

なお、二の丸御殿はとても華やかな御殿であったことが知られています。二の丸御殿が完成すれば、より加賀百万石の栄華を感じることができるでしょう。私もとても楽しみです。

三十間長屋

金沢城公園の三十間長屋の位置を示した地図 桜の下に建つ金沢城の三十間長屋

三十間長屋は、石川門と同じく江戸時代から残る大変貴重な多聞櫓です。国の重要文化財に指定されています。

三十間長屋正面の海鼠壁と白い扉

三十間長屋の内部も見学可能(無料)です。五十間長屋が歴史や城、構造など資料展示に特化している一方で、三十間長屋には展示などはありません。その代わり、江戸時代から残る梁や壁など、建物自体が非常に見応えのあるものとなっています。

江戸時代の梁が残る三十間長屋の内部

こちらも石川門同様、4月〜11月の土曜・日曜、行楽期などで内部が公開されます。

金沢城土蔵(鶴丸倉庫)

金沢城公園の鶴丸倉庫の位置を示した地図 白壁と黒い板壁が特徴的な金沢城の鶴丸倉庫

鶴丸倉庫は、1848年(嘉永元年)に建てられた武器の倉庫です。石川門、三十間長屋とともに国の重要文化財に指定されています。

延床面積はおよそ636平方メートル。城に残る土蔵としては全国でも最大級の大きさです。明治時代からは軍が引き継ぎ、兵士の制服をしまう倉庫として使っていました。

太い柱が並ぶ鶴丸倉庫の広い木造内部

こちらも石川門や三十間長屋と同様に、4月〜11月の土曜・日曜、行楽期などで内部が公開されます。(無料)

玉泉院丸庭園

金沢城公園の玉泉院丸庭園の位置を示した地図 池と石橋が広がる金沢城の玉泉院丸庭園

玉泉院丸庭園(ぎょくせんいんまるていえん)は、城のなかに造られた庭園です。三代藩主の前田利常(まえだとしつね)が1634年(寛永11年)に造らせ、歴代の藩主が代々手を加えてきました。

来客をもてなす場だった兼六園に対して、こちらは藩主が自分のために使った庭です。池を囲む斜面には石垣が積み上げられ、その石垣に水が流れ落ちる滝が組み込まれています。庭と石垣が一体になった造りは、ほかの城では見られません。

石垣を背景に池が広がる玉泉院丸庭園

庭に面した休憩所「玉泉庵」では、庭を眺めながら抹茶と季節の生菓子をいただけます。休憩や庭の見学だけなら無料です。

抹茶を楽しめる玉泉庵の入口と外観

鶴の丸休憩館

金沢城公園の鶴の丸休憩館の位置を示した地図 大きなガラス扉がある鶴の丸休憩館の外観

歩き疲れたら、鶴の丸休憩館へ。入館は無料で、一面のガラス窓の向こうに菱櫓と五十間長屋を眺めながら休憩できます。

五十間長屋を眺められる鶴の丸休憩館の休憩スペース 鶴の丸休憩館の窓から望む五十間長屋

館内のシアターでは、焼失した二の丸御殿をよみがえらせたVR映像(約10分、英語字幕付き)を無料で上映しています。大型モニターやタッチパネルに触れながら、城の歴史をたどれる展示もあります。

鶴の丸休憩館のシアターで上映される二の丸御殿VR映像 鶴の丸休憩館にある金沢城歴史絵巻の大型展示

館内にある「豆皿茶屋」では、石川の銘菓や名産を豆皿に少しずつ盛り合わせたセットや、スイーツなどを味わえます。

鶴の丸休憩館内にある豆皿茶屋の入口

毎週土曜は無料のライトアップ

夜にライトアップされた金沢城の石川門

毎週土曜日と、桜の時期などの行楽期には、夜9時まで開園し、園内がライトアップされます。夜も入園は無料です。

灯りがともるのは、石垣に囲まれた玉泉院丸庭園と、菱櫓や五十間長屋を望む三の丸広場。城の外周の石垣は、毎日22時までライトアップされています。

石垣と池が照らされた玉泉院丸庭園のライトアップ

夜に開いている入り口は、石川門口、鼠多門口(ねずみたもんぐち)、玉泉院丸口の3か所です。

鼠多門・鼠多門橋もライトアップされており、鼠多門を抜けると玉泉院丸庭園にもすぐに到着できるので、ライトアップは鼠多門から入場するのがおすすめです。鼠多門は、尾山神社境内の裏手に門への通路があります。

夜にライトアップされた鼠多門と鼠多門橋 金沢城ライトアップ時に利用できる三つの入口を示した地図 夜の鼠多門を通って金沢城へ入る観光客

入り口は5つ。初めてなら石川門口へ

桜が咲く石川橋から金沢城へ向かう観光客

金沢城には入り口が5つあります。初めて訪れるなら、石川門口を目指せば間違いありません。前述の通り、金沢城観光の最も王道の入り口であり、兼六園の入り口や商店なども立ち並び華やかです。

石川門口と観光案内所の位置を示した金沢城公園の地図

石川門口付近まではバスやタクシー、徒歩でアクセス可能です。石川門をくぐると観光案内所があり、コインロッカーや日本100名城のスタンプもここに置かれています。

なお、帰りは、次に向かう場所に近い入り口から出るのがおすすめです。

金沢城公園の五つの出入口と周辺観光地を示した地図
金沢城の出入り口と付近の観光スポット
入り口近くの観光スポット
石川門口兼六園
玉泉院丸口金沢21世紀美術館、香林坊
大手門口主計町茶屋街、ひがし茶屋街
黒門口近江町市場
鼠多門口尾山神社、長町武家屋敷跡

車でアクセスする際は、石川門口の近くに兼六駐車場があります。普通車480台を収容し、24時間営業。料金は最初の1時間350円、以降30分ごとに150円です。

金沢城の歴史

満開の桜に囲まれた金沢城の石川門

金沢城が建つ場所には、もともと金沢御堂(かなざわみどう)という浄土真宗の寺がありました。1580年(天正8年)に織田信長の軍勢が攻め落とし、その3年後、豊臣秀吉に味方した前田利家が城主となります。

前田家が治めたのは、加賀・能登・越中の三か国、およそ百万石。明治を迎えるまでのおよそ300年間、歴代の藩主はこの城に居を構えています。その間、城は幾度も火災に見舞われ、そのたびに建て直されました。

明治に入ると城は軍の施設となり、1881年(明治14年)の火災で建物の大半を失いました。戦後は金沢大学のキャンパスとして使われ、大学の移転後、2001年(平成13年)に金沢城公園として開園しました。

金沢城の歴史
浄土真宗の寺、金沢御堂がこの地に建つ
織田信長の軍勢が金沢御堂を攻め落とす
前田利家が入城し、城づくりが始まる
落雷で天守を失う
大火をきっかけに、城の中心が二の丸へ移る
城下の大火で、城の大半が焼ける
石川門が再建される(現存)
鶴丸倉庫が建てられる(現存)
三十間長屋が再建される(現存)
火災で二の丸御殿を失う
城跡が金沢大学のキャンパスになる
金沢城公園として開園、五十間長屋が完成
二の丸御殿の再建工事が始まる

なお、現在の金沢城に、天守閣はありません。

天守が建てられたのは、前田利家が城主となった1580年代のこと。それから20年ほどのちの1602年(慶長7年)、落雷によって焼け落ちました。翌年、天守に代わる三階櫓(さんがいやぐら)が建てられたものの、こちらも1759年(宝暦9年)の大火で焼失。どちらも、その後は建て直されませんでした。

百万石の大藩が天守を再建しなかった背景には、幕府への配慮があったとされています。徳川家に古くから仕えた家ではない前田家は、幕府から警戒される立場にありました。城を大きく造り直した際には、謀反の疑いをかけられることもあり、再建について慎重になったと言われています。

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